見出し画像

キャリアは市場価値の時代:若手ビジネスパーソンの取るべき戦略


キャリアの進化:1.0から3.0へ

キャリアの進化は、時代の変化とともに段階的に変化してきました。
最初のキャリア1.0時代では、終身雇用が一般的で、ほとんどの人々は一つの企業でほぼ一生を過ごすことが期待されていました。この時代のキーワードは「安定性」と「忠誠心」であり、長期的な雇用は成功の象徴でした。

しかし、平成時代のキャリア2.0では、転職が選択肢に追加され、個人のキャリアにおける柔軟性と多様性が高まりました。企業間の競争が激しくなり、個々の市場価値が重要視されるようになりました。若手ビジネスパーソンは、新しい経験を積み重ね、スキルを磨くことでキャリアを構築しました。

そして、最近のキャリア3.0時代では、市場価値がキャリアの成功に不可欠な要素となりつつあります。これまで以上に市場での競争が激化し、転職が当たり前のステップとなりつつあります。どの企業に所属するかよりも、あなたがどれだけの価値を提供できるかが重要視される時代です。

時代によって、ビジネスパーソンに求められることは大きく変わってきた。

市場価値の重要性

令和時代では、目先の年収は後回しにして、その仕事やスキルが持っている市場価値がいかほどか?を重視することが最優先です。ポイントは年収と市場価値は必ずしも一致しないということです。
世の中には、
A. 高年収をもらっているが市場価値の低い人々 と、
B. 市場価値は高いが、低年収の人々
が存在します。
この違いをよく覚えておいてください。市場価値の考え方が、キャリア3.0時代においてますます重要になります。

10年前までは、待遇の良い企業に入ることが成功の鍵でしたが、今は市場価値が最重要です。どんな仕事ができて、どんな価値を提供できるかが重要です。
特に若手ビジネスパーソンは、年収を無視してでも市場価値を高めることだけに集中するべきです。なぜなら、30代以降の人生で大きな影響を与えるからです。市場価値を高めれば、その後は自分の希望やタイミングでいつでも待遇やワークライフバランスを改善できる可能性が高まります。簡単にいうと30代で元が取れるということです。

社内での待遇格差

これからの時代は、転職がより当たり前になり、いま以上に人材の流動性が高まっていきます。これに伴い、社内での待遇格差が激しくなります。なぜか。
転職で高い市場価値を持つ人々は、企業側は既存社員よりも高い年収を払ってでも採用します。しかし、企業もすべての社員に高待遇を提供できないため、高い年収で採用した転職者の配属先で同じ仕事をしている既存社員の年収を上げることはしません。そうなると同じ仕事をしているにも関わらず市場価値に応じた給与待遇差が生じるということになります。これが今後のキャリア3.0時代の特徴です。

市場価値が高い人は、何十人、何百人に1人しかいない存在。だからこそ優遇されやすい。

市場価値の高め方

市場価値を高めるためには、希少性、再現性、市場性の3つの要因を考慮する必要があります。希少性は、どれだけ他の人と異なるスキルや経験を持っているかを示します。再現性は、異なる職場や業界でも同じように成功できるかどうかを意味します。市場性は、あなたのスキルや経験が求められているかを示します。

自分の市場価値を高めるために、以下の方法を検討してみてください。
①    希少性: あなたが持っているスキルや経験がどれだけ珍しいかが重要です。他の人が持っていない希少な能力や知識を持つことで、市場価値が高まります。

②    再現性: どんな状況でもあなたのスキルや経験を活かせるかどうかが大切です。前職と同じように成果を上げることができるかが再現性の指標です。

③    市場性: あなたのスキルや経験が求められているかどうかも重要です。転職市場やビジネス市場で必要とされているスキルを持つことで、市場価値を高めることができます。

最強の状態は、自分だけが持っている希少なスキルで、どんな企業でも再現性が高く、多くの企業がそれを求めている状態です。これはプロスポーツに例えるとわかりやすいかもしれません。

大谷翔平選手のように、二刀流という①希少性があり、日本でもアメリカでも結果を出しているという②再現性があり、人気でスポンサー広告も集まりやすいという③市場性がある。こういった選手であれば世界中どこのチームも欲しい選手なので、大谷選手が入りたいチームを選ぶ主導権を得ることができます。
極論大谷選手がBLACKPINKのファンなので、年俸キープした状態で韓国の球団に入りたいと願えば、韓国の球団はどうにか環境を整えて迎え入れるはずです(これは冗談です笑)。希少性、再現性、市場性から採算が合うと計算が立つからです。
基本的にビジネスパーソンに求められているものも、根本的には同じだということを覚えておいてください。

大谷選手の市場価値も、①希少性、②再現性、③市場性の3要素で説明することができる。

ビジネスの現場では、いま現在の年齢に応じて、それぞれに年齢相応の求められる市場価値(希少性、再現性、市場性)の相場というものがあります。その現在価値が将来価値として過大評価してもらえる状態がポテンシャル採用というものになるかと思います。

現職に残りながらも市場価値を高める方法もあるかもしれません。現職ではどうにも難しいので転職をした方が早いとなる可能性もあります。自分を客観視して相対的に自分の市場価値がいくらくらいなのか?を図ることはなかなか難しいと思いますので、是非そこは転職エージェントや、キャリアコーチングの意見も取り入れながら自分のビジネスパーソンとしての居場所、ポジショニングが危うくないか、ぜひ自己点検してみていただきたいと思います。

希少性を落とす環境とは

自身が若手からずっと発注者側、つまり仕事を発注し、商品を購入する側に位置することは、希少性の向上を難しくする傾向があります。一見、自分は希少性を持っていると錯覚するかもしれませんが、転職市場に投じられた際、その評価は実に厳しいものとなるでしょう。

具体的な例を挙げてみましょう。大手企業の宣伝部でCMやSNS運用を担当する人がいます。彼らは数々の派手な実績を持ち、一見すると成功しているように見えます。しかし、実際にはこの実績は企業の予算が大きかったために成し遂げたものであり、大手の広告代理店や制作会社の優れたスキルに依存していたことがあります。

別の例として、小売業界のバイヤーを考えてみましょう。バイヤーは商品選定を担当し、営業から提案された商品を選ぶ役割を果たします。彼らは営業マンの提案に従って商品を選ぶだけで実績を積むことができ、楽なポジションにいるように思えます。しかし、発注者側にいることで、本当の希少性を高める機会を逃すことにもつながります。

発注者側にいることは楽な一方で、将来のキャリアにおいて制約を生み出す可能性があることを理解することが大切です。自身がクライアントとして仕事を依頼する立場にいると、希少性を高めるチャンスを見逃すことになります。若いうちから自ら提案し、営業を行い、受注する経験を積むことは、市場価値を高めるために必要なスキルの一つです。楽な道に進むことはできますが、その安楽さには潜在的なリスクがあることを肝に銘じましょう。

再現性を落とす環境とは

再現性を高めるためのアプローチについて、大手企業でのポイントと注意点を説明します。大手企業に勤務することは一見魅力的に思えますが、その際に気をつけるべきことがあります。特に、若手の方は以下の点に留意してください。

1. 大手企業のスケールに注意
大手企業はスケールが大きく、数十億円から数百億円規模のプロジェクトを扱うことがあります。これは素晴らしいチャンスに思えますが、若手がこれらのプロジェクトに関与することは難しいことが多いです。社会人2年目などの若手が大規模プロジェクトの全体像を理解し、実行できることは限られています。

2. 仕事の細分化に注意
大手企業での仕事はスケールが大きい反面、細かい作業に特化するケースが多いです。多くの場合、会議のセッティングや社内の資料作成など、部分的な仕事を担当することがあります。これにより、全体像を把握できないまま仕事を進めることが多く、再現性を高めるのは難しいです。

3. 自己提案と実行が重要
再現性を高めるためには、自己提案と実行が欠かせません。大手企業であっても、自分からクライアントやプロジェクトを獲得し、実際に案件を進める経験が重要です。クライアントと対話し、フィードバックを受けることで、自己成長が促進されます。

したがって、再現性を高める観点から見ると、大手企業での勤務は必ずしも有利ではなく、中小企業やスタートアップでの経験の方が再現性を向上させる可能性が高いことがあります。自分でプロジェクトを進め、失敗から学び、成長する経験が、将来の成功につながるでしょう。大手企業での仕事に魅力を感じるかもしれませんが、その仕事が再現性の向上につながるかどうかを検討することが重要です。

市場性の高め方

市場性を高めるための方法について、自身のスキルを市場に求められるようにするだけでなく、成長している市場に焦点を当てることが非常に重要です。以下は、市場性向上のヒントとして考えるべきポイントですが、注意が必要です。

1. 成長している市場を選ぶ
市場性を高めるためには、成長している市場に参入することが鍵です。市場が拡大し、需要が増加している分野で働くことで、自身のスキルがより求められるようになります。逆に、景気の悪い、縮小している業界で仕事をする場合、市場性は低くなります。

2. AIに置き換えられない仕事を選ぶ
AI(人工知能)の進化に伴い、多くの仕事が自動化されています。市場性を高めるためには、AIに置き換えられない特別なスキルや専門知識を持つことが重要です。自身の職業がAIによって代替可能である場合、市場での価値は低下する可能性があります。

以上のポイントに該当する人々は、市場性の観点から見ると競争が激しくなる傾向があるため、注意が必要です。自分のビジネスパーソンとしての居場所やポジショニングが危うくないか、自己点検することが重要です。市場性を高めるためには、成長産業で、AIに代替されにくい仕事に従事することが一つの方法となります。

まとめ

キャリア3.0時代は市場価値が最優先となる時代です。若手ビジネスパーソンは、自己成長と市場価値の向上に焦点を当てるべきです。市場価値を高めれば、将来的にキャリアの自由を手に入れることができます。キャリア3.0時代のビジネスパーソンは、市場価値の向上に積極的に取り組み、自身のビジネスパーソンとしてのポジショニングを確立しましょう。


▼ LINE友達追加して早速転職の相談をしてみよう


この記事が参加している募集

#仕事について話そう

109,816件

#転職体験記

6,495件