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ってことはつまり文章読本でしょと思ったのだがじつは…


って、文章読本じゃないじゃん!そもそも吟遊は秋の読書感想文に入っているから読んだのだけどけど…


いやはや、読める。じつはこれ、読み物であった。



改めて、これは『文章は接続詞で決まる』という本の感想文である。



まず、接続詞を研究する人が少ない、と書かれているところに引き込まれた。いや、ここで引き込まれるのは言語学マニアくらいかもしれないが、それでも目の付けどころがいい、と思わされた。というのは、手をつけられていないにも関わらず存外に接続詞は奥が深かったからだ。

で、作者の石黒圭氏が何者かと見てみると、文章論なるものの専門家であった。となれば、なにを隠そう言語学好きの吟遊としては、これはもう読んで大当たりに決まっていたのである。たとえば接続詞を四種十類に分ける独自のグルーピングなんかには、その美しさにうっとりしてしまうのである。



次に、ついでに文章を書く上で接続詞を使う勘所についても書かれた本でもあるので(いや、むしろそちらがメインだって)、この作者自身の接続詞の使い方、選び方が自ずと気になってしまう(これまたコアな楽しみ方か)。そういうわけでこの本の接続詞をメタに追って読んでみると、やはり見事な使いっぷりであり、ふむふむほほーん、いやー、さすが、と思ってしまう。



最後に、引用する文章がこれまたニクいのである。

例えば井伏鱒二、谷崎潤一郎などを出し、ここぞというところで出したのが夏目漱石の『それから』。たしかにそりゃあんた接続詞だよぉと、巧妙なネタ振りと落としには舌を巻かざるを得なかったのだ。



ということで、接続詞をめっちゃ意識してこんな感想文書いちゃいましたとさ。



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