売手市場から買手市場へ

 こんばんは。
 コロナ禍による企業の倒産、学生への内定取消等、世の中で売手から買手市場へと就職市場が移り変わってきています。
 今回は、以前に書いた2002〜2006年頃の転職活動経験をより詳しくお話しします。一部過激な表現も入りますが、恨み節ではなく、あくまで自分の考えとしてです。

1「石の上にも3年」の異常信仰と決めつけ

 勤めていた会社を辞めるにあたって、理由はそれぞれあると思います。また、勤務期間も長い人もいれば短い人もいます。
 まあ、僕は(正規非正規問わず)会社都合なのに自己都合扱いで辞めさせられたりとか、激務で辞めた事もあったのですが、それについて面接で言われるのは決まってこれです。
「君が根性がなかっただけではないのかね?」
「石の上にも3年!それが出来ない人はいらないんだよ!」
極めつけはこれです。
「自分の至らなさを会社のせいにするんじゃない!」
当時は今みたいにコンプライアンス遵守なんて概念はありませんでしたからね。こういう事は普通にありました。

2 人間関係の悪化、理不尽な社会的制裁

 そもそも僕の世代は就職氷河期の真っ只中。「自分がしたい仕事をする」「自分に合った仕事を探す」なんて贅沢であり、「会社様から採用していただく」のが当然という風潮でした。
なので短期離職や自分のやりたい仕事を探す為の求職活動が長期化すると、周りの風当たりも厳しくなります。
 面接では事情も知らないのに罵られ、友人、親戚からは社会不適合者のレッテルを貼られ、周りから人はいなくなりました。
 今思えば、彼らも現状に不満があったから、「正義」の名目で誰かを叩く事で、ストレスを解消していたんでしょうね。

3 圧迫面接

 今もよく耳にする言葉です。
 やる側からすれば「顧客へのクレームや厳しさの耐性を試す為」というもっともらしい理由を持ち出してきますが、僕はこんなのやるだけ無駄だと思います。
 僕に言わせれば、体の良いストレス発散にしか思えませんね。そもそも相手を不快にさせるだけで何の生産性もない。実際僕が採用側で立ち会った面接で、面接官がこれをやったら求職者は皆辞退していきましたよ(笑)。これを根性なしと捉えるのは馬鹿としか言いようがないですね。
 まあ、買手市場は全ての企業がそうだとは言いませんが、「一緒に働ける人を探す」のではなく、「とにかく優秀な人材を確保する」のが目的になってしまっているので、こういった事も起こりうるのかなと思います。

4 今後どうなるのか

 ここまで採用する側である、企業のやりたい放題という事を中心に書いてきましたが、逆も勿論あります。
 売手市場においては、求職者の選考ドタキャン、企業への自分の要求のゴリ押しも当然ありまして、バブル期においては(僕は詳しくは知りませんが)、こういった事もあったと聞いています。
 それが、就職氷河期になり、立場が逆転したので企業が同じ事をしてるように見えました。再び売手市場に転じた際は、バブル期程ではないにせよ、似たような事象は見られましたからね。
 さて、また買手市場へと変わる中で、先述したような事は繰り返されるでしょうか?
 僕は、前程ではないにせよ繰り返されると思います。今はコンプライアンス遵守やネットの普及により、見えない規制はある程度かかるものの、オワハラ等のハラスメントは依然として消えませんからね。
 ただ、学生のうちから起業する人も増えており、「学校を卒業したら企業で働く」という既存のモデルを選択する人ばかりではなくなりました。このように働く選択肢が増えていけば、世の中も変わっていくかもしれませんね。

 最後に。
 世の中がどのような状況になっても、企業と求職者は対等の立場。間違っても「資本家と奴隷」のような関係にならない事を祈ります。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?