力を合わせてブランディングする(第1回:政治編)

 今回のブログから3回に渡って、「力を合わせてブランディングする」事について書いていきたいと思います。

 なぜ、このテーマを書こうと思ったのかというと。BtoBのウェブマーケティングは、それなりに取り組みを始める企業が増えてきました。

 多くのBtoB企業が、ウェブマーケティングを初めるとどんなことが起こるかというと。簡単に言うと差別化ができなくなるという事が起きます。

 10年前は黎明期でしたので始める企業もほんの一握りでしたので、それなりに成果を出す事ができました。現在、このコロナ禍の状況でウェブマーケティングはいよいよマストになっています。

 私がここ数年感じている違和感、それは各部門だけでの単独の戦いでは、もはやターゲットに自社の情報を到達させる事が出来ない。

 各部署の限られた予算だけでは露出させることもできないと思っています。マーケティング部・営業部・人事部・広報部の知名度を上げるという至上命題を最大公約数するしかない。

全3回の構成は下記の通りとなります

「第1回」組織の理解を得る(政治編)

「第2回」具体的戦略を練る(戦略編)

「第3回」施策の準備と実行(実践編)

 さて1回目、「組織の理解を得る」ということで政治編としておりますが。組織とは人の集まりであり、人はそれぞれ感情の生き物であるということです。

 いくら良いプランを作って正論を振りかざし説得しても人の利害を調整しなければ上手く事が進んでいきません。

 例えば、マーケティング部が新設され勢いよくウェブマーケティングをやりますと言っても、既存の営業部からしてみれば、何だか主役を取られた気になったりして面白くないですよね。

 

 政治が絡みやすいこのステージでは、組織の理解を得る上でのポイントは下記の3つにまとめました。

・お互いの利益を確認する

・やる事を分かるようにする

・スモールスタートで早くやる

 「お互いの利益を確認する」特に部門間の理解を得るかがとても大切で、BtoB企業の場合は広告費などを潤沢に持っているところはありません。ですので、お互い協力して進めていく事で相乗効果を生み出すことができます。

 知られている事でモノを売りたい事業部や、良い人材が欲しい人事部などはお互い認知度を高めたいと思っています。お互いの利益が共通することは多いので、お金と時間と知恵を合わせれば上手くいく可能性は高まります。

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 次に「やる事を分かるようにする」は、数値目標を作って理解を得ることです。特に経営層には費用対効果をしっかりと説明できるようにしなければ、まずプロジェクトをやらせてもらえません。

 その数値目標で課題になるのが、BtoB企業が苦手とする潜在層へのアプローチ(認知:サイトへの流入)です。

 ウェブマーケティングを実施する企業が当たり前になる中で課題となっているのが、ブランディングの強化です。各社がこぞってウェブマーケティングを始めればお互いが目立たなくなるのは当然です。

 ブランディングというと、動画作ったり、ロゴ作ったり、広告したりと思われると思います。そして、それはBtoB企業だから効果無いんじゃ無いかと思われるわけです。

 しかしながら、結果的にブランディングの効果で「競合にコンペで負けた」「選定にも呼ばれなかった」と思うことも増えているのではないでしょうか。

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 この図からも分かるように、ブランディングだけでは受注することはできません。最終的には営業がクロージングしなければ売上が上がりません。しかし認知の段階でコケてしまったら案件自体も少なくなります。

 ベンツやレクサスなどは自動的に売れるでしょうか?いや、営業がいないと売れません。住宅はどうでしょうか?やはり営業がいないと売れません。

 しかし営業だけで売れるでしょうか?やはりチームとして、会社全体で売っていくと思います。決して営業だけで売れるものではなく、色々な要因が混ざり合って売上ているのだと思います。

 この認知部分で、印象が悪いサイトや動画や写真やテキストであればどうでしょうか?流入自体が減ったり、直帰率が上がったり、良いことはありません。人は見た目が9割と言いますが、サイトや動画なども同じなのだと思います。

 最後に「スモールスタートで早くやる」ですが、BtoBのウェブマーケティングでは、MC(マーケティングコミュニケーション)、CC(コーポレートコミュニケーション) という言葉があります。MCは、主に事業部、CCは広報部のコミュニケーションアプローチです。

 ウェブマーケティングというと事業部の案件になるわけですが、初めから予算をかけて大規模にやってしまうと失敗した時に目立ち過ぎてしまいます。

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 ポイントは小さく始めることで、上手くいったら予算を獲得し規模を拡大すれば良いわけです。まずは予算の範囲内で出来る事からスタートして経験を積むことが、結果早道になるのではと思います。

 仮説検証的に少しずつトライ&エラーを繰り返して検証できる場が持てれば、経験が上がれば精度も上がりますので、スモールスタートをオススメいたします。

 1回目、組織の理解を得る(政治編)という事で色々とお話させて頂きましたが、まさにこのステージは社内の政治が多いので、この辺りを上手く調整することが次へのステージに上がるポイントなのだと思います。

 私も、この段階から入ることは多く、社員では利害関係があり過ぎるのでファシリテーター的に入って欲しいというオーダーは多く、ここを突破できると割とスムーズに事が運ぶケースが多い印象です。

 では、次回2回目「具体的戦略を練る(戦略編)」も近々アップ致しますのでよろしくお願いいたします。

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