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雨雲出版について

雨雲出版をスタートしました~「雨雲」の由来

2023年 雨雲出版 という出版レーベルをスタートいたしました。

雨雲という名前は、わたしがライフワークとしている作家ベッシー・ヘッド(Bessie Head 1937-1986 南アフリカ/ボツワナ)が大切にした言葉から拝借しました。

北部のオカバンゴデルタなど一部の湿地帯を除き、国土の多くが平坦で乾燥した半砂漠地帯のボツワナには、はっきりとした乾季と雨季があります。

ベッシー・ヘッドが最初に発表した1968年の小説『雨雲のあつまるとき』には、干ばつに苦しみ大きな被害を受けた独立前後のボツワナが描かれています。
なかなか現れない雨雲は、ボツワナにとって恵みの象徴です。

今でもボツワナでは恵みや豊かさのシンボルである雨。
現地で話されているセツワナ(ツワナ語)で雨はプラ(pula)。雨雲はマルアプーラ(maru-a-pula)
現地通貨もプラと呼ばれます。

アパルトヘイト時代の南アフリカで白人と黒人の間に「違法」として生まれ、13歳までその事実を知らず孤児のように育ったベッシー・ヘッド。
二度と帰国が許されない出国許可証を持って、南アフリカから幼い息子とボツワナに亡命した彼女は、小説『雨雲のあつまるとき』の出版後に小さな家を建てます。

帰る故郷がない彼女が暮らした、ボツワナはセロウェにあるこの家の名は、Rain Clouds。
雨雲です。

ベッシー・ヘッド。セロウェの自宅前にて。(Khama III Memorial Museum)
アフリカ大陸地図

雨雲出版のこれから

2024年3月現在、雨雲出版はひとり出版レーベルです。
アフリカ地域専門で、国際協力業界を中心に仕事をしてきたわたしが、出版という新しい世界で始めるこのレーベルでは、以下の出版を予定しています。

作家ベッシー・ヘッド著When Rain Clouds Gather(1968)の日本語訳『雨雲のあつまるとき』(仮)

また、これまでに商業出版に乗らない小出版の形で以下を出版しました。

『雨風の村で手紙を読む ベッシー・ヘッドと出会って開発コンサルになったわたしのアフリカ旅』

『雨雲のタイプライター ベッシー・ヘッドの言葉たち』ベッシー・ヘッド/横山仁美訳

その後の出版予定については、ベッシー・ヘッドの未発表の作品を中心に、いくつか本の企画たちを練っているところです。

また、作家ベッシー・ヘッドに限らずとも、アフリカのこともそれ以外のことも、フィクションでもエッセイでも、誰かの心に温かさや感動を届ける本を世に出したいと願っています。

まだまだ始まったばかりですが、素敵な本をまだ見ぬ読者様にどうやって届けるのか、考えるだけでもワクワクしています。
そのことでいつかは社会にほんの少しでも貢献できるのなら、そんな嬉しいことはないかもしれません。

2024年3月
雨雲出版 横山仁美


2023年4月17日。ベッシー・ヘッドの命日に、ボツワナのセロウェ、ボタラオーテ墓地にて

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南アフリカの作家ベッシー・ヘッド(1937-1986)の紹介をライフワークとしています。(詳しくはこちら)
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⇒ note「雨雲のタイプライター|ベッシー・ヘッドの言葉たち」

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