脱成長経済と「コモンズ」解釈
こんにちは。ADS(株)のコモンズ創造室です。名乗るとだいたい「コモンズって何ですか」って反応が返ってきます。一言で説明するのは難しいです。共助の仕組み、脱成長、ワーカーズコープ…でもこのコモンズというものが、気候変動などの環境課題も、貧困や格差などの社会課題も解決する鍵になるはず!と思って進んでおります。
ざっくり定義
自分が「コモンズ」という概念を知ったのは斎藤幸平さんの「人新世の資本論」からです。これによるとコモンズはみんなで共有してみんなで管理運営する、生きる上で必要なものを指しています。例えば水とか土壌とか、電力とか交通機関とか、医療とか教育とか。ざっくり言うと、水がないと人は生きていけない、もともとは誰のものでもなかったのに、資本が囲い込んで商品化してしまったから、お金を払わないと水も飲めなくなった。それを取り戻そうみたいな話です。もう一度、みんなの共有資産にして、他人任せにせず、当事者みんなで共同管理していこうと。
コモンズの具体的な取り組みとしては
①水道など本来は公営であったのが民営化され利益追求型になってしまったものを再公営化すること ②市民同士で支えあいの仕組みを作って生活に必要なものをシェアしあうこと ③もっとエコビレッジ的に自分たちでなるべく自給自足、もしくは地産地消の経済圏を作ること などなど。
基本的な考え方
①~③に共通していることは、永久に利益を追求し続けなければならない資本主義からは距離を置いて、人と自然を中心にした価値観で経済や社会を作っていくこと(脱成長経済)と、そのために市民一人ひとりが当事者として管理運営に関わること(民主主義)です。
コモンズ創造室の解釈
誰にでも得意なことや興味関心の高いところがあって、いろんな個性があります。それぞれが分かち合えるものをお互いに供給しあう、満たしあうコミュニティ。そういう解釈をしています。生きるために必要なものは人それぞれで、ゲームが好きな人はゲームが必要です。でも、もしそれを「ゲームやってみたいけど、よくわからないから始められない」人に教えられたら、自分が持っているものを他人に差し出すことができればそれは「マイコモンズ」と呼んでいいのではないか。
そして、それぞれが必要なものの重なり、共有ゾーンの濃い部分がいわゆる生活インフラになります。でも重ならない部分も大事にする。一人ひとりがありのままの自分でいられる場所であること、誰一人取り残さないこと。
結構ハードル高い理想かもしれません(笑)
具体的にどんなことから始めようとしているか、また別途書きます。