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「村上RADIO」ステイホームスペシャル5.22オンエア全曲紹介

こんばんはRYUです。唐突ですが、「村上春樹」氏の作品は好きですか?今日は、めったにメディアに出ない村上氏がFM東京(ほかJFM全国ネット)でDJ!しました。コロナの時期に何を伝えるのか?興味津々だったのですが、そこは村上氏、著作と同様に、多彩なメタファーの中にメッセージを込めてリスナーを楽しませてくれました。聞き逃した方のために、村上氏が紹介した曲を全曲紹介したいと思います。

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最初はモダン・フォーク・カルテットのこちらの曲。イギリスの諺 Every cloud has asilver lining 「どんな雲にも銀色の裏地がある」がベースになった歌で、日本的に言うと「どんな雲にも光が差す」というニュアンスでしょうかね。

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2曲目は一転してブルース・スプリングスティーン!9.11のテロ事件の後、アメリカ国内を勇気づけた曲だそうです。

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こちらの曲は、歌詞がとてもいい!と村上氏が絶賛していました。直訳すると「雨が頭に降り掛かり続けている」ですが、「いくら不満を言ったって、それで雨が止むわけじゃないだろ?」というポジティブな内容だそうです。この曲も今の時代にピッタリですね。

ここでリスナーからのメールに答えて、村上氏が初めてコロナが始まってからの世相について語りました。

「無暗に白黒をつけようとする傾向が強まっているようですが(自粛警察のように?)、それは好ましいことではないと思う。現実の世の中の善悪は一体で、そんなにハッキリと区分はできない。それを知らせるのが、音楽や小説の役目なんです。」(注:私の記憶の限りなので、正確ではありません)

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こちらも「太陽が差す」ことに希望に重ねた曲です。

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キャロル・キングのお若いころの名曲。こちらも村上氏が好きな歌詞の一つだそうです。

「落ち込んで苦しい状況にいるとき温かな思いやりを必要としているとき
そんなときは目を閉じて、私のことを思い出して。すぐにあなたのところへ行くわ。今までなかったような暗い夜でさえも明るくしてあげる。」

※訳詞:https://ladysatin.exblog.jp/21239344/

一見すると普通のラブソングですが、発表されたのはベトナム戦争の真っ最中の1971年。反戦運動も起きていた時期でした。時代背景を考えると、もっともっと重い意味合いであることがわかります。平和な生活が失われると本当に大切なものが見えるのは、今も同じかも知れません

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次は意外にもレゲエの神様、ボブ・マーリーです。なんとこの曲が入ったCD、村上氏がマウイ島でレンタカーを借りた際に車に残されていたんだとか。滞在中ずっと気に入って聞いて、今も手元にあるそうです(笑)。しかも、ジャケットはその後、LAで1ドルで見つけたんだとか。人と同じように、曲にも「出会い」ってありますよね。

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こちらは名曲中の名曲。説明不要ですね。

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前半の最後は、コロナの最中に誕生日を迎えた人への村上氏からのプレゼント。自分のバースデーにいつも聞く曲は、毎回こちらのケイト・テイラーらしいです。(ここで前半終了)

(ここから後半)

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後半はエリック・クラプトンからスタート。チャーリー・チャップリンが作曲した曲で、「心が痛くても、スマイルを忘れないで」という今にも通じるメッセージでした。この曲はマイケル・ジャクソンやスティービー・ワンダー、日本のMISIAもカバーしています。

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次は3年前に亡くなったジャズボーカル、アル・ジャロウの名曲。「ずっと変わらない、自分の好きなもの」って大切にしたいですよね。村上氏の場合は、「チャンドラーのミステリー」「猫の肉球」「車内の電気が消える時代の地下鉄銀座線」等などだそうです。

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一転してボサノバの小野リサさん。医療関係の方への感謝を込めた選曲でした。

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「Happy Talk」はナンシー・ウィルソンの1961年のナンバー。原曲は1949年のミュージカル「南太平洋」の挿入歌です。

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原題「僕からは何も奪えない」。奪えないのは「彼女の思い出」で、笑い方や紅茶のすすり方、歌う時の音程の外し方・・など、彼女の記憶は誰にも奪えない(忘れない)!というメタファーが散りばめられた、いかにも村上的なラブソング?です。

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原題は「幸せな顔でいよう」ですが、内容を聞くと、邦題は「シケた顔すんなよ!」が良いと村上氏が語っていました(笑)。

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フレッド・ローリーさんは、口笛だけで「Over the Rainbow」を表現した凄いやつ。今なら「Over the Corona」でしょうか。

ちなみにここで、リスナーからの質問がありました。村上氏はオウム真理教事件や震災をテーマとした作品を残していますが、コロナをテーマとした作品を書く予定があるのか?というファンらしい質問。これに対する回答は以下のような内容でした。

「一般の人が気づかない事に気づき、世に問うのが小説家の大きな仕事です。だから、これだけの大きなパンデミックが起きた際に何の影響も受けないことはなく、何等かの形で作品に現れると思います。ただし、今回は『アンダーグラウンド』の時のように直接事件を語るのではなく、転換した書き方になると思いますが、まだ構想がないので今はわからない。」

作品になるのはたぶん3年先くらいだと思いますが、期待してみましょうか。

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こちらの「We`ll meet again」は直訳すれば「また会いましょう」ですが、ベトナム戦争の時代に発表された歌で、会いたい対象は出征する兵士です。この時代に比べたら?現在のコロナの時代は、まだまだ平和に思えてしまいます。

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ラストは、中国の楽器・二胡でバカラックを奏でるジークリット・オネーギンの曲でした。2時間で18曲、実にバラエティに富んだ選曲でした。

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そして村上トークの最後の締めは、ポール・マッカートニーの言葉。10代のころは彼のプロになりたくて、最初「売れ線」を狙った曲を書き続けたんだそうです。しかし、市場からはまったく反応なし(笑)。そんな経験から、既存の音楽に忖度しないで自分が書きたい曲だけを書いたところ、20世紀最大といえる成功に繋がったんだそうです。「価値観が変わっていく時代であっても、自分が求めるものに熱く立ち向かってください」というメッセージでした。(注:くどいようですが、私の記憶の限りですので細部が違ったらご容赦を)

さて、今回のOAの全18曲を紹介しましたが、如何だったでしょうか?平時とはいえない困難な時代をポジティブに生きたり、ポジティブになれるよう応援する曲が多かったように思います。当時の人たちのように、私たちもポジティブに生きねば!という示唆をもらった2時間のOAでした。

ちなみに私、80年代から村上氏の作品のほぼ全てを読んでいますが、全肯定するハルキストではなく、一部は否定(批判?)の立場なんです。村上春樹論がお好きな方は、良かったら以下もご覧ください。ではまた~  (RYU)。

追記:新刊「猫を棄てる」読了しました。私も父との間には長い断絶があるので、まず感じたのは共感でした。このへんは改めて記事にしたいと思います。


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