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読んだ本2冊 2023/11/23

在野研究ビギナーズ

新聞で見たのがきっかけで読みました。個人的にかなり気に入りました。

研究と聞くと堅苦しいイメージがありますし、すごく遠い存在のようなイメージです。確かに論文を出すというのはとてつもないことです(やったことはありませんが、研究室の先生は常々言っています)。

研究とまで行かなくても、自分で何かを始めたいと思っている人にいい本だと思いました。というのも、本書で書かれている在野研究者たちは「自分が研究者と言っていいのだろうか?」と思っている人や「私が論文を…」みたいな人もいます。どこか凄そうに見えます(いち読者の私もそうです)が、思っていることはなんら私たちと変わらないような雰囲気を感じるからです。

内容は15人の在野研究者たちの研究生活について書かれています。各々の体験談が書かれていますが、どの方も自分の内情を吐露するような書き口・内容でどこか親近感?安心感?を感じました。

読んでいると在野研究者としての悩みとしていくつか共通点がありました。端的に挙げるのなら、時間が無い、仲間がいない、肩身が狭い、アクセスできる資料探しが大変の4つです。

時間がない

時間が無いのは誰しも思うことですが、一般的に研究者と言われるような人たちは大学や研究機関に所属しています。その人たちも雑務や講義(大学の場合だとそうですが、研究機関は分かりません)、会議があります。

講義は近からずも遠からずで自分の領域に近いような講義をするので基礎知識を得るという点で言えば、一種の研究にあたります。

ですが、在野の人はそのような仕事に関われたらいいくらいで、ほとんどが全く別の仕事をしています。生活のための仕事と書いている人もいました。なので、それだけで研究時間がないと言えます。

中には、仕事が思いのほか研究と似ている部分を感じて、研究が仕事に、仕事が研究に役立ったと書いている方もいました。個人的には仕事と研究に関わらず、仕事と趣味だとしても別物というよりは直接でなくとも、「あ、ここ似ているかも」と思えるような共通点を自分で見いだせる方が意欲的に取り組めるのではないかと思います。

仲間がいない・肩身が狭い

仲間がいないというのは研究仲間です。在野というだけで学会に出ることや論文を出すのは大変です。

それは自分の所属を示すことが当たり前とされているため、所属なしというのは肩身が狭いです。

また、いざ学会に出ることになったり、論文を出すことになっても自分の書いたことを確認してくれる人がいないため、間違えを後から発見することが往々にあるそうです。

これは文章を書くという点で考えると自分のnoteでも同じことが言えるな〜と。私の場合は事実を確認したいと思うけれども、それをやりすぎると投稿意欲が極端に落ちるのでなるべく意識しないようにしています。

アクセスできる資料が少ない

アクセスできる資料が少ないというのは見れる論文が限られているということです。

私が大学生だった頃は大学がジャーナル(簡単に書けば、ジャンプとかマガジン、サンデーのようなイメージ)を購読しているものであれば全てタダ(と言っても、学費に含まれていると考えるとタダではありません。)で読めました。

ですが、ジャーナルを購読していなければ1つ読むのに50ドルくらいかかる印象があります(私の記憶上)。今は円安ですので、7500円くらいします。しかもその論文が全く意味のないものというのも全然あります。

身近な例として、あらすじで面白そうなマンガを見つけて、買ってみると全く面白くなかった。これで7500円です。こう考えるととても恐ろしいです。

今はオープンアクセスと言って、誰でも無料で読める論文が増えてきているのでこれで助けられている人という人もいました。

資料探しの最後の手が図書館だったりしますが、最近は電子化の流れで、雑誌として論文が読めないことがネックになりつつあるそうです(私の大学もネイチャー、サイエンスくらいしか冊子でありませんでした)。

さらに研究は先行研究を知らなかったでは済まされない事情もあるため、在野はとても厳しい立場にあります。

この本にはそもそも論の「在野」という言葉についても書いてありました。

元々は「在朝」と「在野」の対比で使われていたそうです。在朝は幕府のことを示しています。つまり幕府に仕える人は在朝、幕府に仕えない人は在野と呼ばれたようです。この在野という言葉は明治以降に多様な意味として使われるようになりました。政権を持っていない野党、私立大学の前身となる組織など。大きな括りとして、権力との相対的な立場という意味として使われてるそうだ。


内向型人間のすごい力

3年くらい積読になっていたと思われます。

昨年読んだ『「静かな人」の戦略書』の著者はこの本に感動して、3回くらいぶっ通しで読み直したと言ってたと記憶していますが、当時は「え、あの本が?」と思ったりしてました。

今読むと私もそれに頷けます(3回程の熱意はありませんが)。

この本は、タイトルに内向型とある通り、自分が内向型かも?と思った人は読んでみるといい思います。

かなり共感したのは以下の2点です。

・オンライン上で、親や友人が驚いたようなことを書く

・オープンオフィスはストレスが溜まる
→電話を盗聴される、パソコンの画面を盗み見られると思う。
↑個室を与えられるとパフォーマンスが上がる。

前者はこのnoteがそうだし、後者はそのままのことで感じます。

内向型と言えど、どうしても外向型のように振る舞う必要はある。そういう場合にどうしたらいいのか?

この答えとして、そういう役を演じるとあって自分にしっくりきた。本心から変わる必要は全くなく、あくまで役柄として行う。

そう考えれば、外向型の振る舞い方を習得するという考えが生まれる。あくまでもスキル的な立ち位置。

リーダーシップの取り方としても内向型はトップダウンで上からガンガン言うのではなく、ボトムアップで1人1人が動くようなリーダーシップの取り方がいい。従来型のトップダウンでガンガン言うのは内向型には合ってないようだ。


以上、2冊でした。

では。

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