遊びが子供の学校での成功を助ける!5つの方法
私はこのブログで、子どもにとっての遊びの重要性を繰り返し強調してきました。
今回も「子ども時代の自由な遊び」が、「学校や人生での成功や幸福につながる」という事実を裏付ける5つの研究に基づいた情報を提供します。
遊びは、活動的な身体を作るのと同じくらい、活動的な心を作ります。また、他者と一緒に遊ぶことで、発達と成長に不可欠な社会的能力を身につけることができます。
つまり、遊びは、子どもたちが将来社会や職場で活躍し、複雑で変化し続けるこれからの世界を生き抜くために必要な21世紀のスキルを身につけるのに役立つのです。
以下の5つの研究は、遊びが子どもたちの学習、達成、成功にいかに不可欠であるかを明らかにしています。
1. 運動量が増えると、子どもの注意力、授業態度、学力テストの成績が向上する-CDC(2011)
2011年に米疾病予防管理センター(CDC)が実施した50の研究のレビューによると、学校での日中の運動量を増やすことで、子どもの注意力、授業態度、学力テストの成績が向上することがわかりました。
また、2010年のGallup調査に参加した学校長の80%が、休み時間が学業の成果にポジティブな影響を与えていると報告しています。
なぜ運動すると学力が上がるの?
いくつかの理由が考えられます。主な理由は以下の通りです:
脳への血流と酸素供給の増加:運動により心拍数が上がり、血流と酸素供給が増加します。これにより、脳の機能が活性化され、注意力や記憶力が向上します。
ストレス軽減:運動はストレスホルモンの分泌を抑制し、ストレスを軽減する効果があります。ストレスが減ることで、学業に対する集中力や能力が向上します。
ノルアドレナリンとドーパミンの放出:運動によって脳内のノルアドレナリンとドーパミンという神経伝達物質が放出されます。これらの物質は学習と注意のプロセスをサポートし、学習効果を高める役割を果たします。
体力の向上:運動によって体力が向上すると、学校での授業や活動においても持久力や体力を持続できるため、学業に対する取り組みがより良い結果を生む可能性があります。
逆に、運動不足では学力が低下することも考えられます。
運動不足により身体的な健康が損なわれ、ストレスが増加することで学習に対する意欲や集中力が減退する可能性があるためです。
2. 遊び中心幼稚園 vs 認知・知能育成幼稚園-ドイツの研究
ドイツの教育改革運動の結果、一部の幼稚園は、従来の遊びを中心としたカリキュラムを廃止し、代わりに「認知や知能の育成のための教育プログラム」としてより学術的なアプローチを取り入れました。
その後、各プログラムの幼稚園に通った子供たちを比較した研究によると、10歳の時点で、遊びを中心の幼稚園児の方が、読解力と算数の成績が良く、社交的なスキルや感情の調整においても優れた結果を示し、より創造的で言葉による表現力が豊かなスキルを持っていたことがわかりました。
なぜ、遊び中心の幼稚園に通った子供たちの方が成績が良かったの?
知的な探求心の発達: 遊びを重視した幼稚園では、子供たちが自発的に学び、探求心を育む機会が多いです。自ら考え、問題を解決し、興味を持ちながら学ぶことにより、学習意欲が高まり、学習能力が向上するとされています。
創造性の育成: 遊びを通じて、子供たちは創造的な思考や表現力を発展させることができます。創造性は、学業や問題解決において重要な要素であり、将来の成功にもつながるとされています。
社会的スキルの向上: 遊びは他の子供たちとの交流や協力を通じて、社会的スキルの発達に寄与します。友情の築き方やコミュニケーション能力の向上は、学校環境や人間関係の側面で重要です。
ストレス軽減と学習環境: 遊びを取り入れた幼稚園は、リラックスした雰囲気を持ち、子供たちのストレスを軽減する効果があります。ストレスが少ない環境では、学習意欲が高まり、より効果的な学習が行われることが考えられます。
一方で、勉強を重視する幼稚園では、形式的な学習が主体となるため、子供たちの興味や自主性が抑制されることがあるかもしれません。また、遊びを通じた学びや創造性の機会が減ることで、学習意欲や学習能力に影響を及ぼす可能性があります。
結論として、遊びを重視した幼稚園が子供たちの学力や社会性の向上に寄与する一方で、教育方法によっては学力に悪影響を与える可能性もあることを示しています。
3. 遊びが学校での子供たちに与える重要な影響 - 米国小児科学会
米国小児科学会(American Academy of Pediatrics)は、学校の環境において、遊びが子供たちの学校生活への適応を助けること、それによって学校への関与を促進し、学習準備や学習行動、そして問題解決能力を高める役割を果たすと報告しています。
つまり、遊びは子供たちの学校での成長に重要な要素であり、学業における成功にも関連しているということです。遊びを通じて子供たちは学びを楽しむ姿勢を育み、学習に対する意欲を高めるとともに、問題を解決する能力や学習態度を向上させることができるとされています。
4. 遊びの力と子どもの記憶力向上- 米国小児科学会
子どもたちは、遊びや休み時間に活動することで、日常生活に大きな変化をもたらします。このような活動の変化は、認知能力を高め、脳が新しい情報を学び、記憶することをより受け入れやすくします。
基本的に、通常の学習課題から離れることで、脳がリフレッシュされ、学習活動に戻ったときに知識を吸収し、保持する準備が整います。
5. 友達と遊ぶと学力が向上する- 米国応用発達心理学誌(2012)
特に就学前の子どもにとって、仲間と遊ぶことは、学習の成果に良い影響を与えることが、米国応用発達心理学の研究(2012)によって示唆されました。
友達と遊ぶことは、いくつかの理由から学業成績と記憶力を向上させることができるのです。
やる気と積極性: 友達と遊ぶことで、子供たちはより楽しくエキサイティングに学ぶことができます。一緒に楽しむことで、教育活動への参加意欲が高まり、学習プロセスへの集中力と取り組みが向上します。
社会的交流と学習: 友達と遊ぶことは、コミュニケーション、交渉、問題解決につながります。このような社会的交流は、子供たちがアイデアや情報を交換し、概念をよりよく理解し、記憶を強化するのに役立つため、学習を促進します。
友達と一緒に遊ぶことは、刺激的で楽しい環境を提供し、子供たちが一緒に探検し、交流し、学ぶことができるため、子供たちの学習と記憶を強化します。それは、子どもたちの認知能力の発達や学業成績に良い影響を与え、学習がより充実した、やりがいのある体験になるからです。
まとめ
これらの結果からわかるように、遊びが子どもたちの精神的、身体的、認知的発達に重要な役割を果たしていることがわかります。遊びを通して社会性や創造性を育むことは、変化の激しいこれからの社会を生き抜くための強い基盤となりますね。
昭和の子供達のように、大人が特に気にかけなくても、子どもたちは自由に遊び、成長とともにいつの間にか強い心身や認知、社会的なスキルを身につけることができた時代は、とうの昔に過去のものとなってしまいました。
だからこそ、教育機関や私たち大人は、子どもたちが自由に遊べる機会や環境の価値をもっと重視し、遊びを通して学べる機会や環境をつくり、提供していく必要があるでしょう。これにより、子どもたちの発達や学習に良い影響を与えることが期待されます。
Reference
Taylor, K. (2013, September 03). 5 Ways that Play Helps Kids Succeed in School. Kaboom! www.kaboom.com
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