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衝動多動性ADHDは、”ハンター”型。


ADHD_noteです。

今回は、衝動多動性ADHDは、”ハンター” 型。ということについて書きたいと思います。

これは、私が以前から、興味を持っていたテーマで、ネット上にもいろいろと書かれていることです。

端的に言えば、
狩猟採集社会では、多動衝動性のADHDの特性のある人がかなり優位な社会だった、つまりその特性を十二分に発揮していたのではないか?という話です。

狩猟採集社会とは・・・
狩猟採集社会(しゅりょうさいしゅうしゃかい)とは、主に人類学上の言葉で、野生の動植物の狩猟や採集を生活の基盤とする社会のことである。農耕が開始された新石器時代まで全ての人類は狩猟採集社会だったと考えられている。(Wikipedia 狩猟採集社会より、引用)


つまり、狩猟採集社会とは、野生の動植物を狩ることを生活の軸とする社会だったということです。

以下が、多動衝動性優位のADHDが狩猟採集社会に適しているということが書かれた記事です。

(略)
 さて、突飛で落ち着きがないが、瞬発的機動力で、好奇心の赴くままに行動する「新奇探索傾向」があるADHDだが、農耕が開始された新石器時代以前の狩猟採集社会では、むしろ有利な特性であった可能性が指摘されている。
アメリカでは10人に1人がADHDと診断される
 米ニューヨークのワイル・コーネル医科大学の精神薬理学部長を務めるリチャード・フリードマン教授によると、アメリカでは約11%の人が4歳から17歳までのある時点でADHDと診断されているそうだ。10人に1人以上という計算になる。教授は、「それほど多くの人がもつ症状なら、もはや障害や疾患とは呼べないのではないのでは?」 と疑問を呈している。
 そこでリードマン教授は、「退屈や決められたやり方を嫌い、新しいことや興味を引かれる方向に向かおうとするADHDの人は、あくまでも管理された定住型の現代社会にうまく適応できないだけで、狩猟や遊牧を行う原始的な社会では成功者だったのでは?」という仮説を立てた。

※アメリカでは、日本よりも発達障害と診断される数が多いとされます。

狩りには向くが農耕には向かない 
教授がそれを裏付ける証拠のひとつとして挙げているのが、2008年に発表されたケニヤのマサイ族に属するアリアールと呼ばれる1万人ほどグループを対象に行った研究だ。アリアールはもともと遊牧民族だが、近年になって、定住して農耕を営む集団が派生している。
 ワシントン大学の人類学者ダン・T・A・アイゼンバーグの調査によれば、アリアールの遊牧民の集団では、ADHDと関連づけられるDRD4-7Rと呼ばれるドーパミン受容体遺伝子を持つ男性のほうが、そうでない男性よりも栄養状態が良好であった。だが、同じアリアール族でも農耕民の集団では、DRD4-7Rを持つ男性のほうが栄養不良の状態にあったという。
 つまり、集中力は続かないが新しい刺激に対して行動的なADHDの人は、狩りには向いているが、時間をかけて作物を育てることには向いていないということであり、現代社会に置き換えれば、自分に適した職業や場所さえ見つけられれば、ADHDの特性を強みに変えることも可能だということになる。

(アリアールの遊牧民の集団では、)”ADHDと関連づけられるDRD4-7Rと呼ばれるドーパミン受容体遺伝子を持つ男性のほうが、そうでない男性よりも栄養状態が良好であった”とありますが、近年、ADHDの発症について、遺伝子による影響の研究も進められています。
ADHDが遺伝病(遺伝による障害)と言われる所以でもあります。
※ちなみに、”遺伝する” という概念は、”遺伝によって必ず発症する” ということではなく、”発症のしやすさ” が遺伝するということです。
つまり、発達障害を発症しやすい遺伝子を親に持つ人は、持たない人と比較して、より発症しやすくなるということです。


そして次のテーマが、
私自身、最もADHD当事者がライフハックとして参考にするべきと思うことと同時に、救われるんじゃないかな?と思うことです。

”環境を変えることでADHDの持ち味が生かされる”

環境を変えることでADHDの持ち味が生かされる
 実際に、フリードマン教授の患者のひとりである28歳の男性は、当初広告会社でデスクワークをしていた頃は、長時間座っていることも、ひとつのタスクを完了させるための集中力を持続することもほぼ不可能だったという。
 
 しかしその後、スタートアップ(ベンチャー企業)に参加した彼は、デスクにいる暇もなく、出張でつねに移動している状態に置かれることになり、結果的に毎日を楽しく過ごし、さらにADHDの症状も出なくなったそうだ。
 つまり彼は、環境を変えることでADHDを自ら“治療”したのだ。デスクワークではマイナスの要素であった短気や瞬間的な集中力、落ち着きのなさといったADHDの特性も、スタートアップではプラスに転じたわけだ。
 
 多くの場合、子どもの頃にADHDと診断されても、大人になると症状が軽減される。それというのも、大人には職業や生き方の選択の自由があり、じっと座ったままのデスクワークが苦手なら、学校のように決まった時間に決まった場所にいなければならない仕事ではなく、スリルや変化の多い仕事を選ぶこともできるからだろう。

 「適材適所」こそ、ADHDの特効薬なのかもしれない。

まさに私も、この文の通りだと思っています。

特に ”仕事” に関して、発達障害者は、「適材適所」に配置されない場合、どんなに発達障害者本人が努力しようとも、結果には結びつかないということが考えられます。

同時に記事の中で、”なるほど” とも思った部分がありました。

成人になると、自ら苦手なことを避け、
自分自身で、自分の特性の ”得意なこと” に仕事をシフトできた暁には、
もはや ”障害” が "治療” されたとも言える(表現できる)ということです。
(※あくまで ”治療した
” と言うのは、比喩表現であり、本当に治療・治癒したわけではありません。)


この点でいうと、たしかに
”成人期ADHD” は、”幼少期のADHD” よりも、
”障害” が "少なく見える” という可能性は高まると思います。


今回、衝動多動性ADHDは、”ハンター”型ということについて、

私自身がこれまでの人生で経験してきた、

なぜ、目移りするのか。
なぜ、新しいモノ好きなのか。
なぜ、好奇心が旺盛(止まらない)のか。
なぜ、多く動きつづけてしまうのか。
なぜ、やる気がある時、無い時にムラがあるのか。


・・・などについて、全て説明がつく気がします。

純粋に、

もっと、良い物があるのではないか?

もっと、自分に合うものがあるのではないか?

もっと、楽しいもの・楽しい事があるのではないか?

もっと、刺激があることがしたい・・・。

などの傾向が、ADHD(特に多動衝動性の場合)非常に強いと思います。


今後、狩猟採集社会が再来する可能性は低いと思いますが、
どんな時代が到来しようとも、ADHDに関しての ”ハンター特性” の概念を、それぞれの時代に当てはめて考えることはできると思いますし、そういう意味で、”狩猟採集社会” にADHDが上手く生きていく方法についての大きなヒントがある気がしています。


今回、新たな視点でADHDの特性を理解できたと思います。
今後も、さらに多面的に、発達障害、ADHDについての理解を深めていけたらと思います。

ちなみに画像は、世が世なら(適材適所なら)、活躍できるのがADHD。的な画像。

政徳 吉田によるPixabayからの画像

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