ADHDは、加速度的に学ぶ。
ADHD_noteです。
今回は、ADHDは、加速度的に学ぶ。ということについて書きたいと思います。
俗に言う、”成功曲線” というものがあります。
(※ここで言う成功曲線は ”子”の成長における、”成長曲線” とは概念が異なります。)
成功曲線とは、
たとえば何かを習得するとき、始めた当初から、ある時期までは、あまり成長が見られない(=変化していないと思われる)状態が続くものの、ある時(=”ブレークスルーポイント”と呼ばれることが多いようです)を境に、急激に成長していく(=グラフが急激に伸びていく)という曲線の概念です。
以前記事にも書きましたが、
ADHDがある場合、何かを習得するまでに定型発達(発達障害がない)人に比べて(私の個人的見解で)2~5倍程度の時間がかかると思いますし、”成長もかなり遅い” ということは私自身、身を持って経験しています。(特に"苦手"とすることだと、顕著にわかります。)
一方で、ADHDがある場合、自分が納得するまで、繰り返し、繰り返し行うという強みだったり、いわゆる過集中といわれる ”過剰集中” によって、ものごとを深堀していくという特性が(ある場合が)あります。
そのため、一概に”後れを取っている”とか、”できない” という一部だけを切り取り、近視眼的に見て、ADHDの人の能力を判断してしまうのもいかがなものかと思います。
さて。
先ほどの、”成功曲線” でいうと、最初は低空飛行で、なかなか上がることはありませんが、ある時を境に、まさに”急上昇”するわけです。
そのあとは、加速度的に増加していきますから、そこでさらにもう一歩力を入れることができれば、さらに爆発的に伸びることになります。
※私の場合、加速度的に増加しはじめても、”普通の人” のレベルに到達すると、止めてしまう(飽きてしまう)ということが多く、爆発的に伸びるということは、経験していません。
ただ、何かを身に付けるという際、同級生や同僚と比べたとき、(特に自分に得意なことだった場合に)”もう終わったの?”とか、”どうやってやってるの?”、”その速さでそのクオリティは信じられない” などと驚かれたことは何度もあります。具体的には、何かの単位を取ることや、自分に向いている仕事内容を覚えるときなどでした。
成功曲線がブレークスルーポイントを過ぎて、伸び始めてからも継続することで、爆発的に能力を伸ばすことが出来れば、周囲と比較したときに、かなり突出することになり、そのうち、”もはや周囲には比較する相手が誰もいない・・・” というような状況になることがあります。
この特性は、ADHD(特に多動衝動性が強い)当事者が自分自身をブランディングする場合に、かなりのメリットとなると思います。
唯一無二、と言う状況を作り出しやすいからです。
あくまでも私の見解ですが、
普通の人だと、1学べば、1の知識が身につくという所を、
多動衝動型ADHDの場合、1学ぶと、0.5の知識が身につく。
という感じだと思っています。
(主に集中力の不足、不注意による抜け漏れなどがあるため。)
ただ、この後が重要です。
学び、知識の定着が遅ければ、
周囲からは、「なぜわからないのか?」「なぜ間違えるのか?」などと言われます。
多動衝動型ADHD(特に私)の場合、「なにクソ!」と思うことが多く、自ら学習し始めます。
あるいは、”一切、周囲から指摘されてなくても”、自分自身で内省し、
「なぜ、自分はわからないのだろう?」
「なぜ、間違えてしまったのだろう?」
「どこが分からないのだろう?」
・・・などを自問自答することで、自ら学習を始める(学習にのめり込んでいく)ということも考えられます。
(※これらはあくまでも私自身の経験談を書いています。)
すると、
1学んで、0.5の知識を(抜け漏れがあったりするため)身につけていた状態だったのが ”2”、あるいは3、5、7・・・と増えていくわけです。
もちろん、そこに至るまでにはある程度時間が掛かりますが、先述した通り、学べば学ぶほど、加速度的に知識が身に付いていくため、学びも楽になり、より早く知識を身につけたり、学べるようになります。
(より早く知識が定着するようになるということです。)
最初は、”ひらがな” しか知らなかった子どもが、
カタカナを学び、漢字を学ぶことで、文章をより速く読めるようになるということと同じです。
さらに難しい漢字や熟語、固有名詞などを覚えていけばいくほど、文章を読むスピードは増し、理解も深まります。
ここまで来れば、(基本的には)再度 ”ひらがな” を学び直すという必要はないわけです。
(※”ひらがな”に関する研究などをされている方は別ですが。。)
あるいは、
自転車のペダルは、漕ぎ始めが非常に重いですが、漕いでいるうちに徐々に軽くなっていき、自転車が自立して走行できるような速度になれば、ほとんど漕がずとも車輪が回転して進みます。
もはや、自転車が勝手に自走して進んでいるような状態とも言えます。
(もちろん下り坂では、あえてペダルを漕ぐ必要がありません。)
”加速度的な学び” は、これらの状態に似ています。
(※これは、定型発達の人と発達障害の人が見ている(経験している)世界が違うとも言え、両者の違いが分かるヒントかもしれません。)
”学び方が違う” とも言えます。
ADHDにしてもASDにしても、普段から頭の中でいろいろと考えていると思います。(私は、”多想” と名付けて呼んでいます)が、考えれば考えるほど、知識が増えていくような気がしています。
定型発達の人は、発達障害者に比べると、
それほど ”多想” が無いため、”1学ぶと1の知識を得る”という状態で止まってしまっていることが多いのだと思います。
(悪い意味ではなく、だからこそ、余計なことを考えずに”効率的”な動きができるのだと思いますし、定型発達の人の場合は、学んだことを正確に長期間記憶しておくことができるという素晴らしい能力があると、私は考えます。)
具体的には、高校入試の問題などです。
中学で習った数学の方程式などを、 ”忘れた” と言っても、少し学びなおせば ”すぐに” 思い出せると思います。
私の場合、そもそも数学の方程式自体が(学校や塾で習ったはずなんですが・・・)頭に全く入っていない為、思い出そうとしても "永遠に” 思い出せないわけです。
(※もっとも、学校の教師や塾の講師が気に入らない、などという理由で学習科目が嫌いになったり、勉強する気が失せたりするなどという、別の理由で知識が身につかないこともあると思いますが・・・w)
いずれにしても、
”学び” や ”学び方” には、定型発達の特性と、発達障害の特性によって大きな違いがある気がしています。
以前、私の記事でもシェアしましたが、テーラーメイド教育のように、
もっと、(特に義務教育で)発達障害者にとって学びやすく、知識の定着スピードを高めたりできる授業(テーラーメイド授業)などもどんどん進化してほしいと思っています。
ちなみに画像は、最初からどれくらいでブレークスルーポイントまで成長できそうかを考えた選択も大事。的な画像。
Gerd AltmannによるPixabayからの画像