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僕の好きだったひと 1


きっと生理前なのだろう

私はただでさえ睡眠時間の少ない君に
まだ起こす時間でもないのに声をかけた

「ねえ」

すぐに君は反応する

「テーブルの上のお菓子食べていいの?」

お土産なのか、誰かにあげるものなのか有名なお菓子屋さんの袋が
テーブルの上に2つあった

「うん、いいよ、食べて」

今の今までいびきをかいていたとは思えないほど
いつ話しかけても、ちゃんと理解して優しく君は答えてくれる

私はそんな君に返事も言わず、すぐにテーブルへと向かう

君はその瞬間にまた寝息をかくだろう


私はお菓子の袋を開け始めた

基本的に甘いものが苦手な私は、食べても一口で満足する

その私が自ら欲するということは生理前ということだ


丁寧に包まれた袋を開けている最中で
正直のところ、もう満足していた

ただ、そんな私のことをわかっておきながら
優しく答えてくれた君への償いとして、私は袋を開け進めた

中からずっしりとしたリンゴのケーキが出てくる

一口食べる。
申し訳ないからもう一口食べた

限界である。
私はお菓子を包み直した。

ベッドからは君の寝息が聞こえて来る

赤ん坊のように丸まった君の背中に沿うように
私も身体を丸くし腕を回した

君の背中に何度もキスをする

そんな私には気づかず、ただ君の寝息だけが聞こえてくる

この瞬間が愛おしくもあり、少し寂しい時間でもある

君に大好きだとか愛してると
言おうとするだけで涙が出た


ふと、
天井に目を向けるとドーム型の火災報知器に
うっすらと二人の姿が写り込んでいる

そのシルエットはまるでジョン・レノンとオノ・ヨーコのようで
暫くその円形を眺めたまま君の寝息に耳を澄ませた



(間違って消えてしまったので再投稿 泣)


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