あだむう・歌穂

絵を描いたり、一人喋りしたり、言葉を紡いだり、現場で動き回ったり、製作したり、妄想と現…

あだむう・歌穂

絵を描いたり、一人喋りしたり、言葉を紡いだり、現場で動き回ったり、製作したり、妄想と現実の狭間を行ったり来たり。 今は映画を作りたい。 https://www.youtube.com/user/adamuu1007 ※有料設定ありますが、全文無料で読めます。投げ銭システム。

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最近の記事

見なくてもわかる。1

この部屋で泣くのは二回目だ。 一回目は小学生の頃。 わたしの地域は田舎で、定期的に近所の人が集まり近況やらを話す機会がある。 昔ながらの風習というか、習わしというかそんなやつ。 その家には何度も行ったことがあって、家主であるおじちゃんが ただ微笑みながらいつも頭をポンと叩いてくるのが、なんだか嫌だった。 ある日、親に言われた。 「あのおじちゃん、 もう一生、身体を動かすことも話すこともできんかもしれんって。」 当時、あまり理解していなかったが、おじちゃんは病気をして

    • 「動でも善い年」

      新年、あけましておめでとうございます。 さっそくなんですが、 今年はみんなにとって「どうでもいい年」になればいいなと、ふと思いました。 (絶対に意図とは違う誤解を生んでいると思う) なんというか「無気力な年」と言いますか。 (この表現も最高に誤解を生んでいるな、詰んだ。わら) うん、何が言いたいかってね、 「人生に気負うから自殺するんだよ」って話です。 人生の中で自殺の情報が舞い込んで来るたびに思うようになったことがある。 「逃げればいいのに」と。 仕事やいろんな

      • 不安という名の贅沢病

        当たり前のように、日常の選択肢に答えはないのに わたしたちはその時が来ることを待てず、日々不安を抱えて今日も生きている。 「今、口にしたこの食べ物が美味しいのかどうか」さえ 人に聞いてしまいそうな世の中だ。 「ねえ、これって美味しいの?まずいの?」 まるで、AIに人間の感覚をインプットしているかのように他人の感覚を身体に刻む。 「そんなこと聞くなんて変だよw 自分が感じたままでいいじゃん」 と味覚を例に出せば多くの人が言えそうな言葉も、物事が変わるときっとそうもいか

        • 父の目

          「目の前で知らない男が淡々と焼肉を食べていく姿を わたしは妬ましくジッと見続けていた。」 きっと、感情から察するにこの記憶は小学生の頃だと思う。 我が家に知らない男が来て、目の前で焼肉を食べていた。 わたしもお腹が空いていてしょうがなかったが、空気的にそれは父とその男しか食べてはいけないようで、焼かれては男の口の中に消えていく肉たちをただただジッと見つめていた。 父が連れてきたその男は明日から父の元で働くという。 その景気付けのようなもので焼肉を食べているようだ。

        見なくてもわかる。1

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        • 僕の好きだったひとたち
          8本

        記事

          僕の好きだったひと 8

          わたしは満月がだいすきだ。 いつからかわからない。 あの光に心が吸い込まれてどうしようもない。 満月のたびに光を求め、何時間でも眺めてしまう。 月明かりでできる影もわたしを高揚させる。 都会で育った人はあまりわからない感覚かもしれないが、 わたしの実家では街灯がほとんどない。 懐中電灯を持って出かけないと四方八方暗闇のような世界だ。 だが、満月の日はびっくりするぐらい全てが見える。 月明かりが反射して全てのものがキラキラと眩しく光る。 街灯でできる影と月明かりでで

          僕の好きだったひと 8

          これからは君と日常に色を付ければいい

          yonigeの歌に「とけた、夏」という曲がある。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 一瞬でも気を抜いたら 日常が灰色になってしまう もう全部どうでもよくなって 日常が灰色になっていく (中略) すぐ会えることを知っている でもね、連絡しないよ これからはひとりで日常に 色をつけなきゃ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 昔から知っていたyonigeだが、最近歌詞の良さに気づいて聴き込んでいる。 この曲もとても好きでサビ以外の部分は歌うという

          これからは君と日常に色を付ければいい

          鍋にこびりついたしこり

          鍋にこびりついた汚れを水に浸けてふやかすように 心にこびりついた、この何かわからない物体も 水に浸けておくだけで簡単に取れればいいのに。 そんなことを思ったまま、その何かは剥がれることなく 数年の時が経った。 いや、認識し始めたのが数年前なだけで この「何か」は生まれた時から存在していたのかもしれない。 最初からある身体の一部をわたしは忌み嫌っているのかもしれない。 でも、このしこりのような塊は確実に既存のものではないように思う。 そうなのであれば、いつも痛むべきだし

          鍋にこびりついたしこり

          ハードクエストじゃないと生きていないのか?

          モヤモヤしてた、いやモヤモヤしてる。 そんな日々が続いている。 誰かと話さないと人間じゃない何かになりそうで どうしようもなく悶々としていた。 人間仲間と電話をする。 「ねえ、ハードクエストじゃないと生きてることにならないの? ただ呼吸をしてるだけでも十分生きてるじゃん。それじゃダメなの?」 彼女は言った。ブーメランなんだけどね、と自分にも問いかける。 「お気楽」というキャラクターを選択していると思っているが それでもハードクエストの中で生きている時点でお気楽ではない

          ハードクエストじゃないと生きていないのか?

          僕の好きだったひと 7

          きみと別れて一年が経ち、 彼と付き合って二ヶ月が過ぎた。 きみはこれまでの人生で、 最も辛い時期を支えてくれた人だった。 どうしようもなくズタボロで、 一年中泣き続けていた私のそばに唯一いてくれたのがきみだった。 渋谷の路上で、涙が止まらなくなってしまったあの日も、 私をタクシーに乗せて、ずっとそばにいてくれた。 あの日、指輪をくれたんだよね。 きみが身につけていた指輪。 どの指にはめてもぶかぶかで、笑ったな。 「俺がずっと身につけてきたものだから、 これで少しは

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          僕の好きだったひと 7

          僕の好きだったひと 6

          日常が楽しくて、お皿を洗いながらわくわくしてたら、ふと君を思い出した。 この”わくわく”に君は傷つけられていたんだね。 そう思うと、世の中にある全ての感情は、意図など関係なく、 必ず誰かを傷つける。 くよくよしてたって誰かを不快にするし、 わくわくしてたって、どこかの誰かを傷つけるのだ。 誰しもが誰かに刃物をふるっている。 まるで、今の世の中のようだ。 きっとどんなに気をつけようと、誰も傷つけずに生きるだなんて、 誰もなし得ていないことなのだろう。 当時、私は2

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          僕の好きだったひと 6

          僕の好きだったひと 5

          君はすごく変わってた。 と、言っても、私が付き合う人はみんな 「変わってる」と言われる部類の人間なんだけど、 その中でも、君は群を抜いて変わってた。 所謂、「変な人、変わってる人」というよりは「変態」という言葉の方がしっくりくるような。本当に変態な人なんだろうなと思った。 (この表現はエロいとか、下ネタな意味ではなく人間的になんだけどわかるかな) 君とは、とある現場で4年ほど前に出逢っていた。 特に深く関わることもなかったんだけど、Facebookで繋がっていた。 2

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          僕の好きだったひと 5

          僕の好きだったひと 4

          とことん君はズルかった。 全ての感情を見透かして、君はいつも笑ってた。 私にはその笑顔が、悩殺級の凶器だった。 しっかりと大人になってしまった私には、 あんなにも誰かの一言一句に振り回されるような恋など、 きっと後にも先にもあれだけだろう。 君には全部読まれてた。どんなに隠そうとも、先手を打ちたくても、 君を振り回したくても、全部、先に駒を置かれる。 初めは何も思わなかった。こんな先生来たんだなーってぐらいで。 女子高生にはそんなもんだよね、一体いつからなんだろう。

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          僕の好きだったひと 4

          僕の好きだったひと 1

          きっと生理前なのだろう 私はただでさえ睡眠時間の少ない君に まだ起こす時間でもないのに声をかけた 「ねえ」 すぐに君は反応する 「テーブルの上のお菓子食べていいの?」 お土産なのか、誰かにあげるものなのか有名なお菓子屋さんの袋が テーブルの上に2つあった 「うん、いいよ、食べて」 今の今までいびきをかいていたとは思えないほど いつ話しかけても、ちゃんと理解して優しく君は答えてくれる 私はそんな君に返事も言わず、すぐにテーブルへと向かう 君はその瞬間にまた寝息

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          僕の好きだったひと 1

          僕の好きだったひと 3

          「理想の恋愛は?」 正直、なんという質問をしたのかは忘れてしまった。 でも、彼の答えから、きっとこんな感じの質問をしたのだろう。 いや、今思えば私がそんな質問をするだろうか、、 でも、今から10年も前のことだ、したのかもしれないし、 なんかの話の流れで彼がふと話し出したのかもしれない。 とりあえず、彼はこう答えた。 「一生片想い」 初めて聞いたワードだった。そう思った。 恋人の私に、彼はそう言った。 「だって、一生ドキドキしていたいし、一生とき

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          僕の好きだったひと 2

          君はいつも寝坊をした。 週末が来るたびに、私は君の扱い方を学んでいるようだった。 期待なんてもうしない。起きれたら褒めてあげよう。 それぐらいの気持ちでないとこの人の彼女は務まらない。 私は起きたタイミングでまずメールをするようになった、返信はない。 朝食を済ませ、シャワーを浴び、メイクを始めながら電話をかける。 繋がらない。まだ起きていない。 今日も電波越しに彼を起こす方法が見つからないまま メイクを終えて、電話をかける。 やっぱり、無理

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          NORTH - 「君がいないこの世界では」のMV作ってみました

          今イチオシ曲すぎてMV作ってみました。動画編集の知識もなく、スタートして、ネットでやり方検索してはの繰り返しで作った、初実験動画ですが、ご意見ご感想頂けたら嬉しいです。どちらにせよとてもいい曲なので是非聴いてみてもらいたい。

          NORTH - 「君がいないこの世界では」のMV作ってみました

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