呉探訪記 ミリオタは軍港で何を見るか
ミリタリーサークル
徒華新書
@adabanasinsyo
本日は久保智樹がお送りします。
先般、呉に仕事で行きました。
その際に時間に余裕があったので呉を観光しておりました。
本日はそんな呉の旅行記です。
呉の戦没者慰霊祭
さる9月22日、呉にて戦没者慰霊祭が執り行われました。
先の大戦で戦没した14万予柱の英霊の鎮魂のための式典です。
長迫公園にはずらりと墓碑が並んでいます。
かつて海軍の司令部の置かれていたこの公園は現在、太平洋戦争で戦没した軍艦の慰霊の為の慰霊碑がひしめきあう場所となっています。
長迫公園の慰霊碑は、日清日露戦争の者から始まり、そして戦後においては駆逐艦雪風の遺族会が中心となり同公園に慰霊碑を立てたことを契機として多数の慰霊碑が建立されました。
呉を訪ねたのはこの慰霊祭に出席する為でした。
関係者の弔辞や自衛隊の弔銃と追悼演奏を伴う厳かな式が執り行われました。戦争で亡くなられた人をご遺族と共に思いをはせる時間を過ごしました。
呉探訪 多数の海軍博物館
大和ミュージアムを巡って
戦艦大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)
館内には大和の縮尺模型が鎮座する呉の名所。
この日は『山崎貴の世界』と題した特集が組まれていました。
山崎貴の代表作と言えば『三丁目の夕日』。
また戦争映画で言えば、『永遠のゼロ』や『アルキメデスの大戦』、特撮映画『ゴジラ-1.0』など多岐にわたります。
映画に関する様々なものが展示され、作り込むというのは何かと言うことを
考えさせられ、一書き手として大変刺激を受けました。
館内では監督のインタビューも放映されていました。
ゴジラに登場した艦艇というのは監督の好きな軍艦であったという話は少々面白くもありました。
また、戦艦大和というものが時代の中で無用の長物であることが知れば知るほどわかるが、しかしそれのもつ「文脈」に人は思いを寄せるのであるという話はミリタリーを書く上で意識すべきだなと感銘を受けました。
通常展示で面白かったものも紹介します。
イギリスから日本が調達した最後の船「金剛」。
そこには最新鋭のヤーロー式ボイラーを搭載しており、日本海軍のその後の国産艦の建造のために重要な技術でした。
中々忘れがちな海防艦「大和」。
それを展示するのが流石という気持ちになりました。
天覧模型。
天皇陛下に対して、大和の説明をするために制作した模型。
これはその復元に当たるモノです。
海軍肝いりの大和はこうして大君に御目通しされたのでした。
零戦62型
ゼロ戦の多くは失われており、現存する貴重な資料。
62型は末期の生産型。
てつのくじら(海上自衛隊呉史料館)
大和ミュージアムの向かい側にある「てつのくじら」。
写真はミュージアムのバルコニーから撮ったもの。
呉の海上自衛隊の運営する無料で入れる施設。
本物の潜水艦、ゆうしお型潜水艦の7番館「あきしお」が展示されていて実際に中に入れます。生憎中の撮影は禁止ですので実際に皆様の目で確かめてください。
感じたのは潜水艦の狭さ。
その中で多数の船員が活動するということに任務の過酷さを感じました。
潜水艦の中以外は撮影可能でした。
対潜水艦ドローン「ダッシュ」。
運用開始から数十時間で墜落することもあるようなアメリカ開発の有数の失敗兵器。よくぞ残っていた。
処分具S-4
日本の機雷(海の地雷)を処理する機材。
太平洋戦争では日本近海にアメリカが多数の機雷を散布したことで海上自衛隊は創設から現代に至るまで会場の航行の安全を確保するために掃海活動に力を入れている。
入船山記念館
上記2つは比較的有名な所ですが、少し足を延ばしてなかなか知られていないところに足を延ばしました。それが入船山記念館です。
ここは何かを端的に表すのがその表にある銘板。
呉の鎮守府司令長官官舎。
東郷平八郎なども過ごした海軍の提督たちの住まい。
東郷平八郎の一家の暮らした離れ。
洋館と日本家屋の連なった本邸。
文明開化の時代に建てられた日本の洋式建築物。
テーブルには当時のコース料理を再現したものが展示され、洋食を親しんだ提督の生きた時代を感じることができるのも面白かったです。
資料館には当時の呉が時代とともに発展し、漁村から都市に変容し人々の生活が変わっていく様を見ることができ、文明開化とは人々の暮らしを甲も変えるのかと感慨深くなりました。
呉軍港ツアー
呉は今も海上自衛隊の一大拠点であり、その中をクルーズ船で巡りました。
上手く取れた写真をご紹介します。
呉は自衛隊の輸送艦隊の一大拠点であり、能登地方における地震においてもおおすみ型は投入されて、港湾施設が震災で傷ついていた中で物資を陸揚げし復興を支えた。
TV-3520と訓練艦の番号が割り振られたこの船は、1980年代に発注された旧型艦であり現在は練習艦となり、退役も近い。
80年代、90年代は新鋭艦の代表格であり、エヴァンゲリオンや沈黙の艦隊など様々な媒体で登場した。
ベストショット。
護衛艦「いなずま」
余談 呉の飯は上手い
呉についた日は日本酒「千福」。
戦前にその品質から海軍に納入された銘酒。
そして鉄板料理とお好み焼。
徳兵衛で堪能。
最後は出発前のモーニング。
呉の喫茶店はモーニング文化が盛んで朝が豪華。
編集後記
出不精なのとお金がないのもあって久しぶりに旅行しました。
いい体験でしたね。
こういう現地でじかに対象と向き合う中でアイデアも色々と浮かんできたので来月はそれを出力していきたいですね。
いつも通りですが同人誌の宣伝です。
本を書いているので良ければ手に取ってみてください。
見本も公開中なのでよろしければそちらだけでも。
本日もお付き合いいただきありがとうございます。
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