第三話:NG例から考える、良い記事体広告(タイアップ広告)とは?
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第三話:NG例から考える、良い記事体広告(タイアップ広告)とは?

記事体広告(≒タイアップ広告)にはTCC(東京コピーライターズクラブ)のような「文壇」がないため、これが良い記事体広告であるという共通認識がありません。そのため、広告主と代理店、メディアの間でも認識がバラバラというケースも多く、しばしばこれが問題を引き起こす引き金となっています。

よくある食い違いの例として、メディア側は広告主の意図をしっかり汲み取ろうとオリエンシートの内容を漏らさず記事化しているのだけど、広告主側としては「これってオリエンシートそのまんまやん・・・。」とガックリするケース。そのメディアならではの「味付け」がないと、第三者を使ってコンテンツを作る意味がなくなってしまうのですが、そんな広告業界の論理は編集の世界に生きる人には馴染みの薄い話ですから、まあ起こるべくして起こっている問題といえます。

また逆に、広告主側が言いたいことが多すぎて結果8,000文字の記事になってしまったが、メディア側も読者が読み切れないのをわかっていながら唯々諾々と記事を仕上げてしまうというケースも多々見られます。そのメディアの平均読了率と読了時間、また人間が1分間に読める文字数を知っていれば、「読者の態度変容」という目的を達するための適切な文字数はおのずと決まるはずなのですが。

そんなわけで、良い記事体広告についての一定の共通認識はあったほうがいいと思うので、私なりの考えをまとめてみたいと思います。まず最初に「よくあるダメな記事体広告例」を挙げていくことで、良い記事体広告像をあぶり出すという作業をやってみます。

ダメな記事体広告例①:揉み手構文(別名:いかがでしたか?一族)

これは記事体広告に限らず、Webライティングでやってはいけないルールの第一条に書いてあるだろ級にNGなんですが、なぜかいまだに「いかがでしたか?」で締める記事は無くなりません。記事体広告の場合ライターが気負うからでしょうか、特に「いかがでしたか?」が多い気もします。ひとしきりプレゼン終えた後「いかがでしたか?」と聞く人います?これも「いかがでしたか」以外に文章の締め方を知らないライター都合の言葉で、受け手の気持ちや本来の記事出稿の目的は一切考慮されていません。

この「いかがでしたか一族」には他にも「ですよね構文」もあります。とにかく読者の共感をとらなきゃと焦るあまり、顔出しもしてないライターがどこぞの読者に妙な距離感で語りかけるアレです。また「・・・そんな時にオススメなのが構文」というのもあります。そろそろかな、そろそろかな、と思っているとでました商品wwwというアレですね。この二つを足すと「この時期は手が乾燥して大変ですよね。でも保湿の方法ってたくさんあって迷っちゃいますよね。そんな時にオススメなのがこのNGクリーム」となります。どこかで見たことあるでしょう。あとこれの文末に「♪」とかつけたら完璧です。こういう感情の強要や共感の押し売りは、お金をもらって書く記事においては絶対にNGです。

ダメな記事体広告例②:白文字系

Web広告において記事体広告の需要が高まってきていた背景には、下品なクリエイティブや画面全体を覆うオーバーレイバナーなどユーザー体験を損なう広告の増加によってWeb広告全体が嫌われていく流れの中で「広告っぽくない見せ方」が模索されるようになり、編集コンテンツと同じフォーマットで広告を出す「ネイティブ広告」という手法が注目されるようになったという流れがあります。そんな流れを知ってか知らずか、広告だとバレないようにバレないように・・・と「自然な文脈で」書こうとするあまり、全く印象に残らない空気のような記事が生まれることがあります。そのメディアならではの味付けどころか、味ぜんぜんしないよ!と言いたくなる透き通るような記事たちを私は「白文字系」と呼んでいます。水みたいにぐいぐい読めて、しかも翌日には全く残らないのが特徴です。

でも読者だって「AD」と書いてある記事がスポンサード記事だってことくらい分かっています。「私たちのメディアの読者はリテラシーが高く」とあらゆる媒体資料に書いてある割には、中の人はあまり信じてないのかもしれません。広告というのはそもそも、広告だとバレバレで、嫌われていることも分かったうえでそれでも受け手から少しの時間を頂戴して、一芸して覚えてもらうという行為です。TVCMだって、番組を中断してゴメンナサイ、でもこれだけは言わせて・・ということで本田翼さんに歌わせたり(大好き)、今田美桜さんに絵を罵らせたり(大好き)、吉岡里帆さんにどんぎつねさせたり(大好き)と「芸」をしているわけです。記事体広告だって同じです。広告だってことはバレてるんだけど、でも読んで面白かった、役に立ったと思ってもらえたなら気分よく覚えてもらえます。でもだからといって「今からこの商品のことを紹介します!特徴は3つあって・・・」とあからさまにやると受け手もさすがにシラけてしまいます。「わかってて、騙されてやる」と腕組みしている人に「ふん、おもろいやないか」と言ってもらうために、あの手この手を考えつくすというのが適切な距離感だと思います。

いかがでしたか?

・・・すみません、一度使ってみたかったので。。やるならこのタイミングということで、使わせていただきました。何も考えなくても記事が締まって最高ですね!

クライアントの熱いオリエンを受けて、ちゃんと商品に感動できていれば、揉み手構文や白文字系記事にはならないはず。クライアントに(もちろん読者にも)失礼ですから。堂々と打ち出すべき!の一択で、あとは受け手がすんなり受け取れるための「翻訳」に全力投入するという責任を果たすだけです。さて次回は、良い記事広告の条件について考えてみたいと思います。

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ホイポイプロダクションズ社長。鳥山明ドンピシャ世代の広告屋さん。新聞社系→大手広告代理店2社で営業→メガベンチャー3社でメディア編集。記事体広告制作はナショクラ中心に150本、日本一書いた(はず)。お仕事相談はTwiメッセへ。本館→https://note.com/_838861