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【映画の感想】 レナードの朝

懐かしい映画がNetflixで配信されていたので、見ました。

言わずと知れた名作映画。
1969年、ニューヨークの慢性神経病専門病院で起きた実話を元にした物語。

ずいぶん前(多分90年代に)にテレビ放送で見た気がするのだけど、
「レナードの朝」というタイトルは覚えていても、内容はほぼ記憶になかった。
感動物語だったけ、程度の印象しか残っていなくて。

「名作の復習しましょかね」と軽い気持ちで見始めたところ…

名作でした。

登場人物それぞれが皆、素晴らしい。
似たような症状であっても、一人一人違いがあって、
その違いを見分ける現場の医師や看護師。
30年近く眠ったような状態だった患者たちが覚えた隔世の感。
そんな機微が丁寧に描かれていて。
医師、看護師、患者、患者の家族、
それぞれの行動や心理が細かく描かれていて。

そして、俳優たちの演技がとても素晴らしい。

演技とは思えないほど病態がリアルだし、
患者たちの心理描写も切ない。


物語の終盤で、薬の効果が減弱し、筋の不随意運動に苦しみながらレナードは
セイヤー医師に自分の姿を撮影させます。
その苦しみように撮影を止めようとした医師にレナードは
「Learn me」と言う。
自らを後学のために活かさせようという強い心。
彼のような患者たちのおかげで、医学は発展し、治療法も開発されてゆく。

医療に携わる者として、それらの礎に想いを馳せずにはいられませんでした。

以前この映画を見た時は、私には医学の知識が全くなかった。
それが鍼灸専門学校で基礎医学を学んだおかげで、
この映画で描かれている病気に対する解像度が上がって、
より素晴らしく思えたのだろう。

また、東洋医学の見地からならどう解釈しアプローチするかな、なんて
職業病も出たりね。

やっぱり名作映画は名作だわ。



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