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キリマンジャロ遠征⑤身体を整えておくことの重要性

前回の記事「高所登山と向き合い、乗り越えて行くこととは」の続きです。まだお読みでない方は、これを読む前にその記事をぜひ読んでくださいね。

その際にお話しした「高山病とうまくつき合うための3つ秘訣」は、①とにかくゆっくり!②水分飲む飲む!③身体を整える!ことでした。

この回でより深くお伝えしたいのは「身体を整えておくこと」です。

私はピラティスインストラクターもやっているので、心身の状態には大変興味を持ち、解剖学始めイメージの活用など様々な勉強を続けてきています。その中で一番大きな研究対象は「自分自身」です。なぜなら私は大病をし、数回に渡って大きな手術を受けリハビリを繰り返してきました。

今では、こんな冒険までできるようになったので元気いっぱいですが、手術や治療で追った傷は決して消えることはありません。

生涯にわたり、自分の身体や心と向き合い付き合っていくことが求められます。

しかし逆に言うと、こんなに近くに研究対象がいるわけですし、「あ〜あダメだった」「失敗した〜」となっても痛いのも痒いのも自分ということなので、実は日々楽しんでいます。

身体を整えるってどういうこと?

簡単に言うと「姿勢を整える」ことですが、解っているようで意外と漠然としたことですよね。ピラティス的に考えてしまうと、どうしても小難しい説明をしがちになっちゃうのですが、「姿勢を整えた先に何があるか?」をイメージできれば、そんなに難しいことではありません。

子供の頃の朝礼で「整れーつ!胸を張って背筋をピンと!」なんて号令ありませんでした?

ちなみにこれではありません。軍隊のように誰でも彼でも同じ姿勢を取らせることではなく、「自分が一番楽な状態=楽に動ける」ことなのです。

例えば、ソファーにドンと座ったとしましょう。腰が丸まってお腹の前にシワができ「あ〜疲れた」という状況です。一見楽に見えますが、その姿勢で深呼吸をしてみてください。

どうです?深い呼吸ってやりずらくないですか?

これは楽に動ける姿勢ではありません。呼吸というのは動きではないと思われがちですが、呼吸によって身体ではいろんな動きが誘導されています。

数年前からインナーマッスルという言葉を聞くようになりましたが、インナーマッスルは内臓を支える筋肉たちです。このインナーちゃんたちは、呼吸によって総動員して内臓を支え動かしてくれているのです。

ということは「整えた先は何か?」というと、楽に呼吸ができる身体になることなのです。

じゃあどうしたらいいのよ?

先ほどソファーでの深呼吸の話をしましたが、あの状態で深呼吸がヤリズラかった原因の一つとして「胸郭が固まって動かなかった」ことが考えらえます。胸郭とは肋骨のこと、そうアバラ骨です。

肋骨は呼吸によって動きます。イメージを使うと、ぶら下がった提灯が大きくなったり小さくなったりするような。はたまたアコーディオンが開いたり閉じたりするような。

提灯やアコーディオンが、ぐちゃっと潰れていたら、その機能が低下してしまうことは想像できますよね。

ここからが本題です。

自分の姿勢がよくわからない方におすすめなのは「ぶら下がる」ことです。

これを言うと年代がバレますが、子供の頃「一家に一台ぶら下がり健康器」というシロモノがありました。単純に棒がついた枠があって、そこにぶら下がるだけのもの。

今では無くなってしまったので、何かぶら下がれる状況を作り(足が着くようだったら、膝を軽く曲げてもOK)、肋骨を広げたり閉じたりするようにして数回深呼吸をしてみてください。

人によってはバリバリっと何かが剥がされている音が聞こえるかも。

実はこれ、私の身体のメンテナンスをやってくれている理学療法士の方からのアドバイスで始めたのですが、簡単かつかなり効果がありました。前述したように、度重なる手術の影響を受け、私の胸郭はかなり硬く歪んでいるのです。ちなみに、今は家の目の前に小学校があるので、そこの雲梯にぶら下がっています。

柔らかい胸郭は呼吸を助けてくれる!

残念ながらキリマンジャロの登山中にはぶら下がれませんでしたが、出発前には、常にぶら下がりながら深呼吸をしていました。自分で言うのも何ですが、相当柔らかくなっていたのでは?と思います。

現地で登山が始まってからは、歩いているときには意識しづらいので、立ち止まったときに、一旦姿勢を整えてから肋骨を大きく動かす深呼吸を心がけていました。

またキャンプ地に到着後は、大体以下の手順で常に身体を整えておくことを意識していました。

①ブラブラ少し散歩をする→②テントの外で体操→③アフリカの大地を眺めながら深呼吸→④テント内でストレッチ(お一人さまテントだったので贅沢でしたが)→⑤マットの上で仰向け状態で深呼吸

高度順応を兼ねて4250m地点を越える時は、若干の頭痛がありましたが、その後は、ほぼ高山病の症状が出ずに山頂へと歩を進めることができました。

話はそれますが、リブロースステーキってありますよね。とても柔らかくておいしいお肉の部位ですが、動物たちはリブをしっかり動かす呼吸をしていたから、お肉が柔らかいのかも?なーんて思ったりしています。

登山の様子はブログに書いてあります。よかったらこちらもどうぞ!



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