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社内起業と私の勘違い~1時間後に夕飯テイクアウトサービスのローンチを控えて~

21年2月21日0時。今から1時間後に、料理が苦手すぎてたまらなかった家事劣等生の私が起案したサービスが、正式に会社の事業としてスタートする。
あなたの街の夕飯おまかせネットワーク「ご近所シェフトモ」。
近くのお店に夕飯おかずづくりをお任せし、テイクアウトできるサービス。
サービスの概要はこちらのHPを見ていただきたい。


そしてこのサービスを起案した私の原体験は、このnoteをぜひ見ていただきたい。


あと1時間後のスタートを前に、今私がしみじみ思うことをnoteに記す。
まず、この新規事業開発を通じて、「私は変わった」ということ。
具体的には、これくらい変わった。

Bofore:会社の花形部所(事業部)?でオフィスワーカーしてる私


After:提携飲食店さんの店頭で夕飯おかずを売っている私


Afterはまるで選挙活動をしているようである。拡大してみると、切実さがにじみ出た顔をしている。(お腹が出ているように見えるが妊娠はしていない。服の問題。たぶん。)


入社15年、中堅社員。会社のこと、仕事のこと、ある程度わかった気になっていた私。
それが、昨年社内起業して1年。有償での実証実験を10か月回し、わかった最大の事実は、「自分が勘違いヤローだった」ということだ。

私の勘違いTOP3

1.新規事業は戦略立案が大事→NO
新規事業開発をする前の冬休み、いくつかの文献を読んだ。いくつもの英語やグラフが並んでいて、かっこよく、でも少し小難しく思えた。
そしていざ開発を始めた私だが、もともと計画性のない人間で、本に書いてあったことはすぐに忘れ、好き放題行き当たりばったりな行動ばかりとっていた。とにかく「早くこのサービスを世に出したい」「半年以内に会社を説得してみせる」この思いだけで突っ走った。

実はこの「突っ走り」が、今振り返るとこの1年で自分がやった最大のファインプレーだったと思う。


綿密な計画もせず、リスク検討もせず、チームメンバーにすら相談せずに始めた初めての実証実験。LINEで私がお客様と飲食店様の間に入り、ひたすら注文取りをする。
サービスとしてはハリボテもいいところだったが、娘の保育園に手作りポスターを貼ったとき、小規模園なのに2日で30名以上のお友達登録があり、お客様からの引きの強さを体感した。(キャパオーバーだったので即刻ポスターをはがした 泣)

クライアントの想定外の課題の発見など、多くの学びがあった。そして、1度ひとりで回してみたことで、こりゃ独りじゃ無理だわ。というオペレーション課題もやんわり把握することができた。2回目からはちゃんと仕事のパートナーに相談し、戦略的な彼女のお陰で、完ぺきではないながらもお金をかけない範囲でシステム効率化ができた。

その後コロナで先行き不透明な社会情勢が続いたことを振り返ると、あのとき早々に実験しちゃった判断は大大大正解だった。
得意でもない計画・戦略づくりに大事な1-2か月を費やさなくてよかった。
そして、半年以内に会社を説得する、という目標も5か月で達成できた。限られた実証実験結果でスモールスタートGOサインを判断してくれた会社も、今思うとなかなか勇気あるな。

以上、学んだこと。

特に新規事業開発の初期段階では、つべこべいわずとにかく「やる」が吉。
そもそも戦略立案とかホントできないですしね、私。

2.前向きな人とチーム編成したほうがよい→NO
先日受けたストレングスファインダーで、私の強みはこれ。
 
 


まぁお祭り女な私は、同じようなポジティブメンツでわいわいやるのが大好きだ。やる気がみなぎってくるし、言い争いもない。とにかく楽しい。


でも…新規事業開発ではどうだったか。私は物事の良い面ばかりを見る癖があるせいで、リスクを見落とすことがまぁ尋常じゃなくたくさんあった。事業の責任者としてこれは致命的である。
だからこそ、私には物事の抜け漏れに気づいてくれる、少々物事をナナメに見るくらいの人こそ必要なのだ。

また、「リスクに気づけない」以外も自分に不足してるものは多々あった。というかサービス開発に必要なスキル、、ほぼ持ち合わせて無いことに半年くらいしてやっと気づく。泣

でもこの一年、チームメンバーがことごとく超強力にサポートしてくれた。もはやサポート、って言葉は違うかもしれない。むしろリードしてもらっている。

最初からそうではなかった。最初は一人で突っ走り、次に最強パートナーを得て二人三脚で突っ走った。「なんで私達こんなに疲弊してるのに周りは助けてくれないの」なんて悲劇のヒロインになり嘆いてたこともあった。子供だった…

今はどうか。サービスローンチに向け開発が切羽詰まれば詰まるほど、「ちょっと待って、私ついていけてない、すいません」って恐縮するくらい、グイグイ推進してくれる仲間が現れる。私が頼りなさすぎたせいか。
チームビルディング、マネジメント、まるでしてない。ただただヤバかったんだと思う。リーダーがヤバいと周りがしっかりする、という奴か…

また、社内だけでなく凄腕の社外の支援者が1人2人と参画してくれ、その数が増えている。
多様な人材に助けられ、多様な人材とチームを組む心強さと楽しさに目覚めている。

3.失敗すると顧客は離れる→NO
失敗・ミス=顧客の離脱。ロングセラーブランドの商品開発に携わってきた私がこれまで当たり前に大事にしてきたことは、ブランドを傷つけないこと。

でも、新規事業においてはこの方程式は当てはまらなかった。だってブランドなんてものはまだないのだから。

実証実験を10か月間ぶっ通しで行い、LINEのお友達数は右肩上がりに伸びた。しかし、運営体制はまさかの7割人力対応。ミスをした数は数えきれない。
こんな名もなきサービスを使ってくださっている優しきお客様に迷惑をかけてしまう度、猛省猛省猛省。ミスの張本人はわたしだったことが多い。
LINEで謝罪メッセージを送り、目の前にはいないお客様に、パソコンの前で何度も頭を下げた。飲食店様にもたくさん迷惑をかけ、お詫びの弊社製品を店に持参しては、謝った。

ミスするたび、胃が痛かった。

でも、「叱咤激励」とは昔からよくいったもので、クレームは当然あるものの「今回●●がよくなかったので、直してほしい。でも、すこく便利なサービスだと思っているので、これからも使わせていただきたい。」という意見が圧倒的に多かったのである。これには、驚きと自信をもらった。

シェフトモの特徴。それは、ほぼ毎日同じ店を利用してくれるお客様が一定数いることだ。
これが、気が向いた時にたまに頼む既存のテイクアウトやデリバリーサービスと明らかに違う点である。

シェフトモは既にお客様の習慣になっている。

お客様に直接インタビューさせてもらった時の「なくなったら困る。」その言葉がまた頑張ろうと勇気をくれた。
失敗してお客様に迷惑をかけるのは本来よくないことだ。当然離れるお客様もいた。
でも、よくないことばかりではない。多くの学びがあり、そしてすべてのお客様が離れたわけではなかった。サービス開発に真摯に取り組んでいればいるほど、新しい発見と感謝•感動の体験に出逢えるのだと知った。



最初は私の友人を中心に使ってもらうところから始まったこの「ご近所シェフトモ」。
夕飯づくりに悩む方をサポートする事業。
ご近所のシェフとまるで「友」のようになれ、「共」に家庭の食卓をつくれるサービス。

でも実は、10か月間を通して意外なところに「友情」ともいえる関係性が生まれていた。
それは、「私」と「お客様」である。

「廣岡さん、今日も寒いですね。何時も遅くまでありがとうございます。お互い仕事かんばりましょうね!」
「コロナ太りつらいです・・・テイクアウトで少しでも歩かないと。」
「店のおやじさん、やさしいですよね。あの煮魚もめちゃくちゃおいしかった!」
「サービスリリースおめでとうございます!ぜひ近くのお店でお祝いしましょう!」

これらは、対面したことのないお客様と私との注文用LINE上の会話である。
緊急事態宣言があけたら、飲みに行く約束をしているお客様が、3人もいる。

こんなこと、一年前の私は果たして想像していただろうか?


「シェフと友達のようになれる」だけではなく、「お客様と私が友」のようになれるなんて。

お客様によりよい体験価値を、、、というけど、
一番感動的な体験をさせてもらっているのは、間違いなく私だ。

これだから、新規事業に挑戦して良かった。
まだまだ挑戦は始まったばかり。

ズボラで料理嫌いで能天気な一人のワーママが、
未来の食習慣のカタチ、つくります。

現在13店舗と規模は小さいですが、1年以内に100店舗を目指しています!

お薦めの飲食店様があれば、ぜひご紹介ください!
次回、参画していただいている飲食店さんとの濃〜いエピソードをnoteにします✏️

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