「個性」と「発達」、そして「可能性」(第二期:第4回④)
社会変革の展望を描く際には、ダイバーシティやバリアフリー、ノーマリゼーション等の言葉も重要に思われますが、発達障害においてよく挙げられる「個性」という言葉の意味を掘り下げることがまず必要であると考えられます。
では「個性」とは、また「個性を大切にする」とはどういうことでしょうか。
1.「個性」とは
「個性」とは、個人の独自な性質を言いますが、独自性は共通性があるからこそ生まれます。クレヨンそれぞれの個性は描けることではなく他の誰とも違うその色にあります。まさに十人十色です。他の多くの共通性の中に浮かび上がってくる「他と違うところ」です。
個性とは異常性のこととさえ言えます。
発達障害は異常か個性かと議論されることがありますが、意味があるとは思えません。異常性こそ個性であり、個性を大切にしながら子どもを育むということは異常性を尊重することと同義であるはずです。個性の重視を謳うのであれば、修正の対象となるのは発生する問題ではあっても異常性ではありません。
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