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2024年本屋大賞予想

明日発表される本屋大賞。僕の予想はこんな感じで。 ①スピノザの診察室/夏川草介 雄町哲郎は京都の町中の地域病院で働く医者で、京都の和菓子でストレスを癒やしながら、地域の終末医療に奔走する。 ②存在のすべてを/塩田武士 神奈川で起きた2件の児童誘拐事件。発生から30年後、関係者の取材から新聞記者が見つけた真相とは。 ③成瀬は天下を取りにいく/宮島未奈 女子高生・成瀬あかりが巻き遅す騒動に目が話せない。 ④リカバリー・カバヒコ/青山美智子 公園あるカバの遊具・カバヒコには

    • 第170回直木賞予想

      明日17日(水)に発表される第169回直木賞。 いつものとおり予想してみますが、今回は本当に難しい。 書評家の杉江松恋さんが言うように、いつもだったら、これは受賞から外れるかなと思える作品があるものですが、今回は全作良作。ほんとどれが受賞してもおかしくない充実ぶりです。僕がこれまで、10年ちょっと候補作を読んできた中で一番のレベルが高い、受賞争いだと思います。 そんな中で僕の予想はこうしてみました。 ◎:宮内悠介「ラウリ・クースクを探して」(朝日新聞出版) エストニア

      • 第169回直木賞予想

        明日19日(水)に発表される第169回直木賞。 今回も性懲りなく予想してみました。 ◎:垣根涼介「極楽征夷大将軍」(文藝春秋) 足利尊氏が如何に征夷大将軍になったかを弟の足利直義と高師直の視点から描いた作品。 ○:月村了衛「香港警察東京分室」(小学館) 日本から5名、香港から5名の警察官が、消えた香港の指導者を探して中華系ギャングとドンパチドンパチ。 ▲:永井紗耶子「木挽町のあだ討ち」(新潮社) 江戸の芝居小屋の前で果たされたあだ討ちがどのような経緯だったのか関係者の証

        • 第168回直木賞予想

          明日19日(木)に発表される第168回直木賞。 今回も性懲りなく予想してみました。 ◎:凪良ゆう「汝、星のごとく」(講談社) 瀬戸内海の島で暮らす高校生の男女が、家族や仕事に翻弄される物語。 ○:小川哲「地図と拳」(集英社) 日露戦争から第二次世界大戦にかけての満州で日本人・中国人・ロシア人、様々な登場人物が織りなす壮大な物語。 ▲:千早茜「しろがねの葉」(新潮社) 戦国の世、石見銀山で働いた女の一代記です。 △:一穂ミチ「光のとこにいてね」(文藝春秋) 運命が交差す

        2024年本屋大賞予想

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          第167回直木賞予想

          明日発表される第167回直木賞。 今回も予想してみました。 ◎:深緑野分『スタッフロール』(文藝春秋) VFXやCGなどを使って自分の中にあるイメージを創出することに見せられた女性たちの話 ○:窪美澄『夜に星を放つ』(文藝春秋) 心を通わせる事ができるのかできないのか、人間の機微を描いた短編5篇 ○:河﨑秋子『絞め殺しの樹 』(小学館) 北海道の開拓民から連綿と続く絆・縛りの中で希望は見いだせるのか? ▲:永井紗耶子『女人入眼(にょにんじゅげん)』(中央公論新社) 頼

          第167回直木賞予想

          第166回直木賞予想

          本日発表される第166回直木賞。 今回も予想してみました。 ◎:今村翔吾『塞王の楯』(集英社) 戦国時代、城を守るために活躍した石垣職人たちのプロジェクトX ○:逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』(早川書房) 独ソ戦に従軍した女性狙撃手の物語 ○:柚月裕子『ミカエルの鼓動 』(文藝春秋) ロボット外科手術に未来はあるのか ▲:米澤穂信『黒牢城』(KADOKAWA) 有岡城の籠城中に荒木村重は巻き起こる奇怪な謎に立ち向かっていく △:彩瀬まる『新しい星』(文藝春秋) 大

          第166回直木賞予想

          第165回直木賞予想

          半年に一度のこの季節がまたやってきました。 第165回直木賞。 明日受賞作が発表されますので、今回も予想してみました。 ◎:佐藤究『テスカトリポカ』(KADOKAWA) メキシコの麻薬密売人が流れ着いた日本で壮大な闇のビジネスを作り上げ、、、 ○:一穂ミチ『スモールワールズ』(講談社) どこにでもいそうな人たちのありふれてはいないお話6編。 ○:砂原浩太朗『高瀬庄左衛門御留書(たかせしょうざえもんおとどめがき) 』(講談社) 妻を亡くし跡取り息子を亡くした老武士の生き様

          第165回直木賞予想

          第163回直木賞予想

          今日発表されます、第163回直木賞。 今回も受賞作を予想してみました。 まずは候補作の紹介から。 ◎:伊吹有喜『雲を紡ぐ』(文藝春秋) いじめに悩む女子高生が祖父のいる盛岡で見つけた希望の物語。 ○:馳星周『少年と犬』(文藝春秋) 震災以降を生きた犬、多聞をめぐる連作短編集。 ▲:今村翔吾『じんかん』(講談社) 戦国武将松永久秀に新たな解釈を与えた歴史物。 △:遠田潤子『銀花の蔵』(新潮社) 戦後の日本を奈良の醤油蔵で働きながら生きた主人公銀花、その女の一代記。

          第163回直木賞予想

          2020年本屋大賞の候補作を読んでみた。

          明日発表される本屋大賞。 毎年春先に行われる、僕も楽しみにしているイベントの一つです。 僕は直木賞とか本屋大賞とか、文学賞の候補作品が発表されると、その候補作を読んで、どの作品が対象を取るかを予想しています。本屋大賞は2012年からずっと読んで予想しています。 長年、こういったことを続けてくると、ある程度傾向が見えて、今年は「線は、僕を描く」「medium 霊媒探偵城塚翡翠」「ライオンのおやつ」あたりが取るのではとは思っているのですが、単に本屋さんがすすめるものを予想す

          2020年本屋大賞の候補作を読んでみた。