第166回直木賞予想

本日発表される第166回直木賞。
今回も予想してみました。

◎:今村翔吾『塞王の楯』(集英社)
戦国時代、城を守るために活躍した石垣職人たちのプロジェクトX



○:逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』(早川書房)
独ソ戦に従軍した女性狙撃手の物語



○:柚月裕子『ミカエルの鼓動 』(文藝春秋)
ロボット外科手術に未来はあるのか



▲:米澤穂信『黒牢城』(KADOKAWA)
有岡城の籠城中に荒木村重は巻き起こる奇怪な謎に立ち向かっていく



△:彩瀬まる『新しい星』(文藝春秋)
大学の合気道部の同級生男女4人のその後の生涯を追った作品



今村さんの『塞王の楯』は、城を守るために奮闘した石垣職人たちの熱い働きにスポットを当てた作品です。とても熱い気持ちにさせる良作です。書きつくされた戦国時代にまだこんな切り口が合ったのかと感心させられます。

逢坂さんの『同志少女よ、敵を撃て』は、少女が憎しみから鋼鉄の意志を持った狙撃手にか割っていくでも合間に見せる人間らしさ、そういったものを描いた作品です。戦争の陰惨さを描いた作品ですが、登場人物は女性が主なので陰惨さが少し軽くなっているところが読みやすくしているんだと思います。

柚月さんの『ミカエルの鼓動 』は、ロボット外科手術に奮闘する外科医たちの物語です。医療倫理と欲望の間で葛藤する人間たちが描かれています。「孤狼の血」シリーズだけでなく、将棋を描いたものでも過去に候補作になっているし、柚月さんは本当に幅の広い作家さんだなと思います。

米澤さんの『黒牢城』は、戦国もの✕ミステリーということで、なるほどなと唸らされる作品でした。現代風に言うとメンター的な役割の人物もいて巻き起こる謎をときながらどうやって人身を束ね城を守っていくかが見どころです。

彩瀬さんの『新しい星』は、同級生男女4人がそれぞれに引きこもりやら闘病やらの問題を抱えながら、人生の苦難に立ち向かっていくかが描かれた作品です。比較的年齢や境遇が僕とも近い設定なので読みやすかったです。


で、予想なのですが、今回は本当にわからないです。
単純に自分の好みとしてはこの順番だけど、上位4つはどれも受賞の可能性があるなと思っています。
ストーリーの面白さで言えば、僕としては『塞王の楯』や『同志少女よ、敵を撃て』ですが、『ミカエルの鼓動 』や『黒牢城』も十分面白かったです。僕的に『ミカエルの鼓動 』や『黒牢城』の評価が低めなのは、柚月さんや米澤さんが直木賞を取るんだったら、過去候補作の『孤狼の血』や『満願』じゃないのかという思いがあってのことです。


以上が僕の予想です。
さてどうなるのでしょう?




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