どこで買うかより、誰から買うか
はじめに
最近よく考えるのは、
「ハンドメイドの価値を上げるにはどうすればいいのだろう」
ということ。
ただ単純に価格を上げる、限定商品などのプレミアムをつけるなど考えられることはたくさんあるのですが、いまいち手応えを感じない。
ん〜どうするのが一番気持ち的にスッキリするのかなぁと考えたときに、
「というか、ハンドメイドの強みって、作っている人から実際に買うことができて、直接話しながらその作り手の人柄を知り、作品に愛着を深めていくことができることだよなぁ」と思ったんです。
この強みって量産品にはできないことだし、
これからの時代は、どこで買うかより、誰から買うかの時代にどんどんなっていく中で、ハンドメイドって強いよなと思うのです。
昨日のイベントはまさにこれを明確に体現したイベントだったので、
体験談をご紹介したいと思います。
地域に愛される店
昨日出展させていただいたイベント
「mamatoco (ママトコ)ー5人の作家の小さなお店ー」は
埼玉県越谷市の蒲生駅から程なく歩いたシャッター商店街の中に
ポツンと可愛く佇むカフェでした。
オーナーのヒロさんというお姉さんがお一人で経営されているお店で、
店内は地域の子供達の絵が壁にびっしりと貼ってあるような
一瞬で心温まるような、素敵なお店でした。
ヒロさんはとても気さくで明るい女性で、聞くところによると、
毎日のようにヒロさんを訪ねて地域の方が集まってくるような
そんなお店なんだそう。
ご自身でも「駆け込み寺みたいになってるよ」と言っていました。
なぜ、この店だったのかというと、
主催者の一人がこの地域に住んでおり、
そのヒロさんを訪ねて集まってくる一人だったのです。
そんなご縁から今回イベントの開催がめでたく行われたそうなんです。
お店の二階をお借りして、今回のイベントは開催されたのですが、
イベント当日を迎えるまで、
私も他の仲間もほぼ大きなイベントにしか出展経験がなく、
集客に少しの不安を感じていたのは正直なところでした。
ところが蓋を開けてみると、
毎回イベントに来てくれるお客様、主催者の地域のママ友、カフェの常連さんなどなど続々とお越しいただけました。
想像していたより多くの方にお越しいただき驚きました。
このお店に、このイベントに関われてよかった
一日イベントを過ごす中で、このイベントの良さが5点ほど見えてきました。
・小さい店内だったので、いつもより一人一人のお客様と長く話すことができ、
来てくれた方ほぼ全員にお声がけできたこと。
・今回のイベントは羊毛、ニット、フェルトおもちゃ、子供服、刺繍アクセサリーの作家5人のお店ということで、小さなお子様連れの多いカフェの客層にあっていたのではないかということ。
・お子様連れが多く、お客様同士も作家もとても和気あいあいと和むシーンがたくさんあったということ。(フェルトおもちゃでごっこ遊びを始めるお子さんが多かったのがとても印象的で可愛かったです。)
・カフェの2階でイベントということで、イベントを楽しんだ後、1階のカフェで昼食をとり、その後また2階に上がってくださりお買い物を楽しむというお客様がとても多く、「おかえりなさ〜い」とお声がけすることも多かったのが、このイベントのいいところだったのではないかということ。
・とても印象深かったのは、お話しする常連のお客様が皆さん オーナーのヒロさん、お店の雰囲気の良さについて話されていました。そこからもこのお店がどれだけ地域の方から愛されてるのかが伺えて、私までファンになってしましました。
こんなに地域に愛されてるお店って最近ではそうないと思いますし、
私自身こんな素敵なお店に出会ったのは初めてです。
まさに、どこで買うかより、誰から買うかを体現しているお店だと思いました。
このイベントから学んだこと
まとめとして、1日素敵な空間で過ごさせていただき、学びもあったのでそれをシェアさせていただきます。
・お店の、というよりむしろオーナーヒロさんのファンコミュニティがカフェという空間で完成している。
その空間の中で行われるイベントは、何も関わりのない地域のイベントに比べて信頼度が強く、価値の高いイベントになっていたのではないかなと思いました。
・ハンドメイドの強みである作り手の顔が見える・実際にあって話せる・作品の背景を知り愛着がわくこれが密度濃く体験できるイベントだった。
これは作家側にも言えることで、どんな方が、どんなシチュエーションで、どんな思いで自分の作品を買ってくれるのかが知れて、買い手の顔も見れる。そしてお客様への感謝とともに自分の作品への愛着もますます湧いてくるんです。
・私自身が思ったことなのですが、作家活動を通していろんなジャンルの作家仲間が増える中で、このジャンルの作品を買うならこの人から!という思いが強くなってきています。作家さんに対しての信頼度はイコールとして作品に対しての信頼度につながっています。
逆にいうと、作家はお客様への信頼度を失わないために自分自身の作品をちゃんと愛して、磨いていかなければならないんです。
そう、薄々気づいてはいたけど、活動を続けていきたいなら作品のクオリティや世界観を磨く、新作を作り続けること、作り手がいるということを見せるというのは、買い手との信頼関係を長く保つために必要なのか!
とハッとしたんです。ハンドメイドの価値って素晴らしい!って改めて思いました。
この学びをちゃんと活動に生かしていかなきゃいけないですよね。
私はどう活かしていこう。