他人も自分も幸せになれる学びを考える

人様に「教える」という仕事をして15年、学ぶ目的は何とか達成できても、学ぶ楽しさを心か…

他人も自分も幸せになれる学びを考える

人様に「教える」という仕事をして15年、学ぶ目的は何とか達成できても、学ぶ楽しさを心から味わってもらえたかどうかはいつも疑わしい・・・時間を忘れて没頭してしまう学びを一度でも経験すれば、子どもも大人もワクワクしながら学べるようになるのではないかと日々感じています。

最近の記事

親に虐待を認めさせることの難しさ

虐待被害者が自分の体験を語るドキュメンタリー映画『Real Voice』参加者の体験談が記事になっています。 虐待する親から逃げることがいかに大変か。 親も自分のプライドも社会的立場もかかっていますので 「子どもさえ黙っておけばバレない」と 安直な方法(=つまりは暴力による押さえつけ)に 走ってしまいがちです。 親が焦れば焦るほど 不利であればあるほど 手段を選ばずに隠蔽しようとします。 虐待に限らず、他のどんな犯罪を犯した場合でも同じなのかもしれません。 子どもを

    • 学びに影響する特性ー色覚異常

      数年前、私は学びのメカニズムにとても興味を持っていて、認知機能を調べる検査キットをいろいろと取り寄せていた時期がありました。 学んだ内容を記憶することと、必要な情報を記憶から取り出すシステムについて調べようと思い、RAN検査(Rapid Automatized Naing)を実施しました。 RAN検査は学習障害のうち、物の名前の「想起速度」を測定するものです。何が分かるかというと、回答に時間がかかった場合、物は確実に知っているのに、それを音声化する能力に問題があると判断で

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        Real Voice 児童虐待を経験した若者達のドキュメンタリー

        児童虐待の被害者が経験を語ってくれることは滅多にありません。 まず、虐待について、周りの人からどのような反応をされるか分からないという不安があります。 興味本位なリアクションされたり やたらと憐れまれたり ドン引きされたり 他の人に言いふらされたり カミングアウトすることで自分がさらに傷ついてしまうこともあります。 虐待被害者というカテゴリーで括られるのがイヤだという人もいます。 だからこそ、この証言は貴重です。 『Real Voice 児童虐待を経験した若者達のドキュメンタリー』 虐待から子どもを救う方法に、正解などないことを思い知らされます。 子どもが小さいときは、この映画の登場者のように、分かりやすく話すことはとてもできません。彼らの体験談に耳を傾けることで、幼かった時の彼らを助けるにはどうしたら良かったのか、参考にできることがあるように思います。

        • 裁かれていない加害者

          日経新聞に『そして、「悪魔」が語りだす』という過激なタイトルの本の書評が掲載されていました。 この書評を書いたのは、映画監督の坂上香さん。「プリズン・サークル」を制作した方です。 (プリズン・サークルの紹介記事はこちら) この本は、イギリスの医療刑務所にあたる病院の司法精神科医・セラピストが書いたもので、連続殺人犯、通り魔、女性ストーカー、介護士を殺した女性、父親を殺した青年、小児性愛者など「悪魔」とみなされた人々の語りで構成されているそうです。 坂上さんは、恐らく「

        親に虐待を認めさせることの難しさ

          ボランティア向けオリエンに参加

          ブリッジフォースマイルで 親に頼れない若者の伴走支援をしてくださる サポーター(ボランティア)向けの オリエンがオンラインで開催されました。 鹿児島ブランチで現在募集しているのは 児童養護施設を退所する 高校3年生を対象とした 「巣立ちセミナー」で 若者と懇談してくださるサポーターです。 今回、鹿児島から新規登録してくださった サポーターさんも参加してくださいました。 鹿児島ブランチでは 巣立ちセミナーのサポーターを まだまだ募集しています。 何か気になることやご心配

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          プリズン・サークルの上映会に参加しました

          保護司の会合で、映画『プリズン・サークル』の上映会がありました。 前々から見たいと思っていた映画です。一部の刑務所で提供される更生プログラム「TC」(Therapeutic Community、「回復共同体」)による更生の模様を記録したドキュメンタリー映画です。 受刑者同士の会話は通常、禁止されているそうですが、この刑務所ではプログラムの間、受刑者同士がコミュニケーションをとることができます。 その会話の端々にさり気なく出てくる重く辛い幼少期の生い立ちに、胸がつぶれる思いがします。 彼らは犯罪者で、彼らの犯した罪を許すことはできません。ですが、彼らはまた被害者である事実も重く突き付けられます。 壮絶な虐待、希薄な親子関係、激しいいじめ・・・逃げることができない彼らは、ただただ地獄のような時間が一刻も早く過ぎ去ってくれることを祈ることしかできません。 もちろん、虐待を受けた人が全員、犯罪者になるわけではありません。ですが、虐待は世代間連鎖を起こしやすく、虐待を受けて育った人が親になると、自分が加害者になってしまう確率も上がります(もちろん、虐待被害者でも加害者にならない人も多くいます)。 保護司としての活動と親に頼れない子どもの支援。まわりからは別々の活動とみられますが、私の中ではリンクした活動です。 ★ 親に頼れない子どもを伴走支援するサポーター(ボランティア)募集 https://note.com/accord_with/n/nccf40aeb1ab5

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          鹿児島でのボランティアを募集しています!

          NPO法人ブリッジフォースマイルの鹿児島ブランチの立ち上げに伴い、児童養護施設からの巣立ちを控えた若者(高校3年生)の伴走支援をしてくれるサポーター(ボランティア)を鹿児島県内で募集しています。 私がブリッジフォースマイルを知ったのは、日経新聞に掲載された代表インタビュー記事でした。それまでは、同じように児童養護施設を支援する団体にリモートワークのプロボノとして参加していました。私は団体の持つノウハウを横展開したかったのですが、九州で展開するという話にはなかなかなりませんで

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          寄り添い、想う。~保護司と少年の実話エピソード~ 「大切なこと」

          法務省主催『第74回社会を明るくする運動』のプロモーション動画をもう一つご紹介します。 こちらは森山中の村上知子さんが保護司役として登場されています。 少女による凶悪犯罪もたびたび報道されている昨今ですが、報道されていない事件も数多くあります。 そのような少女の中には、女性であるが故の困難な体験をしてきた人もいて、加害者とはいえ、被害者の要素も大きいのではないかと、考えさせられることも多いです。 女性の保護司もまだまだ必要です。保護司はあくまでもボランティアですが、今年からは面談一回当たり謝礼が支払われるようになりました。待遇もどんどん改善されていますので、今まで躊躇されていた方もハードルが下がりつつあると感じています。 〈出演〉 保護司・沖田役:村上知子(森三中) プレゼンテーター:コットン 主唱:法務省 協賛:(更)立川更生保護財団 ◇社会を明るくする運動についてはこちら 法務省HP https://www.moj.go.jp/hogo1/kouseihogoshinkou/syamei/ ◇保護司に御興味を持たれた方は是非こちら 法務省HP https://www.moj.go.jp/hogo1/kouseihogoshinkou/hogo03_00157.html ◇法務省保護局公式X(旧Twitter)   / moj_hogo ◇法務省保護局公式Instagram  / moj_kouseihogo

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          寄り添い、想う。~保護司と少年の実話エピソード~ 「どんな人生も変えられる」

          私は保護司もしているので、今回は保護司の動画をご紹介します。 法務省主催『第74回社会を明るくする運動』で、吉本興業の協力を得て制作した保護司と少年の実話エピソード「どんな人生も変えられる」の動画です。FUJIWARAの原西孝幸さんが主演されています。 この動画の少年も再犯を重ねていますが、保護司が関わっていても再犯になってしまうことが少なくありません。そうなると保護司も裏切られた気分になったり、無力感に苛まれたりしてしまいます。何度もそんな思いをしても、ずっと保護司を続けている方もいます。 更生はそう簡単ではありませんが、心から罪を悔い改め、新しい道を歩き始める場面に立ち会えることができれば、これ以上嬉しいことはないのかもしれません。 保護司もなかなかなり手がいないことが問題となっています。少しでも興味を持った方、ぜひ保護司になることをご検討ください! 〈出演〉 保護司・島田役 :原西孝幸(FUJIWARA) / タケシ役  :新井元輝 プレゼンテーター:コットン 主唱:法務省 協賛:(更)立川更生保護財団 ◇社会を明るくする運動についてはこちら 法務省HP https://www.moj.go.jp/hogo1/kouseihogoshinkou/syamei/ ◇保護司に御興味を持たれた方は是非こちら 法務省HP https://www.moj.go.jp/hogo1/kouseihogoshinkou/hogo03_00157.html ◇法務省保護局公式X(旧Twitter)   / moj_hogo ◇法務省保護局公式Instagram  / moj_kouseihogo

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          発達検査を勧められたら…

          最近、Aさんという公職にある方が、学校の先生が子どもの様子を心配して保護者に発達検査を勧めることに対し、「人様の子どもを障害者扱いするなんて、とんでもない。(その保護者は)教師がちょっと工夫すれば学校で問題なく過ごせるはずなのに、と話していた。発達検査を勧めるのは教師の力量不足でしかない」と非難されているのを聞きました。 実は、私はこれまで、学校の先生方に発達障害のことを知っていただく活動に力を入れており、保護者の方にも「診断書が出ることで、普段の授業や入試でも特性にあった

          全国施設職員勉強会に初参加しました!

          NPO法人ブリッジフォースマイル(B4S)の鹿児島ブランチを軌道に乗せるべく、日々邁進しています。 今日は、B4Sが主催する『全国施設職員勉強会』に参加させていただきました。 『全国』が付くだけあって、本当に日本全国から参加されていました。B4Sのメンバーはファシリテーターとして参加しますが、私はまだ新人なのでオブザーバーです。皆様のお話からしっかり勉強させていただきました。 ※ 親に頼れない子どもたちの伴走支援をするブリッジフォースマイル。鹿児島でもサービスを提供でき

          全国施設職員勉強会に初参加しました!

          児童養護施設を退所する若者の支援を始めました

          実は今、NPO法人『ブリッジフォースマイル』を鹿児島県に誘致する活動をしています。 ブリッジフォースマイルは、東京を拠点とする団体で、児童養護施設を退所する若者を対象に、自立に向けた伴走支援を提供しています。 具体的には、住居の探し方やお金との付き合い方を教える『巣立ちセミナー』の運営、いつでも気軽に立ち寄れる居場所の提供、児童養護施設で暮らしたことのある若者の事情を理解した上でサポートするボランティアの育成などが含まれます。 なぜブリッジフォースマイルを選んだかという

          児童養護施設を退所する若者の支援を始めました

          「逆算思考」のマイナス面

          資格試験や受験勉強など、はっきりとした目的がある時に必要とされるのが「逆算思考」。限られた時間の中で最も効率よく目的を達成できるよう、何にどう取り組んだらいいか、徹底的にムダを省いた計画を立てる時に使われる言葉です。 逆算思考もある程度は必要かもしれませんが、中には目的と直接つながらないことを学ぶのはムダという信念を持っている指導者や学習者もいます。 でも、学びというのは、そんな単純に一対一で結び付けられるものではありません。一見、無関係なことに寄り道することで、理解度を

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          今年の『社会を明るくする運動』プロモーション動画

          更生保護を推進する法務省主催『社会を明るくする運動』の最新のプロモーション動画が公開されました! 社会がしっかりと受け止めてくれたら、再犯は防げるのではないかと信じています。 いくつになっても再出発できる社会であってほしいと心から願います。

          今年の『社会を明るくする運動』プロモーション動画

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          「対話」から始める

          保護司の高齢化が進み、若手のなり手がいないことが問題となっています。 実は、これは保護司だけに見られる現象ではなく、『継続して運営に関わらなければならないもの』に共通するようで、自治会・町内会やこども会など、『長い歴史や社会的な位置づけをもつ様々な組織や団体』も同じ問題を抱えているとのことです。 認定特定非営利活動法人 日本ボランティアコーディネーター協会理事・事務局長の後藤麻理子さんは、「一緒にやる」という関係性をつくるために、次のようなステップが必要と指摘しています。

          依存症的な傾向がある場合の生活環境調整

          今日は、保護司対象の研修で、生活環境調整についての事例研究に参加しました。 提示された事例についてグループディスカッションするのですが、その中に麻薬依存とギャンブル依存の事例がありました。 どちらの場合も、身元引受人が対象者を、①理解した上で、②しっかり監督する必要があるようです。 ①対象者を理解する 「またクスリやってるんじゃないでしょうね」とか「どうしてパチンコが我慢できないの」というようなことを言ってしまわないよう、身元引受人の方にも心理面に配慮した対応の方法を学

          依存症的な傾向がある場合の生活環境調整