弛まぬ歩み
去る12月の上旬。
元oasisのノエル・ギャラガーが自らのバンド(ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ)を率いて来日公演を行った。
東京2DAYS、大阪、名古屋と東名阪を巡るツアーだ。
実に四年ぶり。
そして全ての公演がソールド・アウトだったそうだ。
素晴らしい。
そして自分も久しぶりにノエル兄貴の公演を鑑賞してきた。
以前に書いたノエルの事。
Oasisが解散してからリアムとノエルのギャラガー兄弟はそれぞれソロのキャリアを重ねてきた。
弟の方は今年のサマソニに来て、それは印象深いステージングを披露したと聞く。
そしてノエル兄貴はソロとして今年4枚目のアルバムを発表してからの待望の来日公演。
兄弟揃って同じ年に来日って中々分かっていらっしゃる(何が?笑)
特に兄貴の方はソロになってから割とライブは見に行っているので、久しぶりのライブは楽しみで仕方なかった。
そして一路、会場の大阪へ…。
場所は中之島に位置するフェスティバルホール。
初めてフェスティバルホールに入ったが、まあ何ていうんでしょう。
素人目線で述べさせて頂くが、まあ音楽を奏でるために計算しつくされた建物なんだろうなと会場内に入って凄く感じた。
照明や、高い天井、横の壁の雰囲気や二階バルコニーの様子など、きっと音の反響の仕方などを考えて作られたような構造な気がするのである。
そういえば、四年前のノエル兄貴公演の際に訪れた愛知県の芸術劇場大ホールもコンサートホール内の雰囲気が似ていたような気がする。
きっと音を最大限に楽しむには…、っと構造の仕組みがあるんでしょうね。
素人なんで分かりませんが。
そして会場内に入る前の通路ではこのツアーで一緒に回ってきているノエル等身大のパネルが設置されていた。
そこで記念撮影をしようと観衆者の長蛇の列が。
すげえな~っと見ていたら割と色々な層のお客様方がいる事に気付く。
Oasisを原風景で味わっていそうな40代や50代の方々も見受けられれば、20代の人達やカップルも見受けられノエルのファンの年齢層の幅の広さが伺えた。
Oasisが解散して14年、その間にソロとして作品を発表していく中でむしろ、元Oasisというよりもノエル・ギャラガーとしての作品のファンも増えたのかと思うと、ちょいと感慨にふけってしまった(笑)
まあどうしても元Oasisという冠はずっとついてまわるわけだが…。
そういえば何かの動画でインタビューに答えるノエルが、Oasisのドキュメンタリー映画「スーパーソニック」が放映されてイギリスで若いキッズ達に新たにOasisファンが増えて…みたいな事言ってたっけ。
話を元に戻してライブ観戦の感想を…。
本番までに少し時間があったので、ステージの様子を…。
DJ.フィルって誰とか思ったけど、本番になるとこのビジョンが凄く画像がキレイで良い仕事をしてたんです。
バンドの後ろで映し出される映像って今や重要な要素ですよね。
今回のセットリスト的に最新のアルバムから多めに曲をプレイしていたが、サイケ調で浮遊感溢れる最新アルバムの世界感を見事にグラフィックと共に映し出しているわけなんですよ。
なので、ビジョンに映し出される画像込みでこれは一つの作品だなとライブを観てて感じた次第。
それだけ後ろのスクリーン・ビジョンは印象的だった。
ちなみに写真左に人のようなパネルが立っているが、調べた所ジョゼップ・グアルディオラという人物。
そう…
ノエル兄貴が大好きなサッカーチーム、マンチェスター・シティの監督なんですよ。
いやはや兄貴のシティへの愛情は素晴らしい(笑)
そうこうしているうちに照明が暗くなり、いよいよ本番へ…。
新作「プリティ・ボーイ」のリズムトラックが鳴り響く中でバンドメンバーが舞台袖から待ってましたとばかりに登場してきた。
ノエル・ギャラガーに、ギタリストのゲム・アーチャー、ベースのラッセル・プリチャード、キーボードのマイク・ロウやキーボードとコーラスを担当するジェシカ・グリーンフィールドなどが各持ち場にスタンバイ。
そして客席は素晴らしい歓声と、リズムに乗って繰り出される観客の拍手の渦…。
これを待っていたよ、この瞬間。
やはりライブに行ってこそ感じられる、この一体感と多幸感は一種のアドレナリンのものとも思える。
ビートを刻み、グルーブの中で歌うノエルの声が響き渡る。
サビの部分はまず最初のクライマックスを迎えた。
そしてそこから新作からの作品を次々と繰り出していく。
ギターのリード・プレイはOasis時代からの仲間であるゲムに任せ、ノエルは歌とリズム・ギターに集中する。
今回のノエルはすこぶる喉の調子が良い。
凄く声が伸びやかに聴こえたし、前回の時は時々苦しそうにしてたかな?っと思う場面もあったが、今回は良く声が通る。
その声がまた「カウンシル・スカイズ」の歌とその雰囲気にピッタリな感じがした。
そして前回にはいなかった女性コーラス3名が脇に控え、ライブとその音を更に華やかなものにしていた。
前述したビジュアル・スクリーンの映し出される映像の効果もあり、そこには常にシンガーとして全身し続けるノエルの姿勢みたいなものを垣間見た気がする。
今回のライブではキーボードが三台といつもより多かった気がするが、これも最新作の世界感にピタリとはまっていたような気がする。
華やかだけど、ナイーブに、そして繊細に全体を照らし出すような感じ…。
ライブも時間が過ぎていき、ハイ・フライング・バーズの過去の作品をプレイし、後半は怒涛のOasis時代のナンバーを畳みかけてゆく。
それにしてもこのライブの時間がすぎていく瞬間。
素敵な時間である。
それと同時にあの曲は多分最後の方だし、聴きたいな~、何て思っている瞬間もあり、ついつい意識が先に行ってしまう時もある。
贅沢な悩みではあるのだろうけど、今目の前の事に集中しなければ!っと思う時もあったり。
本当に悩ましい時間なんだが、何はさておき今目の前の光景に集中しなければ!
そしてOasis時代のナンバーには、あまりお目にかかる事の出来ない「ゴーイング・ナウヒア」などもプレイされ、非常にレアな思いでが刻まれたなっと若干の興奮を覚えた。
それにしてもノエルの喉の調子が良い。
原曲も声のキーが高い、「インポータンス・オブ・ビーイング・アイドル」も苦しそうでなく調子良さそうだ。
会場のあちこちでシンガ・ロングする声が聴こえる。(自分も!)
そうこうしている内に本編が終り、アンコールへ。
そこにはボブ・ディランのカヴァーをやったり、これまたレアなノエルが歌う「リヴ・フォーエバー」、そしてラストは会場全体が歌いクライマックスを迎える「ドント・ルック・バック・イン・アンガ―」と客席のボルテージはマックスを迎えた。
「ドンルク」でノエルがこの日初めて?ギター・ソロを弾いてたっけ。
ライブでしか味わえない音の渦と、多幸感、感情を揺さぶる光の加減など全てのエネルギーを体に浴びて本編は終了した。
あまり英語ができないので、はっきりとは分からなかったが、最後ノエルは「また来年!」みたいなことを言ってた気がする。
まあ、部分の単語しか読み取れなかったから違ってるかもしれませんが💦
バンドメンバーが去っていく中、興奮冷めやらぬ思考の中でライブはまさしくOasisから今のノエルのソロプロジェクトに続く歩みを感じた。
そう、その歩みは現在今行っている事に対して試行錯誤を重ね、ノエルのソング・ライティング能力をいかに今にフィットさせているかを確認できたわけだし、実際にOasis時代ではやっていなかったような曲も作っている。
改めてそれがノエルの一人のアーティストとしての矜持を見たような気もする。
なので幅広い世代の聴衆に支持を受けているのかな。
そして弛まぬ歩みは過去のOasis時代の曲にも注がれている気がしてならない。
どこがと言われると答えに困ってしまうが(スンマセン)、過去の懐古に止まらず、常にアップ・デートというか…
なのでOasis時代の名曲達もライブで定番とはいえ、どこか新鮮味を感じる所以か。
ノエルの弛まぬ歩み…。
またライブ鑑賞をしたい。
そして今年フジロックなど色々と現地でライブを鑑賞してきたが、やはりあの興奮と熱気と光と音の渦に包まれた多幸感はそこでしか味わえない、貴重な体験だ。
今年は色々なアーティストの音楽を全身で浴びさせて頂いた。
こんなに素晴らしい事は中々味わえない。
見ず知らずの観客の人々と会場の熱気と、アーティストと一体感になって生まれる感情の渦を来年も是非とも味わいたい。
良い一年だった…。
そしてノエル・ギャラガーありがとう!
記事を最後まで読んで頂き誠にありがとうございます!
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