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Street・Fighting・Man   

昔月刊マガジンで連載されてた、「BECK」って漫画をご存知だろうか?

主人公コユキがギタリスト南竜介と知り合い、音楽やバンド(BECK)活動などを経て成長していく物語。

漫画なんで当たり前に演奏する音は聞こえないが、「BECK」を読み進めていくとその声や、バンドの演奏する音などが実際に聴こえてきそうな気がする描写力と、ストーリーが大好きで一時夢中になって読んでいた。

懐かしい。

そして物語には実際のミュージシャンの名前や、曲も登場してきて音楽好きには何とも至福の時を頂ける素晴らしい漫画だった。

実際に「BECK」を読んでいて興味を持ったミュージシャン達がいたから、今考えると面白くてありがたい漫画だった。

そして「BECK」の中で、ギタリスト竜介が唯一無二とも言える親友を失い、ショックで酒浸りになってしまったが、紆余曲折を経てそこからのカムバックの一発目のギグで演奏するのがローリング・ストーンズの名曲「ストリート・ファイティング・マン」だった。

途中竜介のギターは暴走気味になってしまい、バンドメンバーも必死になってついていくって感じだったかな。

まあ、あまりあらすじみたいなのを書くとアレなんで、何が言いたいかと言うとそのシーンが妙にカッコいいなと思い、印象に残ったものである。


2002年に発売されたローリング・ストーンズのベストアルバム「フォーティー・リックス」。

それまでストーンズをほとんど聴いた事がなく、このベストアルバムでストーンズサウンドに入門した(?)。

当時は夢中になって聴いたもんで、「アンダー・マイ・サム」なんてムッチャカッコええやんけなんて思ってたっけ。

そして初めてこのベスト盤で「ストリート・ファイティング・マン」も初めて聴いた。

ストーンズの傑作アルバム「ベガーズ・バンケット」に収録されているナンバーで、印象的なアコギのイントロや煽情的な歌詞やメロディが特徴的な、一曲だ。

「フォーティー・リックス」一枚目(二枚組アルバム)のオープニングナンバーで、かっこ良いなとは思ってたけどその当時はそこまで印象には残ってなかった。(他にもたくさん良い曲があったから)

それからしばらくして、「BECK」を読んでいると、竜介のカムバックで「ストリート・ファイティング・マン」を演奏しているシーンが登場して、原曲のアコギ主体だった曲を、バンド演奏でプレイしている(エレキなど)のに何故か妙にカッコいいんじゃないかと思ったもんだ。

音が聞こえてくる漫画…。

当時ストーンズの作品をまだまだよく知らなかった頃、「BECK」のこの描写で何やら「ストリート・ファイティング・マン」が凄く気になり始め、何回も聴き直したりした記憶がある。

そんな頃に漫画でも確か紹介されていたストーンズのライブ版「ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト」を購入したのを覚えている。

1970年にリリースされたライブ・アルバム。

1969年11月27日~11月28日にニューヨークはマディソン・スクエア・ガーデンで行われたライブを録音したもの。

ブライアン・ジョーンズに代わってギタリストのミック・テイラーが参加した初めてのツアーとしても知られる。

このジャケットのチャーリーがギター両手に飛んでいる姿が確か、漫画でもパロディ化されてどっかの場面で出ていた記憶があるが、その印象が強くていつか絶対聴いてみようと思ってたっけ。

ストーンズはいまだに80代を迎えても健在で転がり続けているが、このアルバムの当時はベースのビル・ワイマン以外は20代だった。

そしてドラッグ問題やブライアンの脱退、死去などの出来事からの復活を印象付ける事や、新メンバーを迎えてのライブといったこともあり、アルバムは個人的な意見だがエネルギーに溢れているものだと感じた。

そんなエネルギーに満ちたストーンズの傑作ライブ・アルバムのラストを飾るのが「ストリート・ファイティング・マン」である。

当時原曲の「ストリート・ファイティング・マン」しか知らなかった自分はそのバンドサウンドにハマり込み(ってか今でもハマっている)、ひたすらリピートして聴いていた。

テンション高めの全員の演奏に、ミックのそれこそ本当にストリート・ファイトするんじゃないかと思われるような歌い方、キースやミックのエレキギター、チャーリーの激しいドラミングなど「ストリート・ファイティング・マン」ってこないに凄い曲なんだと改めて認識する思いだった。

演奏のテンションは終わりに近づくにつれパンキッシュに、叩きつけるようにして終わっていく。

もう凄いエネルギーなんです。

これをイヤホンで聴いていると、そりゃもうテンション上がるわけなんですよ(笑)

そしてこの「ストリート・ファイティング・マン」に、「BECK」の竜介がカムバックした時の演奏もこんな感じなんじゃなかったのかなと想像したりする。

この新生ストーンズの露払いともいえる「ストリート・ファイティング・マン」にきっと竜介達も触発されて、このバージョンで演奏してみたいと思ったりしたんじゃなかろうか。

まあ、物語的には他にもこの曲を演奏した理由があると思われるが…。

自分もうる覚えなので、あまり触れず…

きっとこのアルバムバージョンの「ストリート・ファイティング・マン」のカッコ良さが根底にあったはずだ。

それにしてもこの来る自らの新たなステージを祝うかのようにして、テンション高めに最後はミックが吐き捨てるように「Get down…!」と吐き捨てる鮮烈さ。

いやはや素晴らしい。

聴き始めて随分と経つが、いまだにエネルギーの伝わり方はもの凄いものがある。

今でもテンション上げたい時などにこのアルバムの「ストリート・ファイティング・マン」だけリピートして出勤したりする。

自分の勝負曲ともいえるのかな。

なのでストーンズや、「BECK」には感謝の念がある。

一生モノの曲に出会えたなと。

大げさですね~。

でも本当に「BECK」もストーンズも素晴らしい「名演」だと思う。

素晴らしきかな「ストリート・ファイティング・マン」。


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