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【詩】 残響

雨の雫が屋根を伝う


その一滴は軒先を見つめ

やがて波紋を広げる

波打つ流麗さは全てを保つ

均等に 一滴   一滴を

集約して水面を穿つ

こぞって創られた波動はいずこへ

全てがその瞬間のためにある

 
計算し尽くされた摂理は

何事にも代えがたい

生まれた残響を集約しつつ

時の気まぐれに耳を澄まし

彼方からくる雫達を

ボンヤリと見つめる

完璧な物語に言葉はいらない

横切る残像を残しつつ

あえて黙して水面と戯れる




 

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