見出し画像

躍動する生命

21世紀に入り、はや20数年が経とうとしている。

その間に歴史上では色々なことがあった。

光もあれば影もある…。

それはいつの時代も一緒のことではあるが。

前の世紀よりも世界はグッと身近になり、スマホ1つあれば色々なことが分かる時代になった。

ちょっと前までは考えられないことだった。

華やかに、幾多の可能性を生み出し進化していく文明社会。

時にはそれが生み出す弊害も生まれ、トライ&エラーを繰り返しながらも、前に進んでいく世界。

多様性を尊び、点と線とを結びつけるがための試行錯誤の数々…。

きっとこれからもそうだ。

そして、きっと良い方向に行く。

そう願わずにはいられない。

そんな21世紀を歩み、自らのサウンドのアップデートを繰り返し、時には劇的に変化、時には原点に立ち返り、世界を見つめ続けたバンド。

イギリスで結成された21世紀を代表するバンド「コールドプレイ」

1997年にバンドを結成し、2000年にデビュー。

デビュー時の壮麗で美しいサウンドは、流行りのサウンドなど関係なくリスナーをとらえた。

「イエロー」や、「クロックス」、「サイエンティスト」、「スピード・オブ・サウンド」など…

メランコリックに響き渡り、フロントマン、クリス・マーティンの弾くピアノが憂いを帯びたサウンドを際立たせる。

そしてクリスの優しい歌声や、ファルセットを効果的に使い、コールド・プレイサウンドが確立されていった。

繊細でいて大胆であり、情緒的であり観念的な歌詞や世界感は、イギリスのみならずアメリカなど世界を魅了する。

二枚目のアルバム「静寂の世界」や、三枚目のアルバム「Ⅹ&Y」は売り上げを1000万枚以上記録した。

そしてコールド・プレイのサウンドの特徴として多種多様な音楽性をもっていることである。

三枚目のアルバム以降、自ら築きあげた世界感を解体して、変化を恐れず再構築していく。

ロックのみならず、民族的な音楽や、ダンスミュージック・EDM・ソウルやR&Bなどジャンルレスなサウンドを形成していくのである。

カラフルな色彩をイメージする、多幸感あふれるサウンドとも言って良いのかな?

その特徴はコラボをした相手にも表れている。

ビヨンセやセレーナ・ゴメス、DJデュオのチェイン・スモーカーズや、BTSなどデビュー時のことを考えると、守備範囲が何と広いことよと驚きを隠せない。

まさしくボーダーレスになっていく現代を象徴するバンドとも言えるのではなかろうか。

その変化を如実に感じたのは四枚目のアルバム「美しき生命」

発売は2008年。

当時聴いた時はちょいとビックリしたもんだ。

あらゆるジャンルを聴き、このアルバム制作に反映させたそう。

ラテンのリズムやギターの調べのニュアンスも響かせ、それまでのクールでスタイリッシュなイメージを良い意味で覆してみせたのである。

そしてライナーノーツにもあるように、生命の美しさを讃えるのと同時に、影の部分もしっかりと描き、様々な価値観を聴き手に提示したコールド・プレイ。

理知的に世界を見つめ、静寂と騒然、冷静と熱狂のあいだを巧みにサウンドに落とし込み、世界を、そして聴衆を虜にした。

その一歩がある意味「美しき生命」から始まったのかなと、自分の勝手なイメージで思ってます。

現代を代表するロックバンド、それは自らの歩みが多様化される現代を象徴するように思われるし、物事の対極をとらえ、生命そのものの躍動を鼓舞しているように感じさせる数々の楽曲たち。

きらびやかに、カラフルに、多幸感に満ちながらも、冷静に人の行いを全ての面で描きつつ、全てを肯定するバンド。

人生の色々な局面を鼓舞してくれるような好きなバンドだ。






・美しき生命
・ザ・サイエンティスト
二曲動画でつけてみました。

美しき生命はアルバム「美しき生命」からの曲。
「サイエンティスト」はアルバム「静寂の世界」より。

美しき生命は日本でもよく流れていたので聞いた方もいらっしゃるのでは。

サイエンティストはピアノの調べが美しい名曲です。

よろしければご視聴下さい!


記事を読んで頂き誠にありがとうございます!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?