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60年代、流行った洋楽。29

『70年代、流行った洋楽』の60年代版です。
60年代の初頭は、私自身がまだ少年時代。音楽に目覚める以前のことでした。そのうち、ラジオのAM放送やテレビなどから流れる音楽に意識が向くようになりました。そんななか、記憶に残る曲にもめぐり逢いました。今、あらためてYou Tubeで聴くと思い出がよみがえるだけでなく、半世紀よりもさらに前の曲とは思えない新鮮さと輝きにおどろきます。

60年代にはこんなことがありました。


太陽はもう輝かない/ザ・ウォーカー・ブラザーズ
The Sun Ain't Gonna Shine Anymore /The Walker Brothers(1966年)

 アレンジにシンフォニックな深みがあって、そこに乗っかって歌い上げていくボーカルもよく合っています。

 歌詞の方を見ると、最初は隠喩と内省的な色彩を感じさせます。
「孤独は君がまとう外套/深く濃い青色が/いつもそこにある……」(以下、まいにちポップスさん訳)

 昨日、あれほど輝いていた太陽が、きょうは雲にかくれてしまった。
あれほど幸福だったあの娘との仲も、もう元に戻らないのだろうか……と継いでいきます。

 しかし、次第に感情そのままにストレートな表現にかわります。
「君がいないと寂しい、ベイビー/ガール、君が必要なんだ/やっていけない……」

 曲の最後の部分の、”The Sun Ain't Gonna Shine Anymore「太陽はもう輝かない」のリフレインが心に染みます。

フィル・スペクター風のサウンドで歌う”イギリスのライチャス・ブラザーズ”というイメージを僕は持っていましたが、実は彼らはアメリカ人で、グループを組んでから成功するためにアメリカからイギリスに渡った人たちです。

まいにちポップス


シュガー・シュガー/アーチーズ
Sugar Sugar/The Archies(1969年)

 この楽しげな陽気なメロディ、一度聴いたら忘れられなくなること必至ですね。なにしろ砂糖と蜜ですから甘さそのもの。

 心の底から彼女をのハートを望んで歌う詞もまた、ストレートでいさぎよさまで感じます。
「シュガー、ああ、ハニー、ハニー/君はキャンディ・ガール/君が欲しいよ」(まいにちポップスさん訳)

 彼女といい感じで青春しているって⁈いいね。今の調子でがんばれよ。きっと成就できるから、応援してるよ!

このアーチーズ、アニメのヴァーチャル・バンドなんです。日本でも当時「アーチーでなくちゃ!(The Archie Show)」というタイトルで放送されていました。
そして、ロン・ダンテやトニ・ワインなどミュージシャンやプロの作家を集めてこの「シュガー・シュガー」は作られ、なんと1969年の全米の年間チャート1位になるほどの大ヒットになりました。

まいにちポップス


今日を生きよう/グラス・ルーツ
Let's Live for Today/The Grass Roots (1967年)

 この曲もよく流れていました。聴いていたのは、テンプターズのカバーかもしれませんが。

 原題の、”Let's Live for Today”も、邦題の「今日を生きよう」もいいですね。過去は変えようがないし、未来を先取りすることもできない。そういう意味では、今日しかないんですね。

 この曲に魅せられるのは、よく工夫された曲づくりが与っていると思います。

 冒頭、最小限の伴奏をバックに、ボーカルが次第に盛り上がっていくと思うと、0’30”位に曲調も新たに「1・2・3・4」の掛け声が入るところ。
 1’40”位から、弱音でささやくようにはじまったボーカルが、次第にクレッシェンドしていくところ。
 ”sha-la-la-la-la-la Live for today”など、印象的なフレーズがリフレインするところなど。

この「今日を生きよう」は、グラス・ルーツの最初のヒット曲。
といっても、本国イギリスでは売れなかったようです。
日本でのみ ヒットした海外ポップスです。
日本ではなんといっても、なかにし礼氏の日本詞によるテンプターズのヴァージョンがあまりにも有名です。
ボクもテンプターズ版のほうが好きかな(笑)

思い出のポップス










※Alexandre さんの画像をお借りしました。

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#60年代洋楽

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