肩にふれた手のひら
その朝はいつもより10分くらい早めに家を出て駅に向かった。
毎日が仕事に追われる日々。
頭の中で今日やるべき事を考えながら電車に乗り、座ると同時に軽く目を閉じた。
慌ただしく、とても欲張りな毎朝の時間。
朝食にお弁当、洗い物、犬の散歩、化粧、長い髪を念入りに整える、そして帰宅時に嫌気がささぬようリビングを整えて出かけるまで、短い時間にあれもこれもと詰め込む。
どれも自分自身が、あきらめたくないのだから急ピッチは仕方が無い。
だから私にとって通勤はゆっくりできる大切な「自分の時