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最果てからの手紙10

_last letter_

手紙を書くことはありますか?
言葉を綴ったその時間は、今ここではない何処かに繋がっていると教えてくれた手紙の話でこの連載を終わりにします。
小学生の頃、漫画雑誌の文通コーナーで見つけたメッセージ宛に手紙を送っていました。今日の良かったこと、飼っていたウサギのことに始まり文末には決まって“お返事待っています”の一言を添えて。貰えるのかもわからないお返事の手紙が郵便受けに入っているのを見つけた時はいつも踊ってしまうほど感動しました。
会ったことのない誰かから届く手紙の筆跡や便箋から垣間見えるその人の感性に触れて心は旅をしていました。子どもながらに未知との遭遇に期待していたのだと思います。今でも直筆のメッセージを頂くのは嬉しいです。
そしてもう一つ。高校での授業中に「○○くんまで回して」とクラスメイトの手から手を渡っていく手紙のやり取りも外せません。
“終わったらミニストップのハロハロ食べたい”などペン先での内緒話を楽しんでいました。
今思えばその紙は少し先の未来へ連れて行ってくれる羅針盤でした。
願いや感謝の気持ちを紙に書いて送ると、きっと未来の誰かが応えてくれます。

最後の贈り物は、ネイビーブルーのインクが綺麗な「ペン」です。

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