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『最善のリサーチ』内容のご紹介

2024年5月に刊行された、「A Book Apart」(ア・ブック・アパート)シリーズの翻訳第1弾、『最善のリサーチ』の内容と目次を紹介します。

書籍の仕様

『最善のリサーチ』
著者:Erika Hall(エリカ・ホール)
翻訳:菊池 聡、久須美 達也、横田 香織
監修:UX DAYS PUBLISHING
出版社:マイナビ出版
刊行:2024年5月
判型・ページ数:A5判、248ページ

プロダクト開発で最善なリサーチとは何か。計画から実施、結果の分析まで、本質的解説から学ぶ。

「最善のリサーチ」(原題:Just Enough Research)は、リサーチを行っているけどユーザーのインサイトが見えない、リサーチを形式上行っているが実務に役立てていないと感じているプロダクトチームのための書籍です。

リサーチは、新たな知識の獲得、問題解決、プロダクト開発やソリューションに不可欠な手段です。リサーチは、単なる情報収集の活動ではなく、深い洞察と理解を得るための手段です。リサーチ対象者の日常生活に深く潜り込み、リサーチ対象者の視点から世界を見ます。しかし実際には、リサーチの本質的な理解がないまま形式的に行われているケースが多くあります。

本書は、形式的なリサーチからの脱却のために書かれています。リサーチに対する深い洞察と実践的なアプローチを提供することで、プロダクト開発に携わるすべての人が、より質の高い意思決定を行えるようにするのが目的です。

著者エリカ・ホールは、自らの経験をもとに、任意の規模のチームや予算で実施できる信頼性の高いリサーチ手法を本書に集約しました。どのような組織やプロジェクトでも、過剰な手間をかけずに効果的なリサーチが行える方法を解説します。リサーチの計画から実施、結果の分析に至るまでのプロセスを通じて、リサーチの核心的なポイントを学べます。効果的なリサーチの鍵は、適切な質問を立て、得られた回答を批判的に分析することです。このアプローチにより、未知の要素を最小限に抑え、最も効率的な方法で正確な情報を収集し、チームの貴重な時間とリソースを節約できます。

また、著者の豊富な経験をもとに、リサーチの障壁となる、怠慢さ、傲慢さ、そして組織内の政治的争いなどを打ち破るための具体的なアドバイスも提供してくれています。

多種多様な分野でリサーチがさらに重要だと認識されるようになる中、本書はみなさまのリサーチに役立つ道標になってくれるはずです。

本書の目次

本書の目次を掲載します。

Chapter1 最善のリサーチとは

もう無理!
リスクとイノベーション
リサーチとは何か
リサーチではないこと
なぜこのような本がまだ必要なのか

Chapter2 基礎

誰がリサーチをするべきか?全員だ!
反対意見に対処する
リサーチにはコラボレーションが必要
必要十分な厳格さ
ベストプラクティス
リサーチはどこまで行えば十分か?

Chapter3 プロセス

1.問題を定義する
2.アプローチ方法を選択する
3.リサーチの計画と準備をする
4.データを収集する
5.データを分析する
6.結果を報告する
そして繰り返す

Chapter4 組織リサーチ

MBAと同じ仕事をする
ステークホルダーとは誰か?
ステークホルダーへのインタビュー
ステークホルダー分析の活用方法

Chapter5 ユーザー・カスタマーリサーチ

全てはコンテキストの中にある
仮説は侮辱
不完全な情報源から良いデータを得る方法
エスノグラフィーとは何か?
デザインエスノグラフィーの4つの「D」
インタビュー
コンテクスチュアル・インクワイアリー(文脈的調査)
フォーカスグループ:避けるべきもの
トーキングキュア・ウォッチングキュア

Chapter6 競合リサーチ

SWOT分析
競合調査
ブランド調査
競合へのユーザビリティテスト
ニッチな時代

Chapter7 評価的リサーチ

ヒューリスティック分析
ユーザビリティテスト

Chapter8 分析とモデル

アフィニティ・ダイアグラム(親和図法)
ペルソナの作り方
メンタルモデル
タスク分析・ワークフロー
モデル管理

Chapter9 アンケート

簡単は正しいと感じる
数学
調査の計画
スケールを使用する
定量調査VS定性調査

Chapter10 解析

数学、再び
スプリットテスト
デザイナーとデータジャンキーは友達になれるかもしれない

Chapter1の冒頭部、原著の序文をnoteに掲載していますので、ぜひ読んでみてください。


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