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膵炎の人の食事について
大前提の基礎「脂質制限食」とは
1回の食事の際の総接種脂質量が、
寛解時:毎食20g以下、1日60g以下、
炎症時:毎食7g以下、1日20g以下、
を目標とした食事です。炎症時は特に注意が必要ですので厳密に守る方が賢明です。
ただし、寛解時は食べ過ぎ等の際に鳩尾痛の前兆が無いかよく注意して食べる事で、20gに徹底しなくても炎症を起こす前に食事を中断・残して終了する事で回避できる所があり、危険を感じた場合は飲み込まない事で接種量を劇的に下げる事が出来ます。(味だけ吸って吐き出すチューイングも活用)
特にカレーやチキン南蛮、牛丼特盛(つゆだく)等、一食分を食べれば確実に脂質が20gを超えてしまうような食品でも一度に全部食べてしまわなければ食べる事は可能です。
これを応用すれば食べれない物は膵炎に限ってはほとんど無いと言えます。
料理時や食べる時の工夫
特にカレーは市販のルーを使わずにスパイスで作る事で大幅に脂質を下げる事も出来ます。
チキン南蛮はコロモを外すことで半分以下に、お肉をささみに切り替えれば肉自体の脂質は限りなく0に近づきます。タルタルソースは市販の物で脂質を比べて低い物を少な目に使うと良いです、味が足りない場合はウスターソース等を使いましょう、エビフライを食べる時の工夫と同じです。
牛丼は肉さえ飲み込まなければ大半の脂質を回避できるはずです。
(実際に退院時にこれらを私は普通に食べ続けれています)
脂質の目安の調べ方
Slism https://calorie.slism.jp/ あらゆる食品の標準的な成分を確認できます。
※市販の商品は必ずしもこの値に準じない場合がありますので必ず成分表示を確認してください。
※外食時等、成分が不明な食品に対して特に有用です。指標として全部食べて良いか判断しましょう。不明だったり危ういと思われるものは一口二口で我慢しておくのが寛容です。
※デフォルトの表示が1人前基準の時が多いので100g換算になっていない場合がありますので極端な値の場合は数値を変更して確認してみましょう。
ガチで調べるのであれば、日本食品標準成分表2020年版(八訂)が最も正しい値を知れると思いますが食品登録名と完全一致させなければならず、見つからない時があるので検索に難があります。
例えば、「牛丼」などは出ません。「とんかつ」はヒレも候補で出ます。また表示が慣れるまで分かりづらいですので普段はSlismを利用される事を推奨いたします。継続して使える、負担が大きすぎない事も重要です。
調味料について
非常に強い味方に塩、醤油、ソース、ケチャップ、砂糖、ノンオイルドレッシング、味の素やダシ類の殆どが脂質が0乃至極微量です。糖尿病などを併発していない限りはある程度これらはしっかり使っても「膵炎」には問題ない認識です。
粗食の場合などもしっかり味付けして食事を楽しむ事ができるはずですので様々な調味料を買い揃えて置く事でささみばっかり飽きたとか、鮭とかオメガ脂肪酸3の魚の塩焼きはもう嫌とかいう状況を改善できる可能性がありますので、是非活用してください。
QOLを向上させる救世主のような役割を果たしてくれるはずですので多少高くても出し惜しみせずにチャレンジしてみましょう。月星ソースさんなど多種にわたるソースを扱っておられます。
もちろん市販のKAGOME、IKARI、オタフク、ブルドッグ等の、ウスター、中濃、とんかつ、ステーキ、お好み、ハンバーグ、たこ焼きソース等も非常に優秀ですので是非食べ比べてみてください。
必然これら調味料をメインとした料理はマヨネーズや肉類、油が加わっていない限り低脂質料理になりやすいので覚えておきましょう。
刺激物に当たるわさび、洋からし、デスソース等は慎重に使いましょう、辛味が欲しい場合は量が少なくて辛い方がダメージは低くなると思っています。(ハバネロ以上になるとそれはそれで危険だと思います、辛味の強さは個人差が大きいので一味や鷹の爪で済む方はそれで辛味のみ出して、物体は食べないようにしましょう、スープやペペロンチーノ時)
最期に具体的な料理の例
・ソース焼きそば - 麺がかんすい麺が忌避されますが成分的にはOK、豚肉よりは魚介類(エビやホタテ、シーフードミックスなどを推奨)
・お好み焼き - 豚バラが重いのでイカとか魚介を推奨、ただしイカも難消化性なのでよく噛み注意、代替品として広島焼やキャベツ焼き(洋食焼き)の方が優秀です
・ヒレステーキ - 牛は高価な割に旨味がそこまで感じられる物はブランド牛に限られ、脂分がどうしても多くなりがちですので豚ヒレブロックが日常的にはお勧めです。(ローステキカツ用でも脂身が明確に分かれている物は取り除いてしまえばヒレと遜色が無いイメージです)ステーキソースは他のソースとは味わいが違うので存分に楽しめると思います。サラダチキン(味薄い系)、ささみステーキ等でも代用可能です。鶏むね肉は意外と脂質はモモ寄りなので注意が必要です。
・オムライス - ケチャップが優秀なのでしっかり味付けできます。肉はささみにしておけばさらに心配がありません。きのこ類は注意対象ですが、マッシュルームやお好みで具を追加してもまぁ大丈夫な感じです。味変にウスターソースがマッチします。
・スパゲティ - 本体は白米並みの低脂質、殆どの脂質はソース次第です。ナポリタン(ハムやソーセージ部分を調整、置き換え推奨)・ミートソース・カルボナーラ(要油控えめ)・ボンゴレビアンコなど市販のレトルトパウチのソースで低脂質な物が色々使えます。汁たっぷりのペペロンチーノソース等は全部汁を飲んだ場合の脂質なので、殆どは使い切りません、飽きなければ2~3回連続で食べる計算でも使えます。 和風系のソースの低脂質が目立ちます。 パルメザンチーズが恋しいと思いますが低脂質のスライスチーズで代用するか、控えめにしておきましょう。
・ドリア - バターやチーズを無脂肪乳などを調整すれば食べれます。冷凍や市販の物でも代用可能です。グラタンは必然ソース部分が多くなるので脂質が上昇しますが市販品は許容範囲の物が多いです。ごはんの味付けをケチャップなどに頼るチキンドリア等が必然優秀になります。味変にはタバスコが有名ですが、実は旨味では濃口醬油(キッコーマン)が上回ります。一度お試しあれ。
・寿司 - 基本的に盛り合わせで食べても問題ない認識です。たまご、たこ、えび類、オメガ脂肪酸3の魚類が特に優秀です、単品で注文する場合は寄せておくと◎。いなりは油揚げが避けたいところですが少量であれば問題ない認識です。巻きずしや押し寿司もウナギが過剰など油っぽい物が多くなければ基本的に低脂質でしょう。サラダ巻やツナに使われているマヨネーズに注意。
・鍋 - しゃぶしゃぶ(水炊き)系統は肉を置き換えたりで基本OK、すき焼き系統も肉が問題なだけなので1~2枚(100g以下)程度に控えれれば、私がヘビーローテーションで食べている料理です。味付きの鍋の場合も基本油を足すわけではないので鶏肉を採用する程度で事情は変わりません。肉は薄く、最小限に加熱した物が一番硬く無らずおいしいです。
・その他小鉢や薬味類 - 味付け海苔、焼き鮭ほぐし身、ノンオイルツナ缶L、ふりかけ、味塩などの昆布類、ネギ、紅ショウガ、ニンニク、ニラ、ガリ、お酢、他
その他にも何でも大体食べれます、気付く物があれば逐次追加していきます。気になる料理がわからない場合はTwitterなどで聞いてくだされば調べてみます。
食生活の一助にでもなれば幸いです。
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