番外:うちの息子は「ブルーチーズ」と呼ばれている。
息子の汚部屋を掃除中に、丸まって脱ぎ捨ててある靴下を手にして、ハタと気がついた。
息子に「洗濯してくれて、ありがとう」と言われたことがない。
これは、いかん。
当たり前にしたら、いかん。
感謝のできない人間はいかん。
人は感謝ができないと、逆に「やってもらえなかったこと」ばかりに目が行くようになってしまうもの。
小さい頃大好きだった御坊さんもこう言っていた。「人間は、誰に教わらなくても欠点を探すことは勝手に上手になる。でも感謝する心は、日々自分で精進しないとできないもの」と。
おっしゃる通り。
「ありがたい」と息子に思わせるには、
まずは洗濯を自分でさせよう。
息子の制服はポロシャツ+ジャンパーで、
ポロ×5
ジャンパー×5を持っている。
月〜金までの分は、有る。
週末に洗濯できる。
懸念は、週4で通うボクシングのTシャツで、毎回触るのをためらうほどの汗だくのTシャツだが、
これも4枚以上は、有る。
週末の洗濯でいける。
負担はないはず。
週末ゆっくりとやれる。
今月14歳にもなったことだし、遅いくらいだと反省しつつ、息子に宣言した。
「今度から、自分で洗濯しなさい。
服が足りなくならないように、計画と責任をもつこと」
息子の「うーい」という軽い返事が気になりつつも、洗濯の仕方を教え、これからの2週間は息子の部屋に入らないことを誓った。
* * *
ついに2週間がたった。
満を持して、息子の部屋に足を踏み入れる。
思ったより、服が脱ぎ散らかっていない。
引き出しをあけると、きちんと服が収まっている。
よしよし。
そして、今日は金曜日。
計算では、2周回って5枚の制服を使い切ってカラであろうクローゼットを、開けて思わず声がでた。
ひと組しか減っていない。
そういえば洗濯をしていた気配もない。
ということは、
同じ制服1組を2週間着ていたか。
あ。
ボボボボクシングのTシャツはと、我に返り這うように探すと、Tシャツが2枚、ベッドの横に脱いだままの形で固まっていた。
たったの2枚。
汗だくになるトレーニング8日間を、洗濯しないまま、この2枚を順ぐりに着ていた事実。シャワー後に、この汗まみれのTシャツをまた着ていた不条理。
白目で呆然としていたら、息子が帰宅して言った。
「母さん!みんな、ぼくがブルーチーズの匂いがするっていうんだ!」
うちの息子は「ブルーチーズ」と呼ばれている。それって差別?
いや、ただのバカタレ息子です、な
2021年学校最後の日。
2022年はもう少し賢くなりますように。
2022年もみなさんにとって、すばらしい年になりますようお祈り申し上げます。
Merry Christmas and a Happy New Year!
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