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25歳の学生が、生まれ育ったまち「あべの/昭和町」の地域コミュニティにいまさら顔を出しはじめた話

 初めまして。生まれてこの方25年ほどずっと、大阪府大阪市は阿倍野区昭和町というまちに住んでいます、25歳大学院生・HMです。(とてつもない個人情報の暴露ですね。)

 そんな、未だに実家住まい&微妙な年齢で学生をやっている僕がわざわざnoteを始め、まぁまぁの個人情報をインターネットの海に放っている理由……それは、
僕の住むまち「あべの/昭和町」の話をしたいからです。

 「あべの/昭和町」は近年、小洒落た面白いお店が増えたり、まちの外からもたくさんの人がやって来る大きなイベントが開催されたりと、とても元気なまちになっています。しかし、25年間ずっとこのまちに住み続けている僕は、暮らしの中で出会う「まちの変化」に対して疑問を深めるばかりで、どうしてそのような変化が起こっているのか、全く知りませんでした。

 そんな僕は最近、とあるきっかけで、あべの/昭和町の地域の活動に参加しはじめました。その活動を通じて、ここ数年で感じていた「まちの変化」の謎が、少しずつ解けてきました。

 このnoteでは、25年間ずっとあべの/昭和町に住んでいる僕が、新参者として参加しはじめた「まちの活動」を通じて知った、今のまちの実態を記録・紹介していこうと思います。

・僕と同じように、あべの/昭和町に住んでいるけれど、最近のまちの変化になんとなくついていけていないあなた。

「テレビやネットであべの/昭和町を見かけて興味はあるけれど、実際に足を運ぶにはまだ気が重いなぁ」と思っているあなた。

・そもそも阿倍野も昭和町も知らないのにこのnoteを読んでいる、酔狂なあなた。

 そんなあなたに、僕の住むまち「あべの/昭和町」のことを知ってもらえたら嬉しいです。

※以下の文章は、筆者の記憶や主観を頼りに書いた部分も多く、一部の数値や情報などが必ずしも正しくない場合があります。あくまでも「まちの一人の住民にとってのリアリティ」として読んでもらえたら嬉しいです。


現代社会における、まちの変化


 日々の暮らしの中で、自分の住む「まち」の変化に気づくことって、ありませんか?

「あっこの角、駐車場になった」
「裏通りのラーメン屋さん、潰れたんや」
「こんなとこに美味しそうなパン屋さんできた、ラッキー」

 なんてフラットな気付きから、

「またコンビニできたけど、その前は何あったっけ……?」
「商店街、シャッター下りてる店増えてきたなぁ……」

 なんて、少し寂しさを感じるようなものまで、「まち」という生き物は日々、少しずつ姿を変えていきます。

 そして、僕たちが暮らす、資本主義の行き渡った現代の日本では、「まちの変化」はどちらかというと、人間味を欠いたネガティブなものとして捉えられることが多いのではないでしょうか。

 駅前に大手のスーパーマーケットができ、商店街のお店が閉まっていく。
地元の本屋さんや喫茶店がなくなって、コンビニが乱立していく。

 「便利な暮らし」と引き換えに、日本中どこを見渡しても、同じような景色で埋め尽くされていく。ローカルな単位での顔見知りや交流がなくなっていく。まちの個性がなくなっていく。

 そんな状況に寂しさや違和感を覚えた人たちが、「地方創生」「まちづくり」の旗を掲げて動き出し、現代的な便利さとも共存しながら、まちや、そこに暮らす人々が持つ個性を引き出していく。新しい繋がりを作っていく。

 日本だけに限った現象ではありません。世界でも、巨大資本や情報革命によるグローバリゼーションの限界・弊害に気が付き、よりよいバランスを探って試行錯誤している――僕たちは、そういう時代に生きています。

 僕の住むまち・昭和町も同じです。

あべの・昭和町について

 昭和町は、大阪府大阪市阿倍野(あべの)区にある町です。

 「昭和4年に完成した土地造成を記念して、年号の昭和を町名とした」
という由来そのままに、少しレトロな雰囲気が残る住宅街です。阿倍野区内の近隣地域含めて、学校や公園、庶民的で美味しい飲食店などが多くあり、一駅で繁華街にも行けるという、めちゃめちゃ住み心地のいい町でもあります。(おかげで未だに実家を出られていません。全ては昭和町の住みやすさのせいです。)

あべの・昭和町の変化 「文の里商店街」

 昭和町(と、隣町の「文の里」)には、「文の里商店街」という昔ながらの商店街があります。

 現在25歳の僕が小さい頃には、それなりに活気のある商店街だったと記憶しています。とはいえ、観光地の市場のような商店街ならともかく、そういった特徴もない、ただの住宅街の商店街です。時代の波に揉まれ、全国の商店街と同じように、少しずつシャッターの下りるお店が増えていきました。

 そんな中、某広告代理店に依頼をして、商店街の店舗を紹介する個性的なポスターが制作されたことがありました。この取り組みはテレビで取り上げられるなどそれなりに話題を呼び、以降数年は、商店街が少し元気を取り戻したように感じていました。

 しかし、そんな効果も長くは続きません。店主の高齢化などを理由に、閉店をするお店が増えていきました。家族で昔からお世話になっていたクリーニング屋さんも引退されました。

 「他のとこに比べたらだいぶ頑張ってたけど、文の里商店街も徐々に衰退していくんかなぁ……」などと、「まちの変化」を寂しく感じていました。しかし、数年前から、

「あれ……? なんか新しいお店できてるんやけど」
「ん? なんやここ。前◯◯屋さんやったよな……?」

 と、商店街を通るたび、変化に気が付き始めました。
 言葉を選ばずに言うなら、
 「なんかサブカルっぽいお洒落なお店が増えてきた」のです。

 初めは一つ、二つ、とそういったお店ができたり閉まったりと局所的なものだったのですが、年を追うごとに、商店街に根付くお店が増えていきました。

 もう一つ、「まちの変化」に気付いた例があります。

あべの・昭和町の変化 「どっぷり、昭和町。」

 昭和町では毎年、4月29日の昭和の日に「どっぷり、昭和町。」という、まちの文化祭的なイベントが開催されています。

 僕が中学生の頃には、同級生のダンスや音楽の習い事、部活動の発表会が近隣の公園などで開催される、そのくらいの規模感のイベントだったと記憶しています。

 年を追うごとに少しずつ規模が大きくなり、そういった発表会的なイベントだけでなく、「文の里商店街」に屋台が出店されたり、「桃ヶ池公園」という近所で一番大きな公園で、プロレスや音楽ライブが開催されるようになりました。

 驚いたのは、今年の4月でした。2023年の「どっぷり、昭和町。」では、
桃ヶ池公園に「仮設トイレ」が立っていました。

 
工事現場やフェスなんかで見かける、あの電話ボックスみたいなやつです。それが、公園に入って少し入ったところに、どーんと3、4台くらい立っていました。

「まじ?」

 少しずつ規模を増しているのは感じていましたが、僕の中では「同級生の習い事や部活の発表会」の延長線上にあったイベントです。それなのに、地域で一番大きな公園に仮設トイレが立ち、公園全体にブースが出るまでの規模になっている。

「そもそもこれって行政がやってたっけ?」
「うそ、一日で一万人くらい来たん?!」

 自分が生まれ育ったまちなのに、気付けば自分の知らない変化がたくさん起こっていました。日々の些細な「まちの変化」として見落とすには、あまりに速く、大きな変化でした。

「昭和町、なんや最近盛り上がっとんなぁ。どないなっとんやろうなぁ」

 そんな疑問を覚えながら過ごしていた6月。僕は疑問を解消する一歩を踏み出しました。

あべのって学生部

あべのって学生部との出会い

 同じ阿倍野区内、昭和町から一駅の場所に「天王寺」という繁華街があります。「通天閣」や「天王寺動物園」など、昔ながらの名所をはじめ、近年では、日本一高いビル「あべのハルカス」や、天王寺公園をリニューアルした「てんしば」エリアなどが有名なまちです。

 大阪市内では、いわゆるキタやミナミに次ぐ三番手くらいの規模で、近隣住民は「わざわざキタやミナミに行かんでええやん」と、庭感覚で闊歩できる、ちょうどよいまちでもあります。

 天王寺には、「あべのキューズモール」という、地域密着型のショッピングモールがあります。僕が小学生か中学生くらいの頃にできたショッピングモールで、今となっては我々地元民から切り離すことのできない、生活の一部のような場所です。

 そんなキューズモール4F・レストランフロアの端っこに、いつしか、椅子と机が並んだ「つどいのひろば」というフリースペースのようなものができていました。ちょっとした休憩やお喋り、自習などのために使えるスペースです。

 そしてこちらもいつからか、スペースの入り口に「あべのって学生部」なる看板が出ていました。月に一度、学生が集まってお喋りをしたり、地域のことを話したりする、そんな案内だったかと思います。

 初めて見かけたときから興味は持っていたのですが、普段、つどいのひろばに集まっているのは制服姿の学生が大半です。学生というには微妙な年齢の自分が行ってもなぁ……と、素通りする日々が続いていました。

 しかし、最近のまちの変化への興味、自身の研究と社会の接点を探りたい欲求(大学院では、文化・コミュニティと社会の関わりなどを研究しています)などが噛み合わさった結果、「恥はかきすてや!」と、思い切って集まりに参加することにしました。

 4月末の「どっぷり、昭和町。」の仮設トイレに衝撃を受け、5月の開催分は逃したものの、次こそは! と、かなり衝動的に臨んだ、6月9日のことでした。

あべのって学生部に参加してみて

 「あべのって学生部のつどい」は、月に一度、第2金曜日の18時から、あべのキューズモール4F「つどいのひろば」で開催されています。「あべの」に接点のある学生が集まり交流する場で、「進路の相談」や「まちでやってみたいこと」など、学生が、今、気になっていることを話します。学生の悩みや課題の解決をサポートできるように、地域の大人も顔を出しています。

 自己紹介からざっくばらんに話していると、参加者の中には、どうやら上述の「どっぷり、昭和町。」の運営メンバーも参加しているなど、
「まちの活動」とは深い関わりがありそうな様子。

 
その他にも、今後のあべのって学生部の活動の話、地元でラジオをやってみたいメンバーの話、進路に悩む高校生の話など、たくさんの話題が出ました。

「じゃあ今度◯◯で話そっか!」
「◯◯の件なら、◯◯さんに話してみるわ!」
「そういえば、近所のシェアキッチンで卵焼き出したりしてるから、よかったら食べに来てね!」

 そんなこんなで次々と話が広がり、参加者と連絡先を交換し、あっという間に会は終了。「そういえば、最近あんまり卵焼きとか食べてないなぁ」とか、なんとなく話し足りないなぁ、などと思い、

「こういうのは気まずくなる前に行ったほうがええ」 

 と、後日すぐ、シェアキッチン(文の里商店街にあります)に卵焼きを食べに行きました。そこで、学生部で出会った高校生と再会し、もう少し深い進路の話をし……などとしているうち――

――気付けばがっつり「あべのって学生部」の活動に参加するようになっていました。

 まちで楽しく暮らしている人達、まちをもっと楽しくするために活動している人達と出会い、少しずつ、顔と名前を覚えたり、覚えてもらったりするくらいの関係が築けてきました。

ここ数年感じていた「まちの変化」の実態に、
迫れているような気がしています。

改めて、このnoteについて

 改めて、このnoteでは、生まれてこの方25年間「あべの/昭和町」に住んでいる僕が、なんとなく追いつけていなかった近年の「まちの変化」を、最近参加し始めた「あべのって学生部」の活動を通じて探り、今の「あべの/昭和町」の実態を記録、紹介していきます。

あなたも、僕の生まれ育ったまちを、一緒に探検してくれませんか?


 ここまで読んでくれてありがとうございました。
次回は、このnoteの母体でもあるまちの団体「あべのって学生部」について紹介します。


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