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BtoB事業 利益の源泉(4)「ラク消費」

前回の記事はこちら。

前回の記事では、「ソフト」対応が万能薬ではないこと、本質的には「ラク消費」が重要であることを述べました。

今回は、この「ラク消費」を実際にお客様にご提案するために必要なことをまとめていきたいと思います。

日本の技術力の地盤沈下

少子高齢化、人口減少の日本においては、それに伴ってじわじわと技術力の低下が発生しています。ここで言う技術力はノーベル賞を取るようなアカデミックな、あるいは要素技術的な技術力ではなく、職人技、熟練工、多能工といった意味合いでの技術力です。

要するに現場を収めていく力です。現場を収める技術をここでは現場力と呼びたいと思います。

この現場力、言い方を変えるとめんどくさいこと、煩雑なことをこなせる力です。前回のZEBで言えば各ピースを「繋ぐ力」ということです。

前回さらっと「ラク」であることの重要性をお伝えしましたが、もう少し日本の情勢を背景に説明するならば、こうした現場力の低下が「ラク消費」を盛り上げているとも言えます。

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難しいことをやり遂げる、確実に繋ぎ切る、そうしたことを当たり前に職人さんの技術頼みにしてきた日本において、その職人さんが高齢化し、若者も減っていくということは、本来必要な現場力の量と質が不足することに直結します。

ロボットに建設させる話がでてくるのは当然の流れです。これもまさに「ラク消費」のひとつです。建設会社からすれば、高い品質を担保してくれる職人を大量に雇うよりも、ロボットを開発し導入した方が、もはや「ラク」なのです。

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「ラク消費」と「教育」のツイン戦略

さて、このような「ラク消費」が必要とされる背景に「現場力」の低下があることがわかってきたかと思います。それでは相手に「ラク」を提供するには何が必要かという話ですが、答えは簡単で「現場力」なわけです。

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お客様が「ラク」を求めている分野に対して、我々が専門家であり、チャレンジャーであり、先進的であり、ノウハウや実績に基づいた総合的な解決力があり、責任を負うことができる、つまり「現場力」がないことには、お客様を「ラク」にして差し上げることができません。

そして、自社内に現場力を保有していくには「教育」が必要です。それは先程の日経の記事のようにロボットへ教育するのか、あるいはこれまで通り人を教育するのかはありますが、「教育」によって現場力を養っていくほかありません。

教育のコスト低減

教育にはコストが必要です。いちから教育すればお金も時間もかかります、そして何より失敗するリスクもありえます。それらを見込むことはコストが発生することを意味します。

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この失敗への損害低減策が必要なわけですが、それは2つあると思います。

一つは、これもまた使い倒されている言葉ですが、アジャイルやリーンなど、小さな失敗を繰り返すことで改善していく手法がマッチしてくるわけです。

大きな失敗をさせないために、小さい失敗をたくさんさせて軌道修正をしていき学んでいくことが必要です。実証実験などを行うこともそのひとつでしょう。

もう一つは、共同検証です。「ラク」をしたい人と「ラク」をさせたい人で共同で取り組む。そうしてリスク分散や効率化を行っていく。これも最終的には教育の問題です。

現場力を鍛えるためには、リスクの低い実験場を作り、そこで思いっきり失敗しながら、成長をしていくことが重要だと思います。

タイトルの通り、「ラク消費」で稼ぐということの重要性をお話ししてきましたが、では稼ぎを生み出す上で必要な投資は何か、つまりどんなコストがかかるのかということでいえば、それは「教育」というコストです。

そして教育のコスト低減策を実施しつつも、それでも教育になかなかコストを払えない実情に対して、これからはそこを変革する覚悟をもち、積極的に投資を行う時期だと思うのです。

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兎にも角にも「ラク消費」実現には教育への投資が不可欠であることに経営者は気付いていかないといけません。

そして、社員は教育を受けれることへの大切さを理解し、教育を受ける機会があれば、ありがたく真摯に学び続ける姿勢が求められているのだと思います。

ということでまた。

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