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BtoB事業 利益の源泉(1)「モノ消費」

最もコモディティ化した戦略「モノ消費からコト消費へ」。

「モノ消費からコト消費へ」・・・この言葉が出回って何年経つでしょうか?現在もいまだ使用されている言葉です。まだ言ってるということは、多くの会社・組織で実現できてないからなのかもしれません。

営業で言えば、ソリューション営業、システム営業、開発営業など。経営戦略で言えばハード単体ではなくソフト重視戦略。最近の言葉だと、売り切りの反対語として使われる、リカーリングやSaaSという言葉もあります。ちょっと昔だとユビキタス社会、その後ビッグデータの時代が来ました、それとIoTですね。

そして今は何よりDXという言葉です。

どの言葉も意味するところは近く、源流は同じようなものです。「ハード単体で売れなくなってきている、稼げなくなっている」という源流です。

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個人的には、この稼げない源流に対する施策として、念仏のようにただただ「コト消費」と叫ぶことに違和感があります。

確かにハード単体では事業が厳しいのは実感としてあります。しかし、果たしてその打開策は本当に「ソフト」なのか、或いは「ソフト」がもたらす「コト」であるのかということは、証明されていることなのでしょうか?

「ハードの反対語がソフトだからソフト戦略が重要なんだ」という理由だとしたら、あまりにも盲目的な根拠だと思うのです。

もちろん、「ハード」以外の全てを「ソフト」だとする広い解釈であれば、間違ってはいないのかもしれません。しかし、そうなると今度は「ソフト」そのものを説明しきれなくなり、「ソフト」が戦略的にあまり意味のない言葉になります。

「モノ消費」について言えば、反対の言葉は本当に「コト消費」なのか?

このことすら十分に検証されないままに呪文のように「コト消費」と唱えてしまっていないでしょうか。「モノ」と「コト」は厳密には対比構造にはなっていないようにも感じます。「モノ消費」が厳しいのが事実だとして、他にとりうる選択肢が「コト消費」一択とは言い切れないというコトです。

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そもそも「コト消費」とは何なのか?

その言葉の意味も一概ではなく定義が難しく、何をもって「コト消費」を生み出したと言えるのか、何をもって「コト消費」として成功した言えるのか、そうした定義づけやマイルストーンを決めることすら結構難しいように思います。

むしろ、成功したかどうか分からないからこそ、いまだに「コト消費」という言葉が廃れずに残っているのでしょう。「コト消費」=「成功」と確信をしている場合、「成功しない」=「コト消費を実現できてない」と考えてしまい、ありもしない「成功したコト消費の姿」を探し続けているのかもしれません。

とは言え、矛盾したような話になりますが、BtoBにおいても、「コト消費」の実現は、事業における「成功」の一つだと思っています。ただ、厳密に言えば、それは、お客様がお客様のお客様(=エンドユーザー)に「コト消費」をさせることができたら、「成功」だと思っています。

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自社→お客様で「コト消費」を実現しようとするから無理が生じます。

「コト消費」が重要なテーマであることはすでにお客様も知っているのです。

冒頭の通り、「コト消費」という戦略自体がすでにコモディティ化しています。お客様も世間に「コト」を売るべきだと気づいているのです。ただ、重要なことは、お客様自身は別に「コト」を消費したいわけではないという点です。BtoBにおいては、お客様も「コト」を売りたい立場なのです。

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「コト消費」という戦略のコモディティ化で、成功のイメージ図は誰にでも描ける時代になりました。構想は誰でもできるのです。お客様でも書けるのです。

こうした状況において、BtoBで事業を成功させるにはどういった戦略が必要でしょうか?つまりしっかりと稼いでいく事業へとしていくには何をしなければならないでしょうか?次回、このあたりを踏み込んで考えていきたいと思います。

ということでまた。


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