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転勤は無くなるのか

本日はこちら。

同じ釜の飯を食う

4月、10月になれば社内外含めて歓送迎会で忙しくなります。いわゆる伝統的企業の営業職が長かったので、数年すると転勤は当たり前でした(です)。

彼らは5年後、10年後、数十年後に再開します。年齢が同じくらいなら、係長同士、課長同士、部長同士で再開を喜び合ったりしているわけです。年齢が開いていると例えば自分は課長、相手は部長になっていたりして「すっかり偉くなられて」みたいな会話をするのです。

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同じ釜の飯を食べた中という奴です。簡単に言えば人脈ですね。この人脈の幅が昇格にボディーブローのように効くわけです。東京にも大阪にも顔がきく、地方のドンと丁々発止やりあった経験がある、あの重要顧客の社長を若かりし頃にお世話した・・・などなど。

転勤経験はない

ここまで書いておいてアレですが、僕は転勤の経験はありません。ずっと東京のど真ん中で働いてきました。

理由は二つ。

ひとつはタイミングです。転勤のかわりに部署が変わってますし(転勤を伴わない異動という奴です)、次のタイミングでは転職してしまったためです。それらしきタイミングで、たまたま転勤にはなりませんでした。

もう一つは僕は線が細く見えるから(だと思います)。東京勤めといっても全部営業所や支社扱いです。つまり本社で働いたことがありません。マザープラントで働いたこともありません。

本流や本筋なところで育てられたことがありません。

みんな僕をコツコツ育てたがります。たぶん大きな組織の荒波には向かないと察知するのでしょう。マイペースな上に優等生タイプではないなので、減点主義な環境には不向きなのもあるでしょう。

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そして、理由が2つと書きましたが、最近3つ目が加わりました。

それは家族の事情です。妻と共働き、子供が保育園に通い始めなので動かしづらいようです、というか動けませんという宣言をしています。

4月のタイミングで僕を異動させる案もあったような雰囲気でしたが、なくなりました。コロナ禍になる前に決まった話ですが、「あいつを本社の仕事に首を突っ込ませるにしてもリモートで十分だろ」という課長の粋でイマドキな計らいにより免れました。

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飲み会で盛り上げない奴の理論

ところで、僕はコミュ障な営業だったので、飲み会を多く経験してきた割には、ノリとテンションで飲み会を乗り切れないタイプです。なので、自分から席を回ってお酌するとかうまくできません。

そして、ある時に気付いたのですが、自分が杯をもって回るようなことをしなくても、周りが勝手に動いていくので、僕の景色も勝手に変わるのでした。

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だから、転勤も同じことです。周りが勝手に変わっていくので、地政学的には「移動」していないくても、周囲のメンバーを見れば自分自身があたかも「異動」しているような状態になります。

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これはリモートワークをすれば加速することになります。地政学的には全員自宅だとしても、担当エリアや肩書きが変われば、関係する人が変わるということです。

もっと、突き詰めていけば、「担当」という概念がいるのか?ということにすらなります。全ての問い合わせをどこかに集約して、自宅のメンバーに個別に振り分けるようなコールセンター化ができれば、担当という役割分担は必要なくなります。

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東京営業所 機械設備営業部 東東京エリア エリアマネージャー

例えばこんな肩書きは不要なわけです。

「機械設備 営業問い合わせ窓口」だけあれば成り立つわけです。

もう一度考え直したいと思います。本当にこんなことが成り立つでしょうか?

成り立つ人もかなりいます。しかし、そうはいかない人もかなりいます。

例えば工場向けに工程用のロボットを営業しているのであれば、最後にその工場にロボットをインストールするときは、さすがに現地でサポートが必要でしょう。

例えば、北海道の帯広にホテルを建てようとなったなら、最後に本当に建てる職人さんは現地にいないことにはホテルは建たないでしょう。

この現地で作業する人を現場さんと呼ぶことにしたいと思います。対して、リモートワークできる人をリモートさんと呼ぶことにします。

現場さんに価値はないのか?

現場さんはただ作業をするだけの人でしょうか?彼らの飯を食わしているのはリモートさんなのでしょうか?

この対立軸だと争いしか生み出しませんが、本来的には共存関係にあります。

現場さんがインストールする(あるいは建物を建てる)ことと、リモートさんが新しい価値を生み出すことは、どのような関係にあるでしょうか?

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要するに、機能分化です。これまでは地方の営業所勤めだろうと本社で企画をしようとも全部同じ会社員がローテーション転勤しながら担ってきました。

現場さんでもあり、リモートさんでもあり、仕事を両立させてきたのです。

しかし、現在は僕のような人も増えてきたのです。転職してしまう人、得意不得意がある人、家庭の事情。そうなると現場さん/リモートさんのいずれかを選ばざるをえません。

現場さんとして例えば地元に軸足を置く人、リモートさんとして例えば住みたいところで自由を謳歌しながら働く人、そういう時代に向かってはいくと思います。

ただし、さきほどの挿絵には、もう一人いました。そう顧客です。この顧客との関係づくりはどうなるでしょうか?

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現地さん同士で関係を築くことになるのでしょうか?確かにこれだと非常に魅力的です。一度上手くいけば長い期間使ってもらえそうです。しかし、実際はもっと複雑になると思います。以下のイメージです。

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顧客にもリモートさんがいるわけです。ここで以下のような疑問が生じます。

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顧客のリモートさん的立場の人との関係づくりってどうなるのだろうか?ということです。古(いにしえ)よりそこにも営業スタイルがありました。開発営業だとか、本社営業だとか、そういった名前が付いた部隊が、営業していたわけです。

しかし、お互いリモートワークとなった場合、どうなるのでしょうか?

僕はここがぶっちゃけ「インサイドセールスが担う」だけで成立するのかが、まだ判断できない領域です。

飲み会で、僕が瓶ビール片手に席を回る必要がなかったのは、別の人が回ってきてくれたからです。その彼らが「自分たちも回れない」となったなら、そこに接点は生まれないように思います。

オンライン飲み会がその代替になったか?

確かになったでしょう。しかしその前提は、リアルで会っていて関係があるからです。そういう前提でオンライン飲み会の多くは成立しているように思います。

なので、オンライン合コンが可能になったとき、人は転勤しない時代になる、

これが現在の私の考えです。

あるいはオンラインでナンパ・・・ちょっとまだ先なのかもしれません。

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