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営業の売上管理法(4)目標ぴったりに着地

本日は、毎月の売上金額の組み立て方の第四弾です。

前回の記事はこちら。

前回は、組み立て方3用そのうちの「バックアップがない→バックアップの作り方」を説明しました。今回は、最後の要素である「予定オーバーを止めない→予定比100%ジャストでの着地方法」についてやります。

■予定オーバーを止めない→予定比100%ジャストでの着地方法

最初の話でお伝えした通り、100%ジャストが望ましいです。これは、99%は恥であり、105%以上はもったいないと言う話です。

計画が振れるのはよくある話です。景気後退したり、競合が現れたり、思ったほど人気が出なかったり、要素は無数にあります。だから計画自体が下方修正されることはあり得ます。

しかし、下方修正された計画に対しても、計画比99%の実績で終わる人が世の中には平然とたくさんいますし、それをあまり気にしていない上司や経営者もいます。

これはゆっくりとした営業力の後退を招くので絶対にやめたほうがいいです。上司も担当も99%になるくらいなら50%のほうがマシと思うくらいが大事です。

前置きはさておき、どうすれば100%に近い数字に持っていけるでしょうか?

これは納期調整力の一言に尽きます。

有料ですが、よかったら読んでみてください。なお、本記事では、これを読んでなくてもわかるようすすめますのでご安心を。

納期調整力のベースには、納期のパラメーターを把握する力が必要です。特に売上金額を把握する場合には、納期にまつわるパラメーターをもとに、上司、顧客、工場との連携や相談が必要となります。具体的な要素はこんなイメージです。

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ついてこれますでしょうか?

そんなに難しくないです。

白い行に数字を入れていきます。「生産数」は顧客から教えてもらう部分、「当社納入数」は自分たちでいれる部分、「当社生産数」は工場で入れてもらいます。

色のついた行には関数が入ってます。

生産後の客先在庫=「前日の客先在庫」+「当社納入数」-「当日の生産数」
要するに、お客様の手元にある残数です。

客先在庫の残キャパ=200-「生産後の客先在庫」
あと何台お客様の倉庫に納入できるか、という数字です。

当社在庫=「前日の当社在庫」+「当社生産数」ー「当社納入数」
そのままです。昨日の残りと今日の作った分、そこから出荷した数をひけば、その日の工場の倉庫にある残数となります。

残数合計=「客先在庫」+「当社納入数」+「当社在庫」+「当社生産数」
顧客と当社での未使用数の合計です。

こういう表をつくって、上司、顧客、工場と相談して数字を作っていきます。まずは生産数を把握することですね。今回の場合だと大体毎日100台くらいの生産数ですね。なので、当社からの納入数も100台としています。そして、生産側も予備をみながら生産しているので、毎日105台ほど生産してくれる予定です。

なぜ、客先在庫のキャパ(緑色)を見ているかわかりますか?これが目標に対して実績を100%に調整する時に効いてきます。

例えば、5日目に100台の納入を予定していますが、あと50台納入すれば目標に対してぴったり100%になるとしましょう。このとき、50台を納入することは可能でしょうか?

これを見るには、次の2つのチェックが必要です。

1つは当社在庫数と当社生産数です。納入したい弾がないと入れようがないですね。今回の場合、潤沢に当社の在庫があるので問題ないです。

もう一つが客先在庫のキャパです。もしここがパンパンだと納入してしまうとご迷惑をかけてしまいます。一方で、余裕があるのなら多少多めに入れても問題ないかもしれません。

今回の場合、ちょうど50台の余力があるので、お客様にきちんとご相談すれば、多めに入れても許してもらえるかもしれません。

こうした相談を行うには、現在の様々なパラーメーターを知っておかないと進めようがないことがわかりましたでしょうか?

こうした生産や納期に関わるパラメーターを知っておけば、細かい調整が可能です。何なら1台増やす、1台減らすという単位で調整できる余地があります。これが目標に対してぴったり100%に合わせためのカラクリでした。

逆にこういう調整余地があるのに目標比99%とかありえないのも、理解できるかと思います。「99%はあきらかに営業努力が足りていない、こいつはできない奴」というのがデキる営業からすれば暗黙の理解となります。

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ちょっと複雑な要素もあったかもしれませんが、これにて売上金額の組み立て方は以上です。参考になりましたかね?難しい部分があったら言ってください。

ということで、また。

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