見出し画像

傷と治癒 -堀江栞[かさぶたは,時おり剥がれる]@Root K Contemporary

 12月のある夕刻、√K Contemporary(Root K Contemporary)

 堀江栞「かさぶたは、時おり剥がれる」 へ。

 このフライヤーがとても気になってしまって、ここに呼ばれた。



顔、顔、顔……

 会場に入ってみれば、

 そこは、描かれた「顔」に満ち溢れた世界。

 (想像だけど)、実際に筆を執るまでに時間を要し、筆を手にしたなら、迷いなくさっと描いたようにみえるこれらの「顔」。

 それぞれは、シンプルゆえに観る者の想像力を吸収し、思わず見入ってしまうほどのエネルギーを放っていた。

 展示は2階にも。

作風の変化

 ところで、作家のすでに刊行されている画集は、

 単行本の装丁にも使われた、このような作風で、
 
 同じ(と思える)タッチの作品は、展示されていたが、わずか。


描けなくなったあとに

 作家による、ステートメントがあった。

「濁りを洗い流すような水彩絵具の軽やかさ」。

 とにかく、圧倒的な数の、人の顔。シンプルなのに話し出しそうなリアル感。そして、訪ねた時間にはあまり人がいなかったのにもかかわらず、作品たちが人の気配を放つような、ふしぎな空間。

 1年半ぶりに筆をとることができた作家が、無心に筆を動かし、作品が次々と生み出されていくさまを、思い浮かべながら。





この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?