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森美術館20周年記念展 ワールド・クラスルーム:⑤ [社会]03
すでに4回足を運んだ、「森美術館開館20周年記念展 ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会」。今回も【社会】の続きから。
パーク・マッカーサー
まず「?」という感じで、じっと眺める。
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ビニール、アルミニウム 90×45 cm(各、5点組)
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木材、ペイント、金属91.4×71.1×12 . 7 cm
説明を読むと、なるほどこれは、空間を超えた関係を表しているのか、ということに気が付く。こうした、もの派っぽい作品は、どの段階で類推することをギブアップして解説を読むか、の見極めどきが難しい。
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ルーク・チン(程展緯)
壁に掛けられたモニターには、防犯カメラとおぼしき画像が再生されている。
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ビデオ・インスタレーション 1分40秒
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移動する作家らしい人物と、画面に時折映り込む蜘蛛が気になる。激しい雨が気になるが、特に大きな事件が起きるわけではなく、画像はただループする。それが少し不気味でもある。
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青山 悟
照明をかなり落とした空間に、裏表となる形で合計6枚の作品が展示。これらは工業用ミシンによる刺繡だ。
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メタリック糸と黒糸の刺繍、ポリエステル 26.9×30 . 8 cm(各、2点組)
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手間暇がかかる刺繍で、作家はなぜか報道写真をモチーフにしている。産業?がテーマ? 解説を読んで、合点がいく。
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田村友一郎
「見えざる手」と書かれた暖簾をくぐる。
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3チャンネル・ビデオ、サウンド、インクジェッ トプリント、磁器製カシラ、暖簾 21分49秒
見えざる手といえばアダム・スミス。こちらも経済系かな?と思いつつ薄暗い空間に入ると、正面には3分割された画面に映像が投影され、壁には次のような写真と、人形の首(一人は、日本の政治家・竹下登)が展示されている。
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1985年、プラザ合意。その会場となったニューヨークのプラザホテルの豪奢な部屋が舞台だ。ここでの先進五カ国の蔵相の合意が、日本のバブル経済と、その崩壊後の「失われた30年」の原因の一つとされる。
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蔵相は、常滑の瀬戸物で表現されている。プラザ合意による急速な円高で、日本の製造業は大打撃を受けたが、その象徴とされているようだ。
因みに、竹下蔵相は日本のマスコミを巻くためにゴルフウェアで成田から発った。それを揶揄してか、その服装はゴルフウェアとなっている。
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動画の後半は、黒装束の「幽霊」3体が登場する。向かって右からアダム・スミス、ケインズ、マルクス。
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それぞれが、プラザ合意と日本の「失われた30年」について、いかにも言いそうなことを言うのが胆だ。かなりゆっくりな英語なので、聞き取りやすい。話し方も、それぞれの学者の個性をデフォルメしているように感じられる。
アダム・スミスが、市場に任せておけば「見えざる手」で市場は正常に戻るといえば、ケインズは、18世紀とは違うのです、そもそもそれで失敗したからニュー・ディール政策が登場したのです、と言う。ただ、時の政治家たちが私の一般理論の使い方を間違ったのだ、と弁明することも忘れない。
そこにマルクスが入って、そもそも資本主義がいかんのだ、的な主張をはじめる。
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話には一応、オチが付きはするので、鑑賞者は置き去りにはされない。ただ、これはアートなのか?ということも含め、モヤモヤ感が残る。
どこかですでに聞いた「知ってる」話が幽霊のようによみがえる、でもそれはどうしようもないんだけど・・・そしてこれからも? と考えてしまうことが、作家の術中に嵌っている、というところなのだろうか。
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ジャカルタ・ウェイステッド・ アーティスト
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看板37枚、ビデオ2点 サイズ可変、ビデオ:4分57秒、5分40秒
お店の看板新調します、というジャカルタのアーティストたちの活動。
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一癖ある作品たちが続いたので、このストレートさにほっとしてしまう。
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次は【算数】を。
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