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【瀬戸芸2022 秋】島だけではない瀬戸芸 -四国村と屋島

 瀬戸芸は島だけではない。ある晴天の日、「今日は山の日にしてみよう」と思った。目指すは四国村と屋島山上だ。

琴電屋島駅から四国村へ


 拠点の「屋島駅」に行こうと、Googleで時刻を調べ、高松駅へ。

笑顔で迎えてくれるJR高松駅

 「2番線」ということをネットで確認し、かなり早く着いたのでkindle本を読んでいると・・・ん? すでに目的地に到着している時刻になっていた。

1番線の奥に、まさかの2番線

 はっと見ると、1番線の向かいは、なぜか「3番線」ではないか。では2番線はというと、1番線のはるか奥にあった・・・「旅、あるある」だ。

 当然、電車は出ており、次の発車まで2時間以上。JRはあきらめて、私鉄の琴電へと急いだ。

琴電 高松築港駅

 乗り換えを経て、琴電屋島駅へ。レトロでかわいらしい駅舎だ。

 四国村へは、徒歩7~8分だという。シンプルなはずの道をなぜか間違えて、その2倍以上歩くことになった。

なだらかな上り坂が続く
屋島スカイウェイ沿い。道はそのまま屋島山頂へ

■四国村ミウゼアム エントランス「おやねさん」[建築]川添善行

  四国村のエントランスが、本日の一作目。

瀬戸芸デジパス提示で、入場料が割引に

屋島の麓に新たなランドマークが登場
うねるような屋根が特徴的な建物。愛称は「おやねさん」。 四国村創設者の加藤達雄が茅葺き屋根の美しさに魅せられ、近代化により失われつつあった古民家の移築保存を始めたことにちなむ。チケットセンターやミュージアムショップのほか、四国村開設にかかわった人々を紹介する展示も。

瀬戸内国際芸術祭2022 作品 より
四国村ミウゼアム エントランス「おやねさん」[建築]川添善行

■装う神さま 本山ひろ子

 入場料を払って説明を受け、順路を進んでいく。

石畳を上がっていく

  かわいらしい祠が見えてくる。

装う神さま 本山ひろ子

ひっそりと佇む神さまを探してみて
人が暮らし、営みを繰り返すと、「もののけ」が動物の姿を借りてその場にとどまり、往来の人を見守る。家と家を結ぶもの、契りの存在、みちしるべとして、讃岐の石と鋳造で作られた生き物が四国村に点在。

瀬戸内国際芸術祭2022 作品 より

「四国村とは?」言葉を省き映像で説明

 公式サイトによる、四国村の説明は、下記。

四国村は香川県の屋島山麓の広大な敷地に広がっています。村の核になっているのが四国四県から33棟の建物を移築復元した野外博物館・四国村ミウゼアムです。移築されているのは、江戸時代から大正時代に建てられた 住宅や作業小屋、寄合い所、芝居小屋、米倉、醤油醸造所などで、いずれも実際に人が住み、使ってきたものです。(後略)

四国村とは より

 予備知識を持たず、散策だけでも楽しそうだが、その楽しみを削がずに、映像による説明が鑑賞できる場所が設けられていて、うまいな、と思った。「Viewing Room」には、人が入ると自動で四国村の紹介映像が流れ、ドローン映像ほかで村全体がスピーディに紹介されていた。

Viewing Room
人々の暮らしの気配が感じられた

■Suitcase in a Bottle ラム・カツィール

 さて、アート作品に戻り、実はこの作品を観るためにやって来た。藁ぶきの家屋。中に、なにか光るものが見えるだろうか。

 中は、こんな感じだ。

Suitcase in a Bottle ラム・カツィール

スーツケースやボトルをモチーフに表す、漂流する人々の心情
イスラエル出身の作家は移民と絶滅をテーマに制作している。定住が当たり前ではなくなった昨今、旅行や移動、家とはどのような意味を持つのだろうか。本作では旅をイメージさせるスーツケースや水面に漂うボトルをモチーフに、未来への疑問を鑑賞者に投げかける。

瀬戸内国際芸術祭2022 作品 より

 ガラス瓶に入ったスーツケース、であるなら海に置かれていても素敵だけれど、「家」であることが必要なんだ、ということが腑に落ちてくる。

バスで屋島山頂へ

 散策のあと、四国村から、バスで屋島山頂へと向かった。

 山頂から少し歩き、最後の作品へ。

■高松市屋島山上交流拠点施設(愛称:やしまーる) 周防 貴之

高松市屋島山上交流拠点施設(愛称:やしまーる) 周防 貴之

≪夏公開≫
この夏、屋島山上に誕生する注目の新施設!
敷地の形に沿った通路のような建築には、展示スペース、集会スペース、休憩スペースなどの機能があり、蛇行する建物形状によって作られた大小6つの広場と一体的な空間となす。立体的に広がる空間を回遊していくと、周辺に広がるさまざまな風景が各広場で行われる活動の様子をうかがうことができる。まるで敷地全体が建築化されたような空間だ。

瀬戸内国際芸術祭2022 作品 より

 この流線形が、観て美しく、歩くと楽しい。

 すぐ横は展望台だ。

 こんな眺めが広がっていた。

画面中央、奥に見える高層の建物付近が、高松港だろう

■山から望むのは、やはり海

 山を訪れて、眺めるのはやはり海の風景。高いところからの眺めを堪能したあとは、やはり海に戻っていこう、と思った。


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