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都会の[よるべ(寄る辺)] -園田 源二郎 @Brillia Art Award大賞展

 某日、京橋。

 ふと、この看板が気になって、

 中に入ってみた。


東京建物京橋ビル1階の「BAG-Brillia Art Gallery-(バッグ ブリリア アート ギャラリー、以下「BAG」)」および東京建物八重洲ビル1階のBrillia Lounge「THE GALLERY」の2カ所で企画展「Brillia Art Award大賞展」を開催します。
本展では、東京建物が2018年から毎年開催してきた公募展「Brillia Art Award」において大賞を受賞したアーティストの作品を展示し、Brillia Art Awardの歴史を紹介します。また、本展で展示する一部の作品や関連商品をBAGで販売します。

同上

 2カ所のギャラリーが並んでいて、向かって左のほうでは歴代受賞アーティストのプロフィールや小作品、隣ではインスタレーション的に作品が並んでいて、それぞれのアーティストの世界を創っていた。

「ヨウコソ、ヨウコソ」

 そのなかで、一番奥のインスタレーション、

 手描きのふしぎな案内に誘われて進むと、その作品はあった。

 全体はこんな感じだ。


「クルモノコバマズ」

 遠目には、何となく子どもの落書き風な印象を与えながら、近づけば、デッサンと作品の美しさに目を奪われる。

 中央の椅子に、目が行った。

 近づくと、


「まあ、おかけ」

 メッセージがあった。これは完全に、宮沢賢治ワールドだ。

 ギャラリー内の来訪者はわたしひとりだったから、遠慮なく、かけてみた。

「たましいのよりどころ」

 鉛筆でしっかりと記されている手描きのメッセージが、ぐっと心に入り込んでくる。

「よるべ
たよりにしているすべて
たましいのよりどころ」

 そもそもが不意打ちだ。わたしは銀座から京橋方面に歩いていた。都内でも有数の繁華街、人工物の世界だ。木のインスタレーションに不意を突かれ、さらには言葉で、射貫かれてしまった。

 なんて心地いいのだろう。


俳人であり絵描き

 作家はどんな人なのかといえば、

 俳人であり絵描き、が肩書で、「空間を使った一冊の本(句集)」というコンセプトで受賞している。

Q:作品に込めた想いを教えてください。
A:通りすがりにふと作品を見てくださる方の、まなざしの宿り木のような作品になればと思います。草木、虫や獣、人間、いろんな生きものが生きています。わたしたちが生きているのは、元来とてもゆたかで広々とした世界だということを現したいと思いました。何かの気配や息づかいを感じてもらえるように仕上げました。

同上


都会の「よるべ」で

 次のだれかが入ってくるまで、その場に居ようと思った。

 ふと迷い込んだ、都会の「よるべ」で。



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