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「日本語学習支援ネットワーク会議2021in青森」に参加してみて。

今月は毎週末日本語教育関係のオンラインセミナーに参加する予定です。

その1つ目のオンラインセミナーというかオンライン公開講座ですね、

「日本語学習支援ネットワーク会議2021in青森」に参加しました。

毎年、東北各県持ち回りで開催されており、昨年は開催延期となり「2021in青森」になったそうです。

今年度のテーマは

1、地域の日本語教育人材の育成

2,「外国につながる子ども」の教育支援

3,外国人と医療の3つ

でした。

私は今回初めて参加しました。

参加してみた感想を少しまとめてみます。

地域の日本語教育について

まず、午前中に「1、地域の日本語教育人材の育成」について基調パネルディスカッションが行われました。

地域の日本語教育に関する様々な取り組みや、課題について話を聞くことができました。

そこで感じたのは、地域日本語教育についての問題意識についてです。

今まで地域日本語教育っていうのはなんとなく文字から意味はわかっていました。

地域で行われている日本語教育。そのままですね。

でも、地域日本語教育が3タイプあるということは知りませんでした。

A:「生活者としての外国人」を対象とした日本語教育                         教師、カリキュラム、ゴールが設定された教育・学習活動                B:地域の受入市民が外国人に日本語を教える自主的活動                  学習支援者(ボランティア)と学習者との日本語学習活動       C:地域の受入市民と外国人との日本語活動                         市民(ボランティア)と外国人との日本語による地域交流活動

以上3タイプに分けられるということでした。

そして、それぞれに求められる地域日本語教育人材は・・・

A:必要な日本語を体系的・効果的に教育し、一定のレベルに導く。                 B:活動内容は多様。外国人のニーズや能力に寄り添い日本語学習を支援する。                                             C:生活情報提供、文化体験、相談などを通じ、外国人と地域がつながる窓口となる。

この中のAが東北の大部分で不足しているということです。

地域日本語教育についてこのような詳しいことはこのセミナーに参加していなければ知らないままだったかもしれません。

今日、知ることができてよかったです。

興味が全くないわけではないですが、今住んでいる場所にいるだけでは今回のセミナーで話が出た課題などについて考える機会はあまりありません。

自分の周りでそういう問題が起こっているっていう実感がないし、自分ゴトとしてとらえられないようなかんじです。(すみません・・・。)

だからこそ、現職の日本語教師や日本語教育に関わる人はもちろんですが、そうじゃない人たちも地域日本語教育の課題について考えることが地域日本語教育の課題解決につながっていくのかな、と思いました。

知ることから始めよう、みたいなかんじですね。(どこかで聞いたことがあるフレーズ・・・)

課題の一つとして、地方には日本語を教える人が少ないという課題があります。

日本語教師の人は外国人がいる場所で働き口や活動の場を探す人が多いと思いますが、地方にも日本語教育を求めている外国人もいます。

特に東北は面積が広く外国人が散在していて、技能実習生が多いのが特徴です。

少ないからやらなくていいや、ではなく日本に住んでいる外国人全員に言語教育とはいかなくても言語支援をしなければならないと思います。

仕事でもボランティアでもどちらでも良いと思うんですけど、私たちが求められているのは外国人が多く住んでいる場所だけではありません。

実は私も夫の出身地にいずれ戻ります。本日の開催地です。

正直、働く場所ないし・・・って最初は思っていたんですが、今はオンラインで日本語教師もできるし、今回の話を聞いて将来的には地域の日本語教育に貢献したいなと思いました。

医療の現場での日本語支援

午後は分科会でした。

私は「3,外国人と医療の3つ」の分科会を選びました。

子どもの日本語教育についても聞いてみたかったのですが、今回はこちらを選びました。

ここでは青森県の現状を発表者の方が伝えたり、話題提供する時間でした。

外国人と医療の話を聞いて、私が留学生の病院に連れて行った時のことを思い出しながら聞いていました。


さて、ここで一番印象的だったのは

「生活者への言語保障、情報保障」という言葉です。

当たり前ですが、外国人が日本の病院に行ったり、救急車を呼んだりすることはかなり難しいことです。

発表者の中に日常会話は問題のない留学生の方も参加していたのですが、その方でさえ救急車を呼んだり、症状を伝えたりするのは難しいと言っていました。

日本人でも救急車呼ぶの緊張します。

日常会話と医療会話は別物なんだなあと思いました。

症状を伝えるのは日本語ではオノマトペをよく使いますが、それは外国人にはよくわかりません。

外国人は「痛さの表現の不安」があるそうです。

だから、伝えるのが難しいのかもしれないし、医療関係者もオノマトペを使って症状を言えない外国人の言いたいことが理解できない。

そういう負の連鎖が起こっているのかもしれませんね。

だれでも病院に行って正しい情報を得られる環境づくりを進めていかないといけないと思いました。

それが多文化共生につながっていくと思います。

そして、日本語教師としてこういう環境づくりや生活者としての外国人の言語サポートにも携わっていきたいとも思いました。

最後に

今回のセミナーに参加して本当に良かったと思います。

これまで参加してきたセミナーは出版社主催の教材関係のセミナーがほとんどだったので、今回のような社会的問題について考えるセミナーは新鮮でした。

日本語教師の働き方を見直すきっかけにもなった気がします。

来年度のセミナーも参加したいです。







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