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21.03.20 お金2.0を読んで

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方  佐藤航陽  幻冬舎』

知らなかったことがたくさん書かれていて、とても勉強になりましたので、その中でも重要な箇所、私が新しく知った箇所をメモのように取り上げて書きます。本にはそのことの例や、内容がより具体的に書かれており、落とし込みやすくわかりやすいです。「お金をツールとして深く理解し、新しい経済をうまく使い自分のやりたいことを実現できるようになることを願ってます。」

◇過去、現在、未来は、『お金』『感情』『テクノロジー』の3つのベクトルが併存し相互に影響を及ぼしている

お金は価値という漠然としたモノをうまくやり取りするためにできたモノで、価値の保存・尺度・交換の役割があると言われている。現在における資本主義では、国家が管理する中央銀行がお金を刷って国の経済をコントロールしている。

その経済圏と異なる経済圏のブロックチェーンは、中央の管理者不在のP2Pネットワークでできている。これは現在の資本主義経済とは全く異なるシステムである。


◇現代社会の欲望3つ ①本能的欲求 ②金銭的欲求 ③承認欲求


◇動的なネットワークの特徴

①極端な偏り 多くの人が使うモノを信頼して使う。人気者が人気者になる。上位1%の富裕層が世界全体の富の48%を所有している。

②不安定性と不確実性 些細な出来事がネットワーク全体に影響を与えて常に全体が不安定で不確実な状態となる

経済は読み解く対象から造り上げる対象に変化しつつある。社会における多くの非効率性や不幸を最少にするためには、物事をうまく回すための普遍的な構造を理解し、何かを新しく創る人たちが知れを使いこなせるようになる事が近道。そのために、生のデータに触れて、日生活で使える「活きたノウハウ」にまで落とし込む必要がある。


◇持続的かつ自動的に発展していくような経済システムの要素

①インセンティブ(報酬が明確) ②リアルタイム(時間によって変化する) ③不確実性(運と実力の両方の要素がある) ④ヒエラルキー(秩序の可視化)成績や数字 ⑤コミュニケーション(参加者同士のコミュニケーションの場がある)

しかし、すべてのものに寿命がある。時間が経つほど特定の人に利益が集中し、淀みが生じる。また人間には「飽き」があるため、不満がなかったとしても新しい環境を望む。そのため最初から完璧なシステムを目指そうとせず、寿命が存在することを前提として、寿命がきたら別のシステムに参加者が移っていけるような選択肢を用意しておくことが大事。

 【共同幻想】参加者が同じ思想や価値観を共有していると寿命は長くなる。不具合があったとしても、その会社の思想や理念に共感していたら、多少の失敗は許容してくれる。高品質、希少性、ファン層の形成、口コミでそのものの需要を維持することが可能である。

⇨これらを満たした商品や、ビジネスは続きやすく、ファンがつきやすい


◇有機的なシステムの3要素

①自発的な秩序の形成 ②エネルギー循環構造 ③情報による秩序の強化

一見異なるものに存在する普遍性や共通するパターンを見つけられると未知の事態にも臨機応変に対応できるようになる。

テクノロジーを点ではなく線としてみる。現在の社会システムがどんな課題を解決するために作られたモノなのかの「原理」を正しく理解し、最新のテクノロジーはそこにどのような変化をもたらすのかを一つの「現象」として理解する。

⇨すべてのものがこの要素で成り立っていると考えると、分野に分けて区別して見る必要がなくなる


◇分散化する社会

中央に人がいない、仲介をせず人と人とをつなぐビジネス (uber やシェアリングエコノミーサービスなど)

トークンエコノミー:特定のネットワーク内で流通する独自の通貨をトークンとして生産者が発行して作る独自の経済圏(ポイントなど)


◇消費経済と資産経済

世の中に流通しているお金の90%は資産経済で生まれている。

お金からお金を生むことが中心となっていくと、資産調達が容易であるため、相対的にお金の価値そのものが下がり続けている。逆に、増やすことが難しい、信頼、時間、個性のようなものの価値が相対的に上がっている。

お金が価値を媒体する唯一の手段であったが、その独占は今終わりつつあり、価値を保存、交換、測定する手段は私たちがいつも使っているお金である必要はなくなっている。価値を最大化しておけば、色々な方法で、好きなタイミングで他の価値と交換できるようになる。


◇データの価値

FacebookやGoogleはお金にしていないというだけで情報という価値を持っている


◇価値主義

①有用性としての価値「役に立つか?」「対価がもらえるか?」

②内面的な価値 『愛情・共感・興奮・好意・信頼・注目』など実生活に役に立つわけではないけど、その個人の内面にとってポジティブな効果を及ぼす時に価値がある。数字のデータとして認識できれば、それらは比較することができ、それをトークン化することで内面的な価値を軸とした独自の経済を作ることもできる。

③社会的な価値 個人ではなく社会全体の持続性を高めるような活動 NPO など


◇マネーキャピタルとソーシャルキャピタル

マネーキャピタル:日々扱っているお金。不動産。株

ソーシャルキャピタル:社会全体にとって価値のある資本

ソーシャルキャピタルは個々が繋がってできている社会が持続的に良い方向に発展していくために必要な社会的ネットワークを資産として捉える考え方。既存の経済ではマネーキャピタルを増やすことがうまい人(経営者・投資家)が大きな力を持っていましたが、これからはソーシャルキャピタルを増やすのに長けた人も大きな力を持つようになる。


◇経済が混雑する世界で各々が自分に合った経済を選ぶ。色々なところに自分の経済圏を持っておけば、一つの場所でダメだったとしても、生きていける。


◇人生の意義を持つことが価値になる。

誰もが自分の人生の意義や目標を持てることは当然として、それを他人に与えられる存在そのものの価値がどんどん上がっていく。

金銭的なリターンを第一に考える人ほど儲からなくなり、何かに熱中している人ほど結果的に利益を得られるようになる。他人に伝えられるほど、熱量を持って取り組めることを探すことが近道。内面的な価値では、オリジナリティ、独自性や個性が最も重要だから。その人でなければいけない、その人だからこそできる、といった独自性がそのまま価値につながりやすい。その結果、自分なりのスタイルや個性を追求して行った人には熱狂的なファンがつく。

熱中できることを探すには、1日中やっていても苦にならないことを探す。もしくは他人から異常に詳しいと言われたり、なんでそんなことをそんなに気にするのと言われたことがあることに情熱のヒントがある。


◇個人の価値

①スキル・経験のような実用性としての価値

②共感・好意のような内面としての価値

③信頼・人脈のようなつながりとしての社会的な価値

そして枠組みの中での競争ではなく、自分なりの独自の枠組みを作る競争となる。


♡胸に残った言葉集

・新しいものが出てきた時にそれに類似した業界の知識があると、その知識に当てはめて見てしまう傾向があり、理解に苦しむ可能性がある。(=私たちの脳は一度常識が出来上がってしまうとその枠組みの中で物事を考えたり判断するようになってしまい、新しく誕生した技術などをバイアスなしに見ることが難しくなってしまう。)

・実務の中で再現できていないことは本当に理解したとは言えない。成果につなげることで初めて生きたノウハウになる。

・色々なものに感動したり悲しんだりできるのは世界に直に触れているからであり、精神的にサビが溜まっていくと麻痺して何をみても何も感じられなくなってしまう。


感想 お金の価値、考え方を変えてくれる、教えてくれる本。内容を落とし込んでいけばビジネスも可能で、発想も生んでくれると思いました。そして現状を理解し今後どうなっていくかを予想する、予想した上で自分がどのように生きていくかを決めることが大事だと感じ、より色々な本を読みたくなりました。知らなかった仮想通貨の世界を少し知ることができて、心に残った言葉集にも書いたように、頭が固いと新しいものを受け入れ難くなってしまうので、素直に柔軟に情報を取り入れて見ようと思いました。内容もわかりやすく、とても読みやすい本だったので、まだ、お金や価値について、自分の考えがない人に一番最初にぜひ読んで欲しい本です。

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