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特に有名でもない私の、誰も興味ないであろう「今年買ってよかったもの」を晒していく

それでも読んでくれた人には感謝しかない。
というわけで年末恒例の今年買ってよかったもの紹介です。読書が好きなので本を中心にまとめつつ、映画やその他コンテンツなどの紹介もしていきます。

繁栄 おすすめ度:★★★★☆

まずは本の紹介から。
人類は分業と交換の歴史をまとめた本。
例えば、魚が欲しければ釣竿を作って魚を釣らなければなりませんが、それを1人ではなく、釣り竿作りと実際に釣る作業を2人で分担したとします。すると、各々が魚釣りと釣竿作りに集中できますが、こうすることで魚釣りと釣竿作りのスキルが向上し、より効率的に行えるようになります。そうして得られた魚と釣り竿を交換したことで市場が形成され、経済が回ることで人類は発展してきましたというのが大まかな内容です。
所々、疑問が湧く点もありましたが、人類史という膨大な時の流れを、分業と交換という単一のアイデアで説明する普遍性に大きなロマンを感じた本でした。

英語独習法 おすすめ度:★★★★★

多くの日本人が英語を勉強していて思うのは、英文法は理解したけど、実際に使うのが難しいということではないでしょうか。
たとえば、I eat chickenやI eat a chickenの違いがわからないといった可算名詞と不可算名詞の区別や、seeとwatchとlookのニュアンスの違いなど、英語圏の人が感覚的に行ってることを、日本人からすると、いまいち理解できなかったりすることは多いと思います。
この本はそういった人に認知心理学の観点から見た効率的な英語学習法を教えてくれる本です。その具体的な方法は、ここでは割愛させていただきますが、そのやり方は私にとっては目から鱗が落ちるようでした。実際に私は英語の歌詞で音楽を作ってるのですが、以前よりもスマートに書けてる実感があります。
一般的な勉強法(文法書を読む、問題を解く、多読、シャドーウィングなど)をやってるけど、いまいち効果が実感できないなーと行き詰まってる人にぜひ読んでいただきたいです。


科学的な適職 おすすめ度:★★★★☆

皆さんは今の仕事に満足していますか?仕事や会社に不満を抱いてる人は多いと思いますが(私もそんな1人です)、この本はそのような人たちに自分に合った仕事の選び方を教えてくれます。

人が仕事を選ぶ基準はなんでしょうか。ある人は給料の多さで決めたり、ある人はこれから伸びる業界を選んだり、また、ある人は好きなことを仕事にすると言うかもしれません。
しかし、今あげた選考基準の全てが科学的には誤っていると言われています。なので、そうした人が陥りがちな落とし穴を予習しておくことで失敗を避け、より満足できる仕事選びをしようというのが本書の大筋です。

例えば、この本で重要視されているのは「自由」です。ここでいう自由とは、仕事の裁量やスケジュールを自分で設定できたり、職場で自由に発言できたりといったことを指します。
この自由がどれくらい大切かというと、タバコを吸った場合と会社の自由が少ない場合では、後者の方が慢性病にかかる確率も高くなるというリサーチがあるくらいです。
確かに自分のキャパを超えた仕事を周りから押し付けられたり、良いアイデアを持っているのに頭の硬い上司のせいで全然相手にされないなんてことはありがちですよね。

このような職場選びのエッセンスが詰まった本ですので、転職活動中で何を基準に会社選びをして良いか分からない人や、今の職場にこのままいて良いのか確信が持てない人などにはドンピシャの内容かと思います。

グレートギャッツビー おすすめ度:★★★☆☆

ニューヨーク郊外で繰り広げられる豪華絢爛な人間模様を描いたアメリカ文学の名作。
証券会社に勤める主人公ニック・キャラウェイは、大富豪ギャッツビーと知り合います。このギャッツビーは毎週末になるとパーティーを開くような人物なのですが、そんな彼の周りには彼にあやかろうとする人が沢山おり、最後の場面ではその虚栄に満ちた世界になんだかなあ...と諦観せずには入られませんでした。
有閑階級の華々しさと人生の儚さを織り交ざって、絶妙な陰影がとても美しいと思える作品でした。

ストレスを力に変える教科書&ネガティブな感情が成功を呼ぶ おすすめ度:★★★★★

ストレスは体に毒...は嘘だったら、どう思いますか?
仕事や人間関係など、私たちの日常はストレスに満ち溢れています。そして、そのストレスをできるだけ避けて、快適な暮らしをしたいとも思っています。
しかし、そのストレスが本当は役に立つものだとしたら?というのが、「ストレスを力に変える教科書」のテーマです。
この本では、一貫してストレスのメリットが挙げられます。例を挙げると、大事な試験の前では不安を感じることがしばしばですが、こうしたストレスはテストの結果を悪くするどころか、むしろ良くなることがわかっています。プレッシャーの中では平常心を保つよりも緊張感があった方がパフォーマンスは高くなるみたいです。
実際、生きていればストレスは避けられないですし、逆に避けようとすると、例えば会社での嫌なことを忘れるために過度な飲酒に走るといったようにあまり良い結果を産まないでしょう。だったら、上司に問題があるなら思い切って言うとか、仕事が追いつかないなら周りにサポートを求めるとか、別の会社に転職するとか、ストレスを成長するきっかけにしたほうが生産的でしょう。(まあ、それが難しいのですが)。

また、「ネガティブな感情が成功を呼ぶ」は、それと補完する内容で、ストレスと同じで、怒りや悲しみ、不安といったネガティブ感情は避けるのではなく、メリットを活かしたほうが良いことを謳っています。
例えば、理不尽な扱いに立ち向かうなら怒りがあったほうがいいですし、自分に自信がない人の方が努力したりとかですね。
私は根っからのネガティヴ人間なのですが、そんな自分の性格にもメリットがあるのだと思えたことで、いくらか前向きになれたので、同じような考えを持ってる方におすすめです。

世界の経営学者はいま何を考えているのか&ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学 おすすめ度:★★★☆☆

よくビジネス書に書いてある、これからの不確実な時代では、こう働け!みたいな売り文句はどこまで信じていいんでしょうか?
経営学とは、そんな売り文句を疑い、統計的な手法で本当に効果のある経営手法を研究しようという学問で、この本は、その経営学をサラッとわかりやすくまとめた入門者向けの本になります。
しかし、内容はとてもためになるものばかりで、会社を経営してるけど、いまいち伸び悩んでる人とか、今の会社のやり方で大丈夫?と疑問に思う人なんかにオススメだと思います。
以前この本の内容の一部を以前まとめたので、ご興味ある方はどうぞ。

大学の統計学 おすすめ度:★★★★★

論文を読むのとデータサイエンスの理解を深めるのに統計学が必要だったので購入。統計学の本は"The大学の教科書"といった感じのお堅い本か、逆にわかりやすさを売りにしているけど、その実わかった気になるだけの説明の浅い本しかなくて何か丁度いいものはないかと悩んでいました。
そこで色々探したところ、白羽の矢が立ったのがこちらの本です。この本は「大人のための数学教室 和」で講師を務めている著者によって書かれていて、社会人になって数学を学び始めたい私のような人には、うってつけの本でした(回し者じゃないよ)。
説明もしっかりとされていて、かつ分かりやすい。質と量が担保された良い本だと思います。

消費資本主義 おすすめ度:★★★★★

人はなぜ無駄な物を買ってしまうと思いますか?この本はそんな質問に答えてくれます。
ラグジュアリーブランドや高級車など、別になくてもよいものに人は高い金額を支払います。服や車ならもっと安く変えるのに、なぜ高級である必要があるのか。その答えは人間の進化にあります。
私たち人間も含め、生き物というのはより多く、そして確実に自分の遺伝子を残そうとします。では、どうしたら遺伝子を残しやすくなるのか。それは、自分が良い遺伝子を持っていることを証明することです。ここでいう良い遺伝子とは筋骨隆々な体や高い問題解決能力、人柄の良さなど、その個体が生存して繁栄するために必要な能力を持っていることです。

こうした自分の遺伝子の優位性を示したがることを、この本では"見せびらかし"と称していますが、この見せびらかす人の本能こそが消費社会を発達させたといいます。
先ほど述べた必要のない高級品などは最たる例で、手ごろに変える車と高級車の違いに値段ほどの差があると言えばそんなことはない(無いとは言ってない)でしょう。ではなぜ買うのかと言えば、自分がそれだけ高い車を買えるほどのリソース(つまりお金や社会的地位など)を持っていますよと示していると考えられます。
リンゴのマークがついた、やたらと高いガジェットにも同じことが言えるかもしれません。正直、最新のノートPCが高いスペックを誇るとは言え、結構な金額を出すほどのものではないと思います(1つ前のモデルでも十分)。しかし、この最先端の機器を理解して使いこなせるほどのIQが自分にはあるんだよとか、このPCを使ってクリエイティブな仕事をするセンスのある人間なんだよ的なことをアピールしたいのだと考えたらしっくりきます。いわゆるガジェット好きが、買った後にちゃんと使ってるかどうかは怪しいですしね。
他にも、高くておしゃれなだけで大して美味しくない店の料理の写真をインスタにあげるだとか、行きもしないのに高いジムの利用料を払ったりだとか、勉強するわけでもないのに学歴を買うだけのために有名大学にいくだとか...見せびらかしの例は枚挙にいとまがありません。

人の購買心理が学べる本なので、人の心についての理解を深めたい人から、ビジネスでマーケティングを成功したい人まで、幅広い人が読んで楽しめる本だと思います。

League of Legend おすすめ度:★★★★☆

次はゲームの紹介。アメリカのライオット社によるオンラインゲーム"League of Legend"です。
どんなものかというと、プレイヤーがそれぞれキャラクターを選び、5vs5に分かれて自陣から敵陣に攻め込むゲームです。リアルタイムに動く将棋だと思えば分かりやすいかもしれません。課金要素はありますがキャラクターの見た目が変わるなど強さとは関係がなく、基本無料でプレイできるのも嬉しいところです。
まだ始めたばかりなので偉そうには語れないのですが、本当に頭を使うゲームで、そこが面白いです。例えば、目の前の敵にだけ集中しすぎず、別の敵からの奇襲を警戒したり、今自分たちは攻めるべきか、守るべきかを見極めたり、常に刻々と変わる状況に的確に判断を下していかなければなりませんが、その慌ただしさが病みつきになります。
実際にこの手のゲームは頭のトレーニングになるといった研究もあるので、脳みそを鍛えるためにやってみてもいいかもしれません。

TENET おすすめ度:★★★★☆

映画からは2本紹介。
1本目は言わずと知れたクリストファー・ノーラン監督の作品。
ミッションを託された男が時間を遡ることで世界の滅亡を阻止するといった内容で、ミッション・インポッシブル×バックトゥザ・フューチャーみたいな感じ。全体通して、よくこんな発想ができるなというか、こんな風に時間のトリックを使った作品は初めてでした。
映像も本当にどうやって撮ったのよとツッコミたくなるシーンばかり。デジタルよりアナログで撮ることを好むノーラン監督ですが、何処からどこまでがアナログで撮ったものなのだろう...。Netflixのオリジナル作品も面白いけど、ここまで金をかけてるものは多分ないと思うので、この辺はまだ映画に分がありそうです。
少し残念に感じたのは、全体的に登場人物が淡々というか、クールであまり感情を表に出さないので、盛り上がりに欠けるとは思います。まあ、好みの問題ではありますが、暑苦しい主人公が割と好きなので、そういったものを求めている人にとっては、本作の登場人物はちょっと物足りないかもしれません。
しかし、それを補って有り余るくらいの見どころがこの映画にありました。映画素人ではありますが、脚本、映像共に質が高いと感じましたし、とても楽しませてもらえた一本です。

マンデラ 自由への長い道 おすすめ度:★★★☆☆

南アフリカの大統領ネルソン・マンデラの自伝「自由への長い道」の映画版。ネルソン・マンデラの人生をサクッと知りたい人にはおすすめです。

見どころはというと、とにかくマンデラという人間の底力を感じられるところだと思います。差別されながらも、それに屈することなく立ち向かい、逆境を跳ね除け、アパルトヘイトの撤廃という大義を成し遂げる。私と同じ人間とは思えない、その生命力のようなものには尊敬してしまいます。まあ、その生命力がありすぎるせいで女性関係にも奔放だったみたいですが。

特に好きなシーンはマンデラが裁判にかけられる場面です。マンデラはアパルトヘイト撤廃を目指して反政府活動を行なっていましたが、それが政府に睨まれたことで逮捕され、死刑を問われます。この時、弁護士から自分たちの非を認めれば死刑は免れるかもと諭されるのですが、マンデラはそれを拒みます。そして最終弁論の際に、「自分たちは社会にとって正しいことをした。だからその考えは曲げないし、死刑ならそれを受け入れる」と堂々と主張したのです。
これにはもう痺れました。下手な命乞いはせず、自分を犠牲にして社会に貢献する。その姿はソクラテスの弁明に似たようなものを感じたりもしました。
この後も刑務所に入って看守からいびられながらも、そこから20数年かけて出所し、大統領に選ばれるなど、転んでもただでは起き上がらない不死鳥のようなマンデラの人生が続きます。

何か辛いことがあった時も、このようなマンデラの境遇を思い出すようにしています。そうすると、自分のちょっとした悩みなんて大したことなく思えるようになる、そんな素晴らしい映画だと思います。

ホークアイ:おすすめ度★★★★☆

アベンジャーズにも登場したアメコミヒーロー"ホークアイ"を主役にしたドラマ。Disney+で配信されています。

ホークアイというキャラクターを知らない人のために説明しておきますと、空を飛んだり、ビームを出したり、超人的なパワーを持っている派手なヒーローと比べると、ホークアイは弓を駆使して戦うという地味なヒーローです。一般人よりは圧倒的に強いのですが、当然スーパーパワーを持った相手には太刀打ちできません。しかし、それでもホークアイは自分のできる弓という特徴を最大限活かして、世界を救うために戦います。そんなストイックさと哀愁がみんなハートを射抜く(弓だけに)カッコいいヒーローです。

このドラマでは、そのホークアイに弟子ができた話です。ホークアイは弟子なんて欲しくないのですが、話の成り行き上、いやいやながらタッグを組むことに。だから、最初はかなり距離があるんですけど、話が進むにつれて信頼関係が芽生えてきて、その過程が見ていて微笑ましいです。

一見地味だけど、よく知ると実は渋くて、かっこいい...そんなオジサンが好きな人におすすめのドラマです。

ずっと真夜中でいいのに おすすめ度:★★★★★

今年はずっと真夜中でいいのに(通称"ずとまよ")にはまった年でした。決まったメンバーは持たず、ボーカル、作詞作曲を担当するACAねさんを中心に活動するプロジェクト。音楽性はファンクとかジャズとかロックとか、その他諸々多様なジャンルを巻き込んだJ-PoPという感じです。

ずとまよの良さは、やっぱりボーカルのACAねさんに尽きると思います。愛と虚無感が混じり合った独特な雰囲気を持った独特なセンスを感じます。
ワードセンスも個性的で、「お勉強しといてよ」「脳裏上のクラッカー」などよく分からない曲名が面白いです。また、「あいつら全員同窓会」という曲では「急いで飲み込む納豆巻き」「お疲れ様です。風邪気味です」のように普通の歌詞では聞けないパンチラインが炸裂しており、これまたよく分からないんですけど、それが心地よく感じられます。

キャッチーでありながら音楽的なこだわりも随所に感じられる稀有なアーティストだと思うので、気になる方はぜひ聴いてみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
正直、何者でもない私が読んだ本なんて興味ないよなとは思ったのですが、どこの誰が書いたかも分からないブログのレビューを参考にして、本を買った経験もあるので、誰かしらの学びには役にたつだろうと思い、書くことにしました。
そうやって、知らない誰かと交わり、新たな世界が開けるのがインターネットの醍醐味ですしね。

というわけで皆さん、良いお年を。
来年もよろしくお願いいたします。




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