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朝寝とんかつ
2020年6月7日 22:38
◀︎◀︎ 前編■■■ 昼前十一時。陽が高く昇り始める。春にして、朝から初夏のようだった陽気は、一層夏へと近づいた。砂場の端にはスコップやバケツなどが砂まみれのまま置かれている。子供の笑い声を少しばかり遠くから聞くそれらは、どことなく切ない空気を纏っていた。「そろそろ帰ろうかぁ」私はそんなスコップたちを手に取りながら、娘に向かって声をかける。「やーだぁ」カバの遊具の背中から顔を出している
2020年6月4日 11:13
「お花しゃん、赤ちゃんでしゅか?」 娘が住宅街の家の花壇に咲く花に話しかけている。「お花しゃん、お花しゃん、赤ちゃんでしゅか?」返事が欲しいようだ。「おーい、お花しゃーん」何度も話しかけている。仕方ないので私が声をかける。「お花さん、喋れないのかな?」花に声帯はないものなぁ。「お花しゃーん、喋れないんでしゅかー?」キリがない。「お花しゃーん、お返事してくだしゃーい」終わらな