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読点はどこに打つ? 創作大賞感想 <小説の書き方>
小説を書き始めた頃に、自分の文体を探した時期があります。好きな作家の本を何冊も前にして、どれが自分の好きな文体に近いだろうと考えたものです。
※その時のことは以前、記事にしましたので、ここではリンクだけしますが、池井戸潤さんの『下町ロケット』を選びました。
私が心掛けたのは【読者に読みやすいと思ってもらえる文体】。と言うか、文体がどうとか感じる間もなく、するすると読める文章にしよう、ということです。
いくつか工夫をしたのですが、象徴的なのはタイトルにもした「読点はどこに打つ?」ということです。
小説の指南書などには、「文章が長くなったら打つ」とか「一息で読めなくなったら打つ」とか抽象的に書いてあります。
具体的に書きます(私の場合です。正しいかどうかは別の話)。
文章を長くしない、ということと、もうひとつ
ひらがなの単語が続いたら打つ、というのを原則にしています。
①「文章を長くしない、ということと、もうひとつ」
②「文章を長くしないということともうひとつ」
①と②を比べたら、明らかに①の方が読みやすくて、つっかからないですね。少し、ぶつ切れのようで幼い感じがするかもしれませんが、それよりも
読者がそこで立ち止まらない。それを優先しています。
「この文章、どこで切れるのだろう」とストーリー以外の余計なことを考えずにすむ、ようにしたいのです。
文章を長くしない。これも具体的にいうと、一文は三行まで(四行にしない)というのがマイルールです。主語と述語が離れると、意味が伝わりにくいからです。
エンターテイメントを書く時は、【考える読書よりも楽しむ読書】を大事にしたいと、私は思います。
難解な文章を読み解いて、著者の思想や哲学に触れることを楽しいと感じることもありますが、それはエンターテイメントとは違うと思っています。
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さて、今日はnote創作大賞、応募作品の中から、文体に刺激をもらった作品を紹介したいと思います。
『Monument』川良部逸太さん
【詩】のような文体だと思いました。
一文の短さ、読点の多さ、行間の取り方、
さらに視点の切り替わり、心の声の置き方。
そのスタイルが独特です。
静謐なのに熱がこもっている。
(少しハードボイルドも感じました)
この文体、特徴的で読みやすい。そして先に読み進めていっても、ぶれないのです。
文体がしっかり定まっているから、安心してストーリーに入っていける。
船が揺れずに安定していると、落ち着いて景色を眺めることができる。
それと一緒です。
ぜひ、第一話を読んでみてください。
読者をおもてなしするのだから、読んで心地よいと思ってほしい。
そういう自分のスタイルを持つことが大切だと思いました。
『Monument』
内容がまた面白いのですが、それはまた別の機会に。
まだまだ連載は続くようです。完走されるように応援しています。
冒頭に書いた、私の文体についての記事です。
連載中の『紫に還る』 です。あらためて読んでみたら、勢いに乗って書くと、つい読点を打つのをわすれてしまいがちです。
それではまた。
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