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『罪悪感を感じる』問題について<小説の書き方>

花丸恵さんの記事をシェアします。
【「罪悪『感』を『感』じる」は誤用なのか】というタイトルです。
思わず頷きながら読みました。
※花丸恵さんは、先頃、note創作大賞2023で入賞されました。

いわゆる『重言』、重ね言葉というやつです。「意味の重なった言葉を続ける言い方」(三省堂国語辞典)
「馬から落馬する」などは有名です。

「馬から落馬する」は「馬から落ちる」「落馬する」のように、簡単に直せるので良いのです。

「お湯を沸かす」(お湯はすでに沸いている)や「元旦の朝」(元旦は朝のこと)は知識として身につければ良いです。
間違えて使っても潔いものがあります。

しかしタイトルの『罪悪感を感じる』のタイプは少し厄介です。
「罪悪感」以外にも「違和感」「嫌悪感」なども同じです。
ついその後に「感じる」と書いてしまい、ほかに表現を知らないみたいで、微妙な気分になることはありませんか?

花さんは、その問題について詳しくも軽妙、そして実感溢れる記事を書いてくださり、とても参考になり、共感しました。
ぜひ、読んでみてください。

花さんの記事にコメントを書いている内に、この問題を回避するための私の工夫と、その考え方について、記事に残しておこうと筆を執りました。

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正直なところ、別に「罪悪感を感じる」でもいいじゃないか、と思います。日常会話では、特に変だと思わずにスルーしていますし、重ね言葉の中には一般的に認知されていて、適切とされているものもありますから。

ただ小説の中に「罪悪感を感じる」とあると、少し残念な気持ちになります。この微妙な気持ちは、自分で小説を書いている人にはよくわかっていただけるのではないでしょうか。少なくとも自分で書くには、ためらってしまいます。

私も小説を書くようになってからは、登場人物が「罪悪感を感じる」シーンになると、ああ、罪悪感を感じてるな、と頭で考えながら、「罪悪感を覚える」などと自動的に変換して書くようになっています。
この辺の言い換えは花さんの記事が詳しいです。

それ以外の回避方法を書いておきます。
私はまるっと「罪悪感」=「罪悪感を感じた」とひとくくりにして
「それでその後、どうした」ということまでを、一文で書くと良い感じがしています。

具体的には
「罪悪感に立ちすくむ」とか
「罪悪感に胸が詰まった」のように。

「罪悪感を感じた」と書きたくなったら「罪悪感を感じて、どうしたのか」と考えて、そこまで書くようにすれば収まりの良い表現になります。

あるいは「救いようなのない罪悪感」で体言止めにするとかもあります。
(体言止めは使いすぎると子どもっぽくなるので要注意ですが」

これらは、他にも
頭痛が痛い⇒頭痛がしてどうした⇒頭痛で顔をしかめた
のように応用ができると思います。

いかがでしょうか?
ちょっと小難しいことを書いてしまいましたが、重ね言葉であっても
小説自体が面白かったり、ストーリーの流れで、違和感を感じなければ、気にしなくて良いのかもしれません。

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今、『違和感を感じる』と書きましたが、違和感を覚えなかった人も多いと思いますので。

それでは失礼します。
この『罪悪感を感じる』問題について、ご意見や感想がありましたら、コメントをいただければ、と思います。


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