【読書録】不機嫌は罪である/齋藤孝

育休中に積読を消化したい!
0歳の子が寝ている間に、ちまりちまりと読書中。
読み終わった本から、自分用に雑多なメモと感想を書く予定。

読んだ理由

  • どこかで見た「上機嫌が人間の最上の徳である」という言葉にハッとしたから。

  • 子供の精神の安定は、裕福さでも学力の高さでもなく「両親の心の安定」から来ているという言説を見た。確かに、上機嫌な父母に育てられたら子供も上機嫌に生きていけそう(夫は上機嫌の達人、私はそうでもない)。母親になったので、上機嫌さをきちんと学んでみたいと思ったから。

雑多メモ

  • 不機嫌には、もはや何の力もない。

  • 現代社会では、不機嫌な個人が多大なる損を被る。なぜなら、現代人が傷つきやすくなっている&みんなが快適に暮らしたいという気持ちを抱いているから。(不機嫌な人がいる店などは淘汰される時代…)

  • まずは不機嫌=知的、上機嫌=バカ、という構図を捨てる。

  • 不機嫌にさよならする3ステップ

    • 1、自分の不機嫌の芽を知る:自分がどういう状態になったら不機嫌になるのかというパターンを解析しておく。不機嫌の芽が出てきたら時間的・空間的距離を取る。

    • 2、からだを上機嫌モードにする:身体的に不機嫌にならないように整える。

    • 3、こころを取り戻すわざを身につける:執着を捨てる。

  • 不機嫌を使わずに言いたいことを伝える方法はいくらでもある。指摘するときこそユーモアを。ジョークが言えることで、「自分は状況を客観視し自己をコントロールできる」と相手に示すことにもつながる。

  • 心の中は瞬間的に不機嫌になっても良い。大切なのは、それを人に見せないこと。心をオブラートに包むイメージ。

  • 上機嫌は人のためならず。

  • SNSで愚痴をこぼすことは、全世界に向けて自分の不機嫌を晒していること。

  • 自分に正義があると思うことは危険。自分の正義感チェックをしていくと、必ずどこかにほころびが出てくる。

  • 「絶対」は、デカルト流に言うと知性を放棄していること。

  • 魔女狩りではなく、天の岩戸を心掛ける。不機嫌になりそうなところをジョークで切り返す。

  • SNSであれLINEであれ、基本的には「文字に残るものには不機嫌を露わにしない」というのは重要。

  • 静かに暮らすために情報遮断は必要。SNS断ち。

  • 目指すのは「おだやかな上機嫌」

    • 自己を客観的に見つめ、コントロールできる

    • 他人を気遣い、場の空気を読む

    • からだがしなやかでオープンな雰囲気

    • 自分を笑い飛ばす器量がある

  • 身体の冷たさや硬さは不機嫌のもと。温まることが大事

  • 肩甲骨をほぐすと身体が上機嫌になる

  • 深い呼吸をする。鼻から3秒息を吸って、2秒止め、15秒かけて吐き出す。緊張した時や頭が真っ白になったときにもおすすめ。

  • 自分がどんなに上機嫌でも、周りにそれが伝わらないと意味がない。そのためには「表情と声」に気をつける(EX.メラビアンの法則)

  • 初対面の人の性格が明るいか暗いかは人は気にしていない。大切なのは、今ここで楽しく話ができそうかどうかということ。

  • 人がイライラしているときは、必ず何かに執着している状態。

  • 不機嫌な人は「一時が万事」という考えを持っている。これは思考を放棄している状態である。

  • 負の力が働く時は、「ふっきる」ことが大事。

    • 断言力:事柄を冷静に見つめ、状況を断定する。断定することで、次のステップへ進む。(私は不幸だ→じゃあどうする?)

    • 想像力:ものの捉え方を変える

    • 自分を笑い飛ばす力:自分をおおらかに笑い飛ばす。たまたま自分に起きただけだと思う。自虐とは違う。

  • 自分を罵倒する自分をからだから追い出すのも上機嫌の一歩(インナーゲーム。マインドAは頭で口うるさく命令する存在、マインドBは身体で黙って実行する。命令系統をストップさせて身体の自律的な機能を回復させる)

  • 何事も軽やかに行うことが大切。「踊る」ように。

  • 音楽・映画や、フィクションに没頭することも、よい切り替えスイッチになる。

  • 「偏愛マップ」を作っておく

  • 周囲の人間関係や人の能力を伸ばすことも考えながら動いたほうが、結果的に自分のパフォーマンスを上げる。

  • 一人で暮らしていくよりも、軋轢や誤解を紐解きながら、周囲とコミュニケーションを続けて「つながり」を持つことが上機嫌に近づく。

  • どんな知性をもった人でも一人では上機嫌になれない(ニーチェの例より)。

  • 上機嫌は媚を売ることとは違う。内側から溢れ出るものが上機嫌。接客されていても「媚び」と「上機嫌」はわかってしまう。「上機嫌」は相手を歓待したいという気持ちのあらわれ。

  • 上司が不機嫌だったら?流すこと。別の質問をして別の話題に誘導する。不機嫌な人は周りが思っているほど不機嫌ではない。部下に頼られたいのが上司なので、フレンドリーに仕事の悩みや質問をしてみる。ベテランに話しかける若手が少ない。

  • 語彙力がある人は知性だけではなく上機嫌な人柄も演出することができる。(EX.この仕事ギリギリでヤバいからやってもらえない?→大変恥ずかしい話だが、9回裏ツーアウト満塁のような状況なんだ)


雑多な感想

  • 不機嫌さで周りに迷惑をかけるから直しましょう、というアプローチではなく、不機嫌は大損・上機嫌でいることは得!という切り口での語りだったので、興味深く読むことができた。

  • 不機嫌さを振りかざすことが知性だと考えている人がいる、にハッとさせられた。上機嫌でいることは品性で、知性があるということを感情論ではなく、きちんと体系的に理解できたかもしれない。

  • 偏愛マップを作る、語彙力を増やす、体を温める、不機嫌さを残るものに記さない…などなど、筆者が実際にやってきた具体的なメソッドが書かれているので取り組みやすかった(自分は身体が冷えやすい体質なので留意して温まらなければ…と思った)。

  • イライラすることは執着から始まっているという言葉が胸に響いた。確かにそうだと思う。自分を執着しないタイプの人間だとは思っていたけれども、改めて見直してみたら生活のところどころに小さな執着が見つかったので、少しずつ切り離していこうと思った。


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