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当てれるから振れる話 振っていれば当たらなくてもいい話ではない

世の中の流れとして、客に寄って創る当てにいくコンテンツが多くなっていて、創り手として売れるモノは創らなければならないけれど、客に合わせて売れるモノばかり創っていたら、自分である必要も自分の価値もなくなってしまうから、自分の思想信念主義主張を貫いた振ったモノを創らなければいけないと常々考えています。

それなりに売れるモノは創れるけれど、売り上げを見るがあまり、売れるものに全振りしたとき、消費されて飽きられて、気がついたら価値がなくなっていた状態にならないように「売れるモノを創って産業化するけれど、自分の軸となる振ったモノを大事にする」ようにしてきました。

今は飲食には食べログの口コミがあって、格闘技やプロレスにはSNSがあって、その他たくさんの評価サイトがあるので、提供者側が万人受けする最大公約数を見て作るようになっていて、それは0か100かに振ったものではなく、8割も作りで賛否が分かれないようなものを作る傾向があるように感じています。それは誰もが賛否を恐れることでもあるので、その中で恐れずに振りに行くケンドーカシン先輩や鈴木秀樹さんや僕の価値が相対的に上がっているように思います。僕は当てた経験もしているけど、しっかりと外した経験もしています。外したときは外すこともあるから、「ああわからなかったか」程度にしか思っていません。まあそんなこともある。

先日、創り手の方と話していて、「振りたい話」をじっくりと話しました。SNSの見せ方だったり、マーケティング的な腕の見せ所だったり、販路の開拓だったり、商品本体以外の小手先とされる部分で評価が分かれる世の中に違和感を感じるのもわかるが、それを自分の活動が好転しない理由にしているのはまた違った話だと思うし、プロであるならまずは産業化して成り立たせてこその思いが僕にはあります。創り手として自分を貫くことに全振りするのはそりゃあかっこいいけれど、振ってもまったく当たらないのであれば、それはそれでまた違った話なのではないかと思ったのです。まずは食えるところまでは行こうっていうのが仕事にするときの考えですが、趣味としてただ好きなことをやりたいのであれば、まあそれはそれとしてです。

僕は当てることができるから振れるし、当てることができるから振ることに価値が出てくるのではないかと思うのです。世の中が当てにいく傾向が強まっているからこそ、飽きられて消費されないためも振ることが大事なのであって、まずは最低限のラインを当てられないのであれば、それは実力が足りないのではないかと考えて、基本で地固めするのが得策なように思うのです。振るだけなら誰でも出来て、その中で打率も保てているから価値があるのです。

世の中の流れとして、当てにいくコンテンツが主流で、出来る限り売り上げを求めていく姿勢になっている中で、売れ残って売り上げが下がったとしても、それでも自分の核となる部分を出せるかどうかが問われているように思います。売れるモノだったり、特段注目を浴びるものではないけれど、自分の軸や核となるモノは世に出さねばいけないし、核になるものがあるからこそ、青木真也が青木真也として立っているのです。だからこそ僕は日々練習をするし、売り上げに直接的に貢献しないであろう記事を書いたり、喋りなどの表現活動をしています。客が求めることだけをしていたら、今の青木真也の立ち位置も価値もないです。

人は売り上げが上がったり、注目を浴びるのは心地よく安心するから、どうしても寄って創ってしまうところはあるけれど、自分は何のためにやっていて、何を伝えたくて、何がどれだけほしいのかをしっかりと把握して、当てにいく打率と振る塩梅を築いていくのが腕の見せ所だと思います。自分が自分であるために例え損をしても「振る」覚悟と行動をせねばいかんし、目の前に明らかに利益や成功があったとしても自分を守るのは長い目で見たときに大事なことだと思うのですよね。目先の利益に捉われると結果、損をすると思います。

もちろん売り上げがほしいと考える人もいるし、知名度が欲しいと考える人もいて、大事なのは自分が何が欲しくて、そのためには何をするのが最善かを把握しておくかだと思っています。何よりも自己分析が大事だと思いました。僕は仕事として芸に取り組んでいて、その中で最大の表現をしたいからこそ、打率は維持しつつもしっかりと振って、創り手としての価値を保ち続けたいのです。そんなわけで今日も頑張っていきましょう。

話は変わって、僕は今は産みの苦しみと言うか、新しいフェーズに行く時期だからこその苦しみを感じています。わかってはいるのですが、いまいち踏み出せていない状況なのだと自分を見ています。踏み出せていないのは躊躇しているとか、勇気がないわけではなく、完全に整理ができていないのと我慢できずに行ってしまうような熱狂ゾーンに入っていないのです。その意味では理性があってコントロールが利いているのとそれだけ今の仕事に心地よさを感じているのだと思います。

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